
弊社イリスでは、用途別にいろいろな光触媒コーティング剤を開発・製造しているメーカーです。
自動車の内装をたった1つで抗菌、抗ウイルス、消臭ができるコーティング剤「車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)」もあります。
この記事では、開発経緯から効果や施工方法など、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を徹底解説いたします。
車内やエアコンの臭いに困っている方から、車内の抗菌・消臭コーティング施工を事業として取り入れたい方にまでご覧いただけたらと思います。
光触媒の効果
最初に光触媒のことをよく知らない方に、光触媒とはどういったものなのか、どういった効果があるのかをご説明します。
光触媒とは?
自動車のエンジンには、マフラーが取り付けられています。マフラーは、エンジンの排気音を低減してくれるものです。マフラーとエンジンの間にも、もう一つ装置が取り付けられています。その装置は、通称「触媒(しょくばい)」といわれています。
触媒は、エンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物や一酸化炭素などの有害なガスを分解してくれる役割があります。そして、有害なガスを分解しても、触媒はその機能を失うことなく、半永久的に利用できます。
排気ガスに取り付けられた触媒は、主にプラチナが使用されており、排気ガスの温度で温められて300℃くらいになると触媒の効果を発揮します。
光触媒とは、光が当たると触媒の効果を発揮する成分のことです。主な成分は酸化チタンです。酸化チタンは、光の種類の中でも紫外線が当たると反応し、触媒の効果を発揮します。
光触媒は、光が当たって活性化すると、それに触れている細菌類やウイルス、臭いの成分を酸化分解する性質を持ちます。ですので、光触媒を使った液剤「光触媒コーティング剤」を車内に塗布しておくと、車内を抗菌や消臭してくれるわけです。
ここで、光触媒コーティング剤とは、光触媒をコーティング塗装できるように、光触媒成分が溶け込んだ液剤のことです。専用の塗装機械とスプレーガンを使って塗装します。
自動車の車内環境での抗菌と消臭
自動車の車内には、昼間であれば直射日光が入り込みます。直射日光は強い光ですから、光触媒も強く反応して抗菌や消臭の効果を発揮してくれる可能性があります。
「可能性」と述べた理由は、光触媒の種類によっては自動車の車内では効果を発揮しない成分があったり、夜間には弱い光であったりするためです。
先ほど、「酸化チタンは紫外線に反応して触媒の効果を発揮する」ということをご説明いたしました。反対に、酸化チタンは紫外線にしか反応しませんから、紫外線が当たらないと抗菌や消臭といった効果を発揮しません。そして、自動車の車内は紫外線がほとんど無いのです。
その理由は、自動車の窓ガラスにあります。自動車の窓ガラスはUVカットガラスが用いられており、最近では紫外線を99%カットしてくれる窓ガラスが主流になっています。そのため、直射日光が強くても、車内には紫外線がほとんど入らないため、酸化チタンでは抗菌や消臭がほとんどできません。
車内の抗菌・消臭は銅ドープ酸化チタン
光触媒にはたくさんの種類がありますが、自動車の内装に塗装できるコーティング剤として実用化されているものの中で、もっとも抗菌・消臭効果の高い成分は、銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)です。
銅ドープ酸化チタンとは、基材である酸化チタンにナノサイズの酸化銅を補触媒として結合させた光触媒です。ナノサイズの酸化銅を結合させることによって、それまで紫外線にしか反応しなかった酸化チタンが、車内の光でも強く反応するようになります。
具体的には、紫色や青色、水色(シアン)の光にも反応します。銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を車内に塗布しておけば、UVカットガラスを通した日光の光でも、車内を抗菌・消臭してくれるわけです。
また、銅ドープ酸化チタンには、他の光触媒にはない特殊な性質があります。それは夜間の光が当たっていたいときにも触媒効果を発揮するという性質です。自動車の車内を抗菌や消臭したい場面は、晴れの日だけではありません。夜間にも、抗菌や消臭をしたい場合もあります。銅ドープ酸化チタンであれば、夜間でも効果があるのです。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の特徴
銅ドープ酸化チタンを使った自動車の内装用の光触媒コーティング剤を、世界で初めて開発したのは弊社になります。その液剤の名称は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)です。
開発の経緯
この製品を開発した経緯は、大手自動車メーカーが米国で販売されていた高級自動車を逆輸入して国内販売するときに、「日本で最高の光触媒コーティングを導入したい」ということで弊社が開発したもので、純正品として採用されました。
当時は、光触媒コーティングが流行しており、大手自動車メーカーでも「光触媒を取り入れよう」ということになったようです。大手自動車メーカーの系列会社でも光触媒の研究がおこなわれていましたが、弊社が開発したばかりの銅ドープ酸化チタンの効果の高さを知り、弊社の製品が採用された次第です。
開発してから20年以上経過しますが、それ以降、製品の効果の高さや、車内の装飾性を損なわないような改良を加えて、今現在の製品になっています。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の効果
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の消臭効果では、すでに多くの実績があります。
大手自動車メーカーの高級車に同乗させてもらったときに、運選手のオーナー様がずっとタバコを吸っていました。タバコを吸わない私からすると、タバコの煙はイヤなものです。ところが、その日は晴天だったということもあり、光触媒が強く働き、横に同乗していたのにもかかわらず、タバコの臭いがほとんどしなかったのです。
その人がおっしゃるには、「夜でも消臭してくれているようだ」とのことでした。
もちろん、抗菌でもたくさんの実証があります。効果をまとめると、次の通りです。
- 抗菌
- 抗ウイルス
- 消臭
- 新車の臭いの分解
- 化学物質(VOC)の分解
- 防カビ
「防カビ」と言われると、「車内にカビが発生するのか?」と思われたかもしれませんが、環境によってはカビが発生することがあるようです。また、エアコンから変な臭いがする場合は、エアコンの中でカビが発生している場合があります。
使用されている成分
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)に使用されている成分は、次のものです。
- 光触媒=アナターゼ酸化チタン
- 接着剤(バインダー)=アモルファス酸化チタン
- その他=銅、界面活性剤、水、その他
光触媒には、アナターゼ酸化チタンを使用しています。アナターゼとは酸化チタンの結晶構造の名称です。結晶のサイズは、おそらく10~20nm(ナノメートル)ほどの微細な結晶です。
接着剤(バインダー)とは、光触媒成分を塗装面に付着させるための接着成分のことです。バインダーには、酸化チタン(アモルファス)を使用しています。アモルファスは、非結晶のことです。アモルファス酸化チタンを使った液剤が乾燥すると、塗装面に強固に付着する性質を利用しています。
銅は、銅ドープ酸化チタンの補触媒として添加されています。弊社の特許技術によって、アナターゼ酸化チタンと結合させています。界面活性剤は、内装のプラスチック製品に均一に付着するように、少しだけ添加されています。
効果の持続期間は10年以上
光触媒の効果の持続期間は、塗装面に光触媒成分が付着し続けている期間ということになります。なぜなら、光触媒は劣化しないため、ずっと抗菌や消臭をし続けてくれるからです。
つまり、効果の持続期間は、バインダーであるアモルファス酸化チタンが付着し続けていられる期間ということになります。
その期間は、10年以上と思われます。先ほど、高級自動車のタバコの臭いの消臭効果についてご説明しましたが、その自動車は新車で購入されてから10年経過していたためです。10年は机上での期間や試験結果での期間ではなく、実際に利用されている自動車で実証された期間です。
塗装できる箇所/できない箇所
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)が塗装できる箇所は、次のような箇所です。
- 自動車のシート(化繊)
- エアコン内部
- フロアマットや床(化繊)
- 樹脂パネル(プラスチック)
- 光沢加工されたウッドパネル
- ウレタン
- トラックの荷台の床板(コンパネ)
塗装できない箇所は、次の通りです。
- 窓ガラス
- バックミラー
- メーターパネルのアクリル
- 外装
窓ガラスやバックミラーに光触媒コーティングをすると、見る角度によっては光触媒特有の虹色模様が出てしまうからです。運転中に虹色模様が出てしまうようであれば、運転に支障をきたすので、ガラス類への塗装は禁止です。
また、外装は光触媒によって塗装を劣化させてしまう恐れがありますし、光触媒では自動車に付着する金属汚れを落とすことができませんから、外装への使用は禁止しています。
タバコ臭い自動車の消臭は可能か?
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の効果で、ときどき聞かれることは、「タバコ臭い自動車の消臭は可能か?」です。
タバコ臭い自動車は、中古車として販売するときに、何十万円も値段が下がってしまいます。それを車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)で消臭できたら、販売価格が上がるので、効果が高いと言えます。
結論から述べますと、「効果が出るのに時間がかかる場合がある」です。
タバコの消臭効果は、タバコを吸っている頻度と、光触媒が分解する速度の戦いです。タバコを吸っている頻度が高い場合には、タバコの臭いが残ってしまいます。自動車を販売して、車内でタバコを吸う人がいなくなったら、光触媒がタバコの臭いの元を分解し続けてくれているので、いずれは臭いが消臭できると思います。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装方法
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装には、専用の塗装機械を使って、正しい手順にて行ってください。
専用の塗装機械
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装には、塗装機械を用いる部分と手で塗る部分があります。
自動車のシートやフロアマットなどの広い面には、塗装機械を用います。ハンドル周りや形状が複雑な部分には手で塗ります。

塗装機械には、ABAC温風低圧塗装機のご利用を推奨しています。ABACとは、ドイツのコンプレッサーのメーカーで、「アバック」と呼びます。温風低圧塗装機は、温風が噴き出すスプレーガンです。光触媒コーティング剤を効率よく塗装できます。
スプレーガンのノズル口径には、0.3mmの小口径ノズルを利用します。それ以上の大きさのノズルを使用すると、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を吹き出し過ぎてしまい、たくさん塗装してしまうからです。
たくさん塗装すると、「光触媒の効果が高くなるのではないか?」と思われるので、良いように思いますが、黒い内装の自動車であれば、光触媒成分の白色が出てしまって、内装の装飾を損なってしまう恐れがあります。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、薄膜塗装をしても効果が高いのでご安心ください。
施工の流れ
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工の流れは、次の手順にて行います。
- 車内から荷物を出す
- 車内やフロアマットなどを入念に清掃する
- エアコンフィルターを交換する
- 塗装しない箇所に養生をする
- 劣化防止剤(プライマー)を塗装する
- 車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を塗装する
まず車内から荷物を取り出して、入念に清掃します。車内に汚れが付着している状態だと、汚れの上から光触媒コーティングするため、光触媒が汚れを分解するときに、光触媒コーティングも落ちていってしまうからです。新車であれば、入念な清掃は必要なく、ウエスで拭き掃除をする程度でかまいません。
エアコンフィルターは、タバコをよく吸っている人であれば、タバコのヤニが付着しているので、必ず交換するようにしてください。汚れと同様に、ヤニの上から光触媒コーティングをしても、ほとんど意味がありません。タバコを吸っていない人であれば、フィルターは入念に清掃するだけで良いです。
エアコン内部からカビの臭いがする自動車の場合は、エアコン内部を高圧洗浄することをおすすめします。
清掃やフィルターの効果を終えたら、窓ガラスやバックミラー、スイッチ類などには、養生をします。
次に、光触媒から内装の劣化を防ぐための劣化防止剤(プライマー)を塗装します。プライマーを塗装し乾燥したら、いよいよ車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装です。
プライマーや車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の乾燥には、夏であれば15~30分程度、冬であれば1~2時間程度待ちます。車内に暖房をかけて外気循環にしておくと、乾燥が早くなります。
劣化防止剤(プライマー)の塗装

プライマーの塗装について、もう少し解説いたします。プライマーの塗装は、内装の劣化防止をするためにとても大切なことだからです。
光触媒は、光エネルギーを受けて、抗菌や消臭といった効果を発揮しますが、それは細菌類やウイルス、臭い成分を酸化分解するからです。光触媒は、それらだけではなく塗装面のプラスチック類をも酸化分解する性質があります。しかも、自動車は直射日光という強い光が当たるため、光触媒の効果が強く出やすいのです。
プラスチック類が劣化すると言っても、「1ヶ月や2ヶ月でボロボロになる」というものではなく、2年や3年ほどかけて白色や茶色に変色していきます。透明なアクリルを直射日光に当てていたら、1~2年して白く白濁しますが、そういったものをご覧になられた方は多いと思います。それと同じように、光触媒はプラスチック類の劣化を加速させてしまいます。
それを防ぐために、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を塗装する前に、プライマーを塗装し、光触媒がプラスチックに直接触れないようにするわけです。
弊社が開発したプライマーは、車用プライマー(ASR02-C)です。塗装方法は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)と同じです。
光沢のある部分への塗装方法
ウッドパネルなどのニスが塗られたり、鏡面加工された部分に車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を塗装する場合は、塗装機械を用いずに手で塗装します。その方法は、不織布に車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)をしみ込ませておいて、塗装面を拭くようにして塗布します。
プライマーも同様の方法で塗布します。
光触媒コーティング施工のご依頼や
車用光触媒コーティング剤のご購入はイリスまで
以上、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を徹底解説いたしました。車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)を自動車の車内に塗装することで、車内を抗菌、抗ウイルス、消臭をすることができます。
銅ドープ酸化チタンを使用しているため、晴れの日はもちろんのこと、薄暗いときは夜間でも抗菌や消臭などが可能です。
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工をご希望の方は、弊社までお気軽にご相談ください。
また、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工を自社の事業として取り入れたい方も、お気軽にご相談ください。弊社では、光触媒コーティング施工を事業化したい企業様向けに、光触媒コーティング塗装の方法を習得できる施工講習会の開催も承っています。詳細は、触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。