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【用途別】抗菌加工ができる光触媒抗菌剤の選び方と加工方法

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【用途別】抗菌加工ができる光触媒抗菌剤の選び方と加工方法

室内の抗菌加工は、用途別に抗菌剤を使い分けることがありますが、光触媒であればそれ一つであらゆる場面の抗菌加工ができます。

「光触媒を使った抗菌剤」と言っても、用途に応じて製品が異なる場合があります。

この記事では、次の箇所の光触媒抗菌剤の選び方と加工方法についてご説明いたします。

これらを光触媒で抗菌加工する方法は、光触媒コーティング剤と言われる液剤を塗布する方法が用いられます。この液剤のことを、以下「光触媒抗菌剤」と呼ぶことにいたします。光触媒抗菌剤は、スプレーガンや不織布などを使って塗布します。

この記事を最後までご覧いただくことで、施工をご依頼されたい方としては、業者さんの抗菌剤の選択や加工方法を知っておいた方が、効果的な抗菌をしてくれる業者を選ぶ目を養うことができます。業者さんとしては、お客様に効果的な抗菌加工を提案できるようになります。

トイレ便器や洗面台など衛生陶器の抗菌加工

トイレ便器や洗面台など衛生陶器の抗菌加工を求められる方は、トイレ便器のメーカー様、一般の方、トイレリフォーム業者様などがあります。

トイレ便器などの衛生陶器は室内で利用されますから、室内でも抗菌力の高い銅ドープ酸化チタンと言われる光触媒成分を用いた抗菌剤を用います。銅ドープ酸化チタンは、アンモニアを分解できる能力があるので、トイレにおいて高い消臭効果も発揮します。

トイレ便器の多くは陶器ですから、陶器の抗菌加工は、一般的な抗菌剤では耐久性が悪いものが多いです。陶器の表面が滑らかなので、抗菌剤が落ちやすいからです。

衛生陶器に光触媒抗菌剤を塗布すると、光触媒成分が固まりますが、その強固さによって耐久性が決まります。衛生陶器メーカー様であれば、焼き入れができるわけですから、酸化チタンが変質しない600℃ほどの温度まで加熱してあげると、かなり強固に銅ドープ酸化チタンが定着します。

一般の方やトイレリフォーム業者様は、焼き入れが出来ませんから、光触媒抗菌剤をスプレーガンなどで塗布する方法でもかまいません。

ステンレスのドアノブや手すりの抗菌加工

ステンレスのドアノブや手すりの抗菌加工では、屋内のドアノブや手すりであれば、銅ドープ酸化チタンを使用します。屋外で直射日光が当たる場所であれば、酸化チタンでも高い抗菌効果が得られます。屋外でも日陰になる箇所は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒抗菌剤を用いてください。

ステンレスに塗布された光触媒抗菌剤を強く定着させるためには、焼き入れをしたら良いとお伝えしましたが、ステンレスは加熱をすると変色してしまいます。ドアノブや手すりのメーカー様であれば、変色しない程度の温度で加熱ができれば、強く定着します。

一般の方や抗菌施工業者様であれば、焼き入れができませんから、光触媒抗菌剤をスプレーガンなどで塗布する方法でもかまいません。

ドアノブや手すりを抗菌加工した後は、定期的に掃除をするようにしてください。手で触れると手の油分が付着して、汚れがたまっていきます。すると、細菌類やウイルスが光触媒抗菌剤に直接接触しなくなるので、抗菌力が落ちてしまうからです。掃除をして汚れが取り除かれると、再び抗菌力が戻ってきます。

掃除で水拭きをしても、光触媒抗菌剤が落ちてしまうことはありませんからご安心ください。また、アルコール類を使って清掃しても光触媒抗菌剤が劣化することはありません。

詳細は、「ステンレス手すりの光触媒抗菌コーティング加工」をご覧ください。

壁紙クロスの抗菌加工

壁紙クロスの抗菌加工には、光触媒加工された壁紙クロスを利用する方法と、壁紙の張り替え後に光触媒抗菌剤を塗布する方法があります。

壁紙は室内で利用しますから、銅ドープ酸化チタンを使用することが基本となります。

銅ドープ酸化チタンは、消臭やアレルゲンの分解、ホルムアルデヒドなどのVOCの分解、防カビといった効果もあるので、壁紙クロスの抗菌加工では銅ドープ酸化チタンを利用されるとお得です。

銅ドープ酸化チタンの利用方法は、壁紙クロスの出荷時に加工する方法と、壁紙クロスを張り替えした後にスプレーガンを使って塗布する方法があります。

壁紙クロスのメーカー様であれば、壁紙クロスの製造時に光触媒抗菌剤を専用の機械で塗布して出荷します。一般の方や抗菌施工業者様であれば、スプレーガンなどを使って塗布します。

ところで、直射日光に当たる箇所は、光触媒が強く効果を発揮し、壁紙クロスの色あせや劣化を早めてしまう可能性があります。そのような劣化防止をするために、下地保護剤を予め塗布しておく必要があります。効果の高い光触媒抗菌剤を用いる場合には、下地保護剤が必須となります。

壁紙クロスを製造時では、その壁紙クロスが直射日光が当たる場所に使用される可能性があるため、下地保護剤を塗装した後に光触媒抗菌剤を塗布します。

壁紙クロスの張り替え後に光触媒抗菌剤を塗布する場合は、直射日光が当たる箇所には予め下地保護剤を塗布してください。

詳細は、「壁紙張り替えで光触媒の抗菌・消臭を導入する方法」をご覧ください。

カーテンの抗菌加工

カーテンを抗菌加工する場合には、部屋の中で利用されるので銅ドープ酸化チタンがおすすめです。ただし、カーテンは直射日光が当たる場所で利用されることが多いので、下地保護剤を塗装してから、光触媒抗菌剤を塗装します。

カーテンには、ドレープカーテンやレースカーテンといった種類がありますが、どのカーテンにも念のため両面に下地保護剤を利用しておいた方が良いです。

カーテンに光触媒抗菌剤を塗装しておけば、消臭やアレルゲンの分解といった効果も発揮してくれます。

詳細は、「消臭機能を持つカーテンの加工なら光触媒コーティング」をご覧ください。

布団の抗菌加工

カーテンと同様に布団にも光触媒抗菌剤によって抗菌加工ができます。布団に光触媒抗菌剤を利用すると、消臭やアレルゲンの分解をしてくれます。

手作り布団の場合は、布団の中綿を綴じる前に、中綿にスプレーしてください。側地に塗装したり、既製品の布団を抗菌加工したい場合は、光触媒抗菌剤を塗布する前に、念のため下地保護剤をご利用ください。布団の天日干しを繰り返すと、布団の柄の色あせが促進される場合があるからです。

布団の抗菌加工の耐久性は、布団に天然繊維が使用されていたら耐久性が高いです。なぜなら、天然繊維は表面が凸凹だからです。

詳細は、「光触媒布団の効果とは?夜間で効果のある光触媒や劣化防止と塗装方法も解説」をご覧ください。

バスルームの抗菌・防カビ加工

バスルームの抗菌・防カビ加工も、光触媒抗菌剤で可能です。バスルームは、室内が薄暗いことや、普段は消灯されていることを考慮すると、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒抗菌剤をご利用ください。

バスルームは樹脂が多く利用されています。樹脂は水を弾きやすい性質があるので、一般的な光触媒抗菌剤ですと、塗布した液剤を弾いてしまってダマになりやすいので、均一な塗装ができません。樹脂に均一な塗装ができる光触媒抗菌剤を利用してください。

光触媒抗菌剤は、鏡には利用できませんから、ご注意ください。鏡に利用すると、鏡の光の反射によっては、鏡に虹色の模様が出てしまう場合があるからです。

詳細は、「お風呂の防カビは可視光応答型光触媒コーティングがおすすめ」をご覧ください。

ブーツやボクシンググローブの抗菌加工

ブーツやボクシンググローブは、臭いが気になるものです。剣道の防具も同様です。その臭いの原因は、細菌類の繁殖です。ブーツによる蒸れによって、脚の指がヌルヌルになってしまう場合もあります。

ブーツやボクシンググローブの中は暗所ですから、暗所でも抗菌力のある光触媒抗菌剤を利用することが求められます。その光触媒は、銅ドープ酸化チタンです。銅ドープ酸化チタンは、光が当たっていなくても抗菌力を発揮する唯一の光触媒です。

光触媒抗菌剤の塗装にはスプレーを利用します。

エアコンの内部やフィルター

エアコンの内部やフィルターに利用して効果の高い光触媒抗菌剤は、先ほどからご紹介している、暗所でも抗菌力のある銅ドープ酸化チタンです。

エアコンの内部やフィルターには、プラスチックが利用されていますが、プラスチック用を利用しなくてもかまいません。

塗布の方法は、ハンドスプレーを用いてもかまいません。その理由は、エアコンの内部やフィルターには、見栄えよりも抗菌力が求められるからです。

光触媒抗菌剤を塗布しすぎると、光触媒成分の色が出てしまって、白色の模様が出てしまうことがあります。

壁紙などの室内への塗装には見栄えが求められますから、均一な塗布が必要です。ところが、エアコンの内部やフィルターは見栄えが悪くなったとしても、たくさんの光触媒抗菌剤を塗布してもらいたい方が多いので、そのようにする方がお客様のためになります。

詳細は、「エアコンフィルターに消臭機能を付与できる光触媒コーティング加工」をご覧ください。

大型空調機の不織布フィルター

テナントビルなどで利用されている大型空調機には、不織布フィルターが利用されています。不織布フィルターはゴミがたまっていくと真っ黒になり、雑菌の温床です。そういった不織布フィルターの抗菌コーティングが求められる場合があります。

この場合の抗菌加工には、空調機内部は暗所ですから、銅ドープ酸化チタンを用います。

不織布フィルターの抗菌コーティングには、不織布にスプレーで塗布する方法と、光触媒抗菌剤のプールに漬け込む方法があります。

どちらにしても、専用の装置が必要ですから、抗菌加工ができる業者は、日本国内でも少ないです。

なお、大型空調機内部やダクト内部への塗装は、スプレーガンで塗装をします。

人工観葉植物の抗菌加工

人工観葉植物の抗菌加工にも、光触媒抗菌剤をご利用いただけます。人工観葉植物は室内で利用するものですから、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒抗菌剤をご利用ください。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒抗菌剤を利用すると、室内の空気の消臭もできます。

ただし、室内の空気中にある細菌類や臭い成分が、人工観葉植物に接触したときに除菌・消臭ができます。そのため、室内の除菌・消臭をしたい場合には、できるだけ大きな葉の人工観葉植物をご利用なさってください。

除菌や消臭をもっと強力に行いたい場合には、部屋全体の壁紙クロスの抗菌加工をおすすめします。

人工観葉植物への塗装方法は、スプレーガンもしくは不織布を利用します。

詳細は「人工観葉植物を光触媒加工する方法【光触媒塗料や機材を適切に選ぶ】」をご覧ください。

塩ビ製品の抗菌加工

塩化ビニル製の製品は、他のプラスチック類よりも水を弾きやすい性質があります。また、光触媒抗菌剤の耐久性も悪くなります。そこで、塩化ビニル用の下地剤を塗装し、その上から光触媒抗菌剤を塗布します。

塩ビパイプが利用される屋内では、銅ドープ酸化チタンを用います。

なお、表面が凸凹の塩ビ製品を抗菌加工する場合は、塩化ビニル用の下地剤は必要ありません。凸凹の表面に光触媒成分が入り込むので、均一に塗装ができ、耐久性も高くなります。

以上、光触媒を使った抗菌加工のいろいろな用途をご紹介いたしました。ご紹介した光触媒の種類に、銅ドープ酸化チタンというものがありましたが、これは室内でも強い抗菌力を発揮し、なおかつ消臭やアレルゲンの分解、ホルムアルデヒドなどのVOCの分解もできる光触媒です。また、これらの効果を光が当たっていない暗所でも発揮するという、チート能力を持った光触媒です。

弊社では、銅ドープ酸化チタンを使い、いろいろなものを抗菌加工してきた実績があります。抗菌加工のご依頼は、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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