ソーラーパネルには、空気中の油分が付着し、そこに埃やPM2.5といった汚れが付着していきます。
その汚れを落とさないと、ソーラーパネルの発電量が低下し、売電収入が下がってしまいます。
ソーラーパネルが汚れたら清掃したら良いのですが、メガソーラーや屋根の上に載っているソーラーパネルは、清掃をするとしても洗浄水の供給ができなかったり、高い位置にあったりと、清掃が困難なことが多いです。
また、頻繁に清掃するとコストもかかってしまいます。
ソーラーパネルのガラス面の親水性を高めることができたら、自動的に汚れを落とすセルフクリーニング効果によって、防汚をすることができます。
この記事では、ソーラーパネルの親水性を高め、セルフクリーニング効果を持たせるためのコーティング剤「ガラス用光触媒コーティング剤BTG01」を施工する方法を解説いたします。
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01は、タングステン・ドープ酸化チタン光触媒で高い親水性が得られ、ガラスにクリア塗装ができる、防汚効果の高い光触媒コーティング剤です。
シリカ系防汚コーティングとガラス用光触媒コーティング剤BTG01の比較については、「ソーラーパネルの防汚コーティング比較【シリカ系と光触媒系はどちらに軍配?】」をご覧ください。
ソーラーパネルの施工手順
ソーラーパネルにガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗装する手順は、おおまかに次の通りです。
- 施工機材の準備
- ソーラーパネルの清掃
- 親水性試験
- ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗装
人員の数は、規模や納期によりますが、2人以上で施工することになります。ご家庭の屋根の上に設置されたソーラーパネルに光触媒コーティング塗装をする場合は、足場が必要となる場合があります。その場合は、費用対効果が合わない可能性があります。
親水性試験では、清掃後に塗装をして親水性を確認し、清掃が十分に行えているかを点検します。
施工の機材
施工の機材は、次のようなものになります。すでにソーラーパネルの施工をされている業者様であれば、これら以外にも必要なものは、ご存じかと思います。
- 洗剤
- ウエス
- 洗浄用の水
- 高圧洗浄機
- バケツ
- 酸化セリウム配合のコンパウンド
- シリコンオイル用洗浄液
- ポリッシャー
- ガラス用光触媒コーティング剤BTG01
- 光触媒コーティング剤の塗装機械とスプレーガン(ノズル口径φ0.3mm)
- スプレーガン用洗浄液(純水)
- 養生シートと養生テープ
- 電源と延長コード
- 脚立や足場
新品のソーラーパネルでも最初に親水性のテストを行い、ガラス面が親水性であれば汚れをふき取るだけでガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗布できますが、撥水性を示す場合は、新品でもコンパウンドによる研磨を行い、親水性を発現させてからガラス用光触媒コーティング剤BTG01を塗布してください。
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の量は、100m2/Lからソーラーパネルの面積を掛けて計算してください。ソーラーパネルのサイズは、おおよそ1.2m2~1.6m2ほどですから、100枚であれば、1.5Lほどで塗装ができます。施工現場のソーラーパネルのサイズにて計算してください。
光触媒コーティング剤の塗装機械には、ABAC温風低圧塗装機をおすすめしております。温風でスプレーするので、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01が乾きやすいからです。
また、ABAC温風低圧塗装機に付属するスプレーガンは、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01を包み込むようにエアカーテンが噴き出すので風の影響を受け難く、ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗着効率が高いため、屋外での塗装が可能です。
スプレーガンのノズルには、φ0.3mmといった小口径のものをご利用ください。
ソーラーパネルの清掃
ソーラーパネルの清掃は、高いセルフクリーニング効果を得るためにも大事な作業になります。
ソーラーパネルの清掃は、次の4段階の清掃を行います。
- 砂埃やPM2.5などの汚れを高圧洗浄で清掃
- 洗剤による油分の清掃
- 酸化セリウム配合のコンパウンドによるシリカ除去
- シリコンオイル用洗浄液でのシリコンオイル除去
まずは高圧洗浄で汚れを落とします。その後に、油膜を取ってからコンパウンドで磨きます。シリコンオイルは、ソーラーパネルのシーリング材から染み出てきます。それを丁寧に落としてください。
これらの洗浄後は、できましたらイオン交換水などで清掃し、洗浄液をも入念に除去することが理想的です。
これらの清掃を重ねることで、ガラス面に直接防汚コーティングができ、高いセルフクリーニング効果が得られます。
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗装
ガラス用光触媒コーティング剤BTG01の塗装は、専用の塗装機械とスプレーガンで行います。
弊社では、ABAC温風低圧塗装機をおすすめいたします。次の写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。
ABAC温風低圧塗装機を用いると、温風が噴き出るので、光触媒コーティング剤が早く乾きます。また、スプレーガンはエアカーテンが噴き出しているので、光触媒コーティング剤がソーラーパネルに付着する率(塗着効率)が高くなり、多少の風が吹いていても塗装が可能です。
スプレーガンでの塗装は、次の図のように、上下と左右の塗装をそれぞれ1回ずつ行います。
2回ずつ以上塗装すると、光触媒の虹色が出てしまい、ソーラーパネルのクリア塗装ができなくなりますから、ご注意ください。
以上、ソーラーパネルにガラス用光触媒コーティング剤BTG01を施工する方法を解説いたしました。ガラス用光触媒コーティング剤BTG01は、弊社の施工代理店、もしくは販売代理店に卸販売をしている製品です。
ソーラーパネルの親水性コーティング施工業者様で、この製品をご利用になられたい方は、弊社までお気軽にご相談ください。この製品を使ってのOEM製造にも対応いたします。
また、ソーラーパネルの親水性コーティングを新規事業として取り入れたいという企業様も、ぜひご相談ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。