

エアコンは夏の間に冷房を使用していると、内部がカビだらけになることがあります。
冷房をかけると内部の冷たい部分が結露して、その水分によってカビが発生するからです。
エアコンに抗菌コートをしておけば、カビを予防できます。
エアコンの抗菌コートにはいろいろな種類がありますが、効果と耐久性を兼ね備えた方法として、銅担持酸化チタンを使った抗菌コートがあります。
この記事では、銅担持酸化チタンを使った抗菌コートの魅力をご紹介いたします。
光触媒の抗菌コートとは?
光触媒とは、光が当たると触媒効果を発揮する成分のことです。光触媒による触媒効果とは、OHラジカルといわれる活性酸素による酸化分解です。OHラジカルはカビ菌の表面の突起や菌糸、細胞膜、胞子なども酸化分解する性質があるので、カビ菌の活動を抑制したり、死滅させたりします。
光触媒でエアコンに抗菌コートしておけば、カビの発生を抑制できます。
光触媒の問題点
光触媒でエアコンを抗菌コートしておけば、カビの発生を抑制してくれそうですが、光触媒が効果を発揮するためには条件があります。その条件に合致しなければ、カビの抑制ができません。
その条件とは、次の通りです。
- 光触媒が活性化する光が当たること
- 活性化した光触媒に防カビができるほどの効果が発揮されること
一般的によく利用されている酸化チタン光触媒は、紫外線が当たると、強力な防カビ効果を発揮します。ところが、エアコンの内部には紫外線がありませんから、酸化チタンでは防カビ効果を発揮することはありません。
また、紫外線でなく室内の光でも反応する光触媒もありますが、エアコン内部はやはり光の明るさが弱いため、防カビができるほどの効果を発揮しないという問題点があります。
エアコン内部でも防カビができる光触媒は銅担持酸化チタン
エアコン内部でも防カビができる光触媒があります。その成分は銅担持酸化チタン(銅ドープ酸化チタン)と言われるおのです。
銅担持酸化チタンとは、酸化チタンに銅を結合させた成分です。酸化チタンは、先ほどご説明したように紫外線にしか反応しませんが、銅担持酸化チタンは紫外線はもちろんのこと、紫色や青色、水色(シアン)の光にも反応して、防カビ効果を発揮します。ですから、室内の光が当たることでも防カビができます。
では、光の弱いエアコン内部はどうでしょうか?
銅担持酸化チタンは、酸化チタンに結合されたナノサイズの酸化銅が、暗所でも触媒効果を発揮して、防カビをする性質があります。
要するに、銅担持酸化チタンはエアコン内部でも強力に防カビをしてくれる成分なのです。
銅担持酸化チタンと銅イオンの違い
銅担持酸化チタンによる抗菌コートは、その液剤を塗装して使用します。同様に、銅イオンを使ったコーティング剤もあります。この2つを比較すると、銅担持酸化チタンを使った抗菌コートの方が、圧倒的に効果が持続する期間が長いです。
その理由は、銅イオンの抗菌コートは、銅イオンが溶けだしてその成分でもって防カビをします。そのため、銅イオンが溶けだして無くなってしまったら、防カビ効果も無くなります。
それに対して銅担持酸化チタンの抗菌コートは、酸化チタンに結合した酸化銅が半永久的に触媒効果を発揮するわけです。そのため、エアコン内部に銅担持酸化チタンが付着している限り、防カビが続きます。実際に銅担持酸化チタンの抗菌コートを塗装すると、エアコンの環境にもよりますが、10年以上効果が持続します。
また、銅担持酸化チタンは抗菌効果だけでなく、消臭やアレルゲンの分解、ホルムアルデヒドの分解といったVOC対策も可能で、この効果も抗菌と同様に効果が長持ちします。
なぜ銅担持酸化チタンの抗菌コートは耐久性が高いのか?
銅担持酸化チタンを使った抗菌コート剤には、接着成分(バインダー)としてアモルファス酸化チタンが利用されています。
アモルファス酸化チタンを使った液剤を塗装して乾燥すると、アモルファス酸化チタンが塗装面に強力に固化して付着します。それによって、銅担持酸化チタンも固定化されるのです。ガラス面にアモルファス酸化チタンの液剤を塗布した場合、それを剥がすためにはコンパウンドを使って研磨しないと取れないくらいの固さになります。
また、アモルファス酸化チタンは、銅担持酸化チタンによる触媒効果によって劣化しない成分です。この効果によっても耐久性が高くなるわけです。
エアコンの抗菌コートの施工方法

銅担持酸化チタンを使った抗菌コートをする場合、その液剤を塗装機械とスプレーガンを使って塗布します。そのため、施工業者に依頼することになります。
エアコンに抗菌コートをする場合は、エアコンクリーニング業者に依頼し、内部を高圧洗浄してもらいます。エアコン内部にカビや埃が付着している状態ですと、抗菌コートによって汚れが分解されて落ちていくときに、抗菌コートもいっしょに落ちてしまい、耐久性が悪くなるからです。
まずエアコンクリーニング業者に清掃してもらい、抗菌コートをしてくれる業者に施工してもらいます。
今のところ、エアコンクリーニング業者の方で、銅担持酸化チタンの抗菌コート施工を行っている業者は存在しません。エアコンクリーニングだけでなく、新規事業として銅担持酸化チタンを使った抗菌コートを導入したいとお考えの方は、ぜひ弊社までご相談ください。
エアコンの抗菌コートの料金
銅担持酸化チタンを使った抗菌コートの料金は、1回当たり5,000円ほどです。これに諸経費や出張費が加わるので、合計で15,000円ほどになる場合もあります。
抗菌コートの料金が5,000円と格安なのに、諸経費や出張費で高くなってしまうため、もったいないですから、ついでにトイレやバスルームなどの抗菌コートをしてもらうことをおすすめします。
銅担持酸化チタンの抗菌コートは、実は部屋の中の抗菌や抗ウイルス、消臭、アレルゲンの分解なども可能ですから、ご家庭やオフィスなどの室内全体の施工をご依頼される方もいらっしゃいます。
以上、効果と耐久性の高さを兼ね備えた銅担持酸化チタンを使ったエアコンの抗菌コートを解説いたしました。一般的な光触媒は、光が当たる場所でないと抗菌効果が弱いのですが、銅担持酸化チタンであれば、エアコン内部の暗い場所でも抗菌が可能です。
エアコンの抗菌コートをご依頼されたい方は、弊社もしくは弊社の施工代理店までご相談ください。施工代理店一覧は、光触媒コーティング塗装の施工代理店一覧をご覧ください。
また、ハウスクリーニング業者様で、銅担持酸化チタンを使った抗菌コートを新規事業として取り入れたい方も、弊社までご相談ください。弊社では、弊社の業務用光触媒製品を扱う施工代理店を募集しております。施工代理店になられましたら、次のようなサポートをしています。
- 施工機材の販売
- 光触媒コーティングの施工方法が学べる施工講習会の開催
- 施工人員が足りないときのサポート
- 弊社に直接ご相談いただいた案件の斡旋
- チラシなどの営業ツールのご提供
- コンシューマ向けの光触媒スプレーを卸価格でご提供
施工代理店募集については、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。