

カーテンの繊維に消臭機能を持たせた「消臭カーテン」があります。
消臭カーテンを製造するための加工方法は、光触媒コーティングが主なものと考えます。
光触媒コーティングは酸化チタンが用いられることが多いですが、酸化チタンでは夜間の消臭ができません。
夜間や深夜でも消臭ができるカーテンにするためには、銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)を用いることが必須となります。
この記事では、「カーテンを消臭加工したい」とお考えの企業様に、光触媒による消臭のメカニズム、なぜ酸化チタンは夜間では消臭ができないのか、銅ドープ酸化チタンとはどういったものなのか、カーテンの光触媒コーティング加工方法などをご説明します。
光触媒によるカーテンの消臭メカニズム
最初に、光触媒がカーテンを消臭してくれるメカニズムをご説明します。
光触媒の消臭メカニズム
次の図をご覧ください。この図は、光触媒に光が当たったときに、消臭効果の高いOHラジカルが発生するメカニズムです。

光触媒に光が当たると、表面に自由電子が出てきます。自由電子が空気中の酸素分子と結合して、O2-が発生します。これは、別名「スーパーオキシドアニオン」と言われる活性酸素です。
O2-は、空気中の水分子に酸素を渡して、過酸化水素が発生します。過酸化水素が2つに分離して、光触媒の正孔が電子を1つ奪うなどして、2つのOHラジカルが発生します。
OHラジカルは強い酸化力を持つので、臭いの成分を酸化分解する性質があります。この性質によって、カーテンを消臭できます。
カーテンの光触媒加工
カーテンを光触媒加工することができたら、カーテンに消臭の機能性を持たせることができます。
光触媒の材質は、主に酸化チタンや酸化タングステンといった金属が用いられます。これらの酸化金属を、どのようにカーテンに加工するかが問題です。
その代表的な方法として、酸化チタンなどの光触媒を液剤に加工した液剤をカーテンに塗布する方法があります。この液剤のことを、光触媒コーティング剤といいます。
カーテンの光触媒加工の方法については、後ほど具体的にご説明いたします。
効果の高い光触媒とは?
代表的な光触媒として、酸化チタンや酸化タングステンの存在を示唆いたしましたが、光触媒の種類は他にもたくさんあります。
それらの種類によって、どのような光に反応するのか、反応したときに発生するOHラジカルの量はどうか、光触媒コーティング剤にできるのかなどといった特性が異なります。
酸化チタンの性質
酸化チタンは、光触媒としてもっとも利用されているものです。酸化チタンにはいくつかの結晶構造がありますが、光触媒として利用されるものは、アナターゼ型といわれるものです。
アナターゼ型酸化チタンは、紫外線が当たることで多くのOHラジカルを発生させることが知られています。反対に、紫外線が当たらないとOHラジカルは発生しないものとお考えください。
酸化チタン光触媒をカーテンに加工したとしましょう。すると、カーテンに紫外線が当たることによって、消臭ができます。そのため、カーテンの消臭ができる場面とは、昼間で直射日光が当たっているときのみとなります。
そのようなことで、夕方から明け方までや、北側の部屋の窓に設置されたカーテンは、ほとんど消臭ができません。昼間以外でもカーテンが消臭できるようにするためには、酸化チタンでは都合が悪いと言えます。
可視光応答型光触媒による消臭加工
そこで、「紫外線以外にも反応する光触媒は無いのか?」ということですが、可視光応答型光触媒というカテゴリの光触媒があります。可視光応答型光触媒とは、可視光でも反応してOHラジカルを発生させる性質がある成分です。
可視光応答型光触媒をカーテンに加工したならば、昼間はもちろんのこと、夜間でも蛍光灯やLED照明などの光が当たることによって、カーテンの消臭が可能です。
可視光応答型光触媒を使った光触媒コーティングとして市販されているものは、次のような光触媒の種類です。
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 鉄ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン

ここで、「ドープ」とは日本語で「担持」といわれ、「加えた」とか「結合させた」という意味です。
銅ドープ酸化チタンは、基材となる酸化チタンに補触媒としてナノサイズの酸化銅を結合させた光触媒です。別名として銅担持酸化チタンと呼ばれています。
酸化チタンに銅や窒素、鉄などを結合させることで、今まで紫外線にしか反応しなかった酸化チタンが、可視光にも反応するようになります。
これらの可視光応答型光触媒の中で、もっとも消臭効果の高いものは、銅ドープ酸化チタンです。その効果の高さは、圧倒的と言っても過言ではありません。
200lxという薄暗い光の中での消臭効果を、銅ドープ酸化チタンと他の光触媒で比較すると次のようなグラフになります。銅ドープ酸化チタンが他の光触媒よりも10倍以上の効果を発揮します。

銅ドープ酸化チタンの消臭効果
銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)は、可視光でも強く活性化することはもちろんのこと、実は光がなくても消臭効果を発揮するのです。その理由は、おそらくナノサイズの酸化銅が暗所でも触媒効果を発揮しているものと思われます。
銅ドープ酸化チタンであれば、紫外線が当たる昼間はもちろんのこと、夜間の室内照明を利用している時間帯、深夜の消灯時にもカーテンの消臭をしてくれます。24時間消臭し続けてくれる光触媒は、銅ドープ酸化チタンのみです。
カーテンの消臭加工にイリス光触媒製品を選ぶメリット
カーテンの消臭加工にはいろいろな種類がありますが、なぜ光触媒をおすすめするのかをご説明します。
カーテンの消臭加工に弊社の光触媒製品を選ぶことのメリットは次の5つになります。
- 銅ドープ酸化チタンを使えば消臭効果が高く防カビも可能
- 耐久性が高いので長期間メンテナンスフリー
- カーテンの質感が変わらない
- インクや消臭コート剤の臭いが出ない
- アイロンをしても消臭効果が失われない
1.銅ドープ酸化チタンを使えば消臭効果が高く防カビも可能
まず、銅ドープ酸化チタンは、高い消臭効果があることです。24時間消臭し続けてくれて、しかも消臭効果の高い、銅ドープ酸化チタンを使っての消臭加工は光触媒コーティング加工のみです。
光触媒は、臭いを分解するだけでなく、カビ菌の表面をも分解してくれるので、カビ菌の繁殖を抑えることができます。冬場は、ガラスが結露してカーテンにカビが発生することがあります。光触媒による消臭加工をしておけば、防カビ効果もあり、一石二鳥です。
2.耐久性が高いので長期間メンテナンスフリー
光触媒コーティングの耐久性は、液剤に使用されているバインダー(接着成分)の種類によります。光触媒コーティング剤に利用されるバインダーは、大別すると無機と有機があります。有機バインダーを用いている場合には耐久性が悪いのですが、無機バインダーは耐久性がとても高いものになります。
有機バインダーを用いたら耐久性が悪い理由は、光触媒の効果によって有機バインダーが分解されてしまうからです。無機バインダーは光触媒によって分解されませんから、耐久性が高まります。
耐久性の高い光触媒コーティング剤に利用されている無機バインダーは、一般的にアモルファス酸化チタンです。アモルファス酸化チタンは、塗布後に乾燥するとカーテンの繊維に強固に付着します。弊社製品も、バインダーにアモルファス酸化チタンを使用しているので、耐久性が高いです。
カーテンを何度か洗濯するくらいでしたら、光触媒コーティングが落ちてしまうことはありませんから、再塗装などのメンテナンスが長期間必要ありません。
3.カーテンの質感が変わらない
光触媒コーティング剤がカーテンの繊維に強固に付着したら、「布地の質感が変わってしまうのではないか?」と考えられますが、加工の仕方によっては、そのようなことはありません。
なぜなら、弊社の光触媒コーティングは、ナノサイズで薄く加工することが多いからです。薄く塗装しても、光触媒なら高い消臭効果が長期間得られることは、上記の通りです。
ナノサイズの塗装は、とてもしなやかですから、カーテンの質感が変わることはありません。
4.インクや消臭コート剤の臭いが出ない
カーテンの消臭加工の種類によっては、加工後に消臭加工の臭いが漂うことがあります。また、柄物のカーテンの場合は、インクの臭いがすることがあります。カーテンを利用する消費者の中には、それらの臭いを嫌がる人もいることでしょう。
その点、光触媒による消臭加工であれば、光触媒は無臭ですし、インクの臭いも分解してくれるので、カーテンが無臭になります。
もちろん利用中も消臭効果が高いので、タバコや油の臭いなども分解してくれますから、それらの消臭もしてくれます。
5.アイロンをしても消臭効果が失われない
光触媒は、アイロンをしても消臭効果が下がることはありません。光触媒成分は、酸化チタンや銅といった金属類ですから、熱に強い性質があります。
反対に、アイロンをかけることによって、光触媒コーティングがカーテン地に強固に定着するので、カーテンの製造工程で、アイロン前に光触媒加工を導入されると良いと思います。
ちなみに、酸化チタンは600~700℃になると結晶構造が変質します。カーテン地でそのような高温にすることはありませんが、金属繊維を光触媒加工して耐久性を高めたい場合は、それ以上の温度に加熱することは避けてください。ステンレスメッシュのカーテンに光触媒加工するのであれば、300℃程度の熱処理で強固に定着します。
カーテンを光触媒加工する方法
カーテンを光触媒加工する方法は、どぶ漬けとスプレーコートの2種類ございます。
強力に消臭加工したい場合=「どぶ漬け」
どぶ漬けとは、光触媒液剤にカーテンを浸してから取り出し、絞って乾燥させる方法です。この方法のメリットは、次の通りです。
- 加工方法が簡単
- 消臭効果が高い
デメリットは次の通りです。
- 乾燥に時間がかかる
- 光触媒液剤を大量に消費する
- 布にゴワゴワ感が出る
- 色物のカーテンに利用すると白っぽくなる
一般的な消臭加工=「スプレーコート」
スプレーコートとは、コンプレッサー(ブロワーユニット)とスプレーガンを用いて塗装する方法です。この方法のメリットは、次の通りです。
- 光触媒液剤の消費量が少なくて済む
- 布地のドレープ性が損なわれない
- 乾燥が早い(長くても2時間)
- 色物のカーテンにもクリア塗装ができる
デメリットは次の通りです。
- 塗装に専用のコンプレッサーとスプレーガンが必要
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒液剤のご購入方法

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒液剤は、現在のところ国内でのメーカーは2~3社で、弊社はその1社です。
安価に製造できる特許技術を持っているのは弊社のみですから、弊社製品であれば他のメーカーよりも格安で購入ができると思います。
名称は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
ご購入方法は、弊社にご連絡をいただき、「カーテンに利用したい」とお伝えください。販売単位は、1L単位です。10L以上のご購入で割安になります。
また、「光触媒による消臭加工の効果を試したい」とお考えの企業様は、250mlを無料にてサンプル提供いたします。お問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。