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看板の汚れ落としの手間を減らすなら光触媒コーティングがおすすめ

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看板の汚れ落としの手間を減らすなら光触媒コーティングがおすすめ

ビルや工場の屋上や壁面などに看板が設置されていることがあります。

高速道路を自動車で走っていると、畑の中に設置されている大きな看板を見かけることもあります。

看板は、すべからく汚れていくものです。

看板の清掃がしやすい場所にあれば、ビルの管理人さんがモップなどで清掃ができます。

看板の場所によっては、プロに依頼しないと清掃ができない場合もあります。その場合は、清掃費用が高くなります。

この記事では、看板の清掃の費用を抑えられる方法として、光触媒コーティングをご紹介します。看板に光触媒コーティングをすることで、看板の汚れ落としが雨水で自動的にできるようになります。

看板が汚れる原因や光触媒コーティングの汚れ落としの効果、最適な光触媒コーティング剤、光触媒による看板の劣化防止などを解説いたします。

看板が汚れる原因

看板が汚れる原因は、空気中の汚れや雨水の汚れが付着していくからです。最近では、偏西風に乗ってPM2.5と言われるような、微細な埃が飛んできて、看板が汚れます。

単に塵や埃が看板に付着しただけであれば、強い風が吹いたら、それらが吹き飛ばされていくことでしょう。しかし、看板の汚れは風では落ちず、余計に汚れていってしまうことが現状です。

その理由は、看板の表面に油分が付着しているからです。

その油分に汚れが付着していって、だんだんと汚れが目立っていくのです。看板に油分が付着する理由は、空気中や雨水中に油分が含まれているからです。

キッチンで油料理をすると、蒸発した油分がレンジフードなどに付着し、そこに部屋の埃が付着していって汚れていきますが、それと同じように看板も汚れていきます。

看板の汚れ落としは、付着した塵や埃を取り除くわけですが、それと同時に油分を取り除くことが大事です。

光触媒コーティングが持つ汚れ落としの効果

看板に光触媒コーティングをすると、看板に付着した油分を分解したり、有機物の塵や埃を分解します。また、親水性の効果によって、分解された汚れが雨水といっしょに流れていきます。

これらの効果について解説いたします。

油分や汚れの分解

光触媒は、光が当たると表面にOHラジカルという有機物を酸化分解する成分が発生します。油分は有機物ですから、OHラジカルによって分解される対象なので酸化分解していき、最終的には水と二酸化炭素にまで分解します。

油分が酸化分解されてしまったら、塵や埃は看板に付着していられませんから、風が吹いて置いていく場合があります。

看板に付着する油分を分解し、汚れが付きにくくなる

また、付着した塵や埃の成分が有機物であれば、光触媒によって分解されます。PM2.5の成分は、炭素を含む有機物だけでなく、金属などの無機物も含まれます。無機物は光触媒によって分解されませんが、油分の分解や、次に解説するセルフクリーニング効果によって汚れが落ちていきます。

そして、光触媒そのものはOHラジカルを発生させても、自らは無機物ですから分解されません。そのため、看板に光触媒が付着し続けている限り、半永久的に看板の汚れを分解してくれます。

セルフクリーニング効果

光触媒を看板にコーティング塗装すると、看板の表面に親水性が現れます。親水性とは、水と馴染む性質で、撥水と真逆の性質です。

看板は外にあるので、雨水が当たるわけですから、その雨水が看板に馴染み、看板に付着した汚れの間に水が入り込むようになります。すると、次第に汚れが浮き上がって、雨水の流れといっしょに汚れが落ちていきます。

看板の防汚「セルフクリーニング効果」のメカニズム

このように、光触媒コーティングによって汚れが自動的に流れ落ちていく効果のことを、「セルフクリーニング効果」といいます。光触媒による油分の分解と親水性の効果によって、セルフクリーニング効果が現れます。

光触媒の汚れ落とし以外の効果

光触媒コーティングは、看板だけでなく外壁にも利用できます。外壁に利用する場合に期待される効果は、

  • 防苔
  • 防カビ

看板はビルの上側に設置されるので、看板に苔やカビが生えることはありませんが、外壁のジメジメした場所では、苔やカビが発生することがあります。そのような場所に光触媒コーティングをしておくことで、防苔や防カビができます。

光触媒は、光が当たると有機物が分解されるわけですから、苔やカビも有機物なので酸化分解の対象となるからです。

看板の汚れ落としに最適な光触媒コーティング剤

屋外用光触媒コーティング剤(BX01)

看板の汚れ落としに最適な光触媒コーティング剤とは、「酸化チタン光触媒を使った光触媒コーティング剤」です。

弊社の酸化チタン光触媒コーティング剤は、「屋外用光触媒コーティング剤(BX01)」という名称で販売しています。

酸化チタンを用いていること

光触媒の種類には、酸化チタン以外にもたくさんの種類があります。光触媒コーティング剤として利用されている光触媒で、看板の防汚に最適な光触媒は酸化チタン光触媒です。

酸化チタンは、今現在、光触媒コーティング剤にもっとも利用されている成分で、太陽光に含まれる紫外線に強く反応して、強い防汚効果を発揮します。また、価格が安価なので、コストパフォーマンスが高いです。

反対に、酸化チタン光触媒コーティング剤は紫外線にしか反応しませんから、「室内を防カビしたい」という場合には、まったく効果を発揮しません。室内利用では、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤をご利用ください。

酸化チタンは、金属のチタンが酸化したものです。酸化チタンはいくつかの結晶構造を持ちますが、その中でもアナターゼ型(アナタース型)がもっとも触媒反応を示します。それをナノサイズの微細な粉末にしたものを光触媒コーティング剤に利用します。

クリア塗装ができること

クリア塗装とは、透明な塗装のことです。最適な光触媒コーティング剤は、クリア塗装ができることが条件となります。

光触媒成分が多く含まれている光触媒コーティング剤は、光触媒の効果が高くなりますが、光触媒の色が出てしまって、クリア塗装ができなくなります。すると、看板の見栄えが変わってしまいます。

光触媒コーティング剤の中になるべく多くの光触媒成分を添加でき、なおかつクリア塗装ができる成分で、紫外線に強く反応するというものが、酸化チタンです。

光触媒による看板の劣化防止

光触媒による看板の劣化とは?

看板に光触媒コーティングをすると、デメリットもあります。それは、光触媒が看板の塗装を劣化させて、チョーキングや色あせを発生させる可能性があることです。

チョーキングとは、白い粉を吹いたような現象のことです。

看板は経年劣化で白く変色して、色あせていきます。プールサイドの水色のペンキで塗装された箇所を手で触ると白い粉が手に付着することがあります。そのような現象がチョーキングです。

チョーキングは、直射日光の紫外線によって発生するのですが、光触媒によって劣化が加速される場合があります。

看板の汚れ落としをして、看板が目立つようにするために光触媒コーティングをしたところ、看板が劣化してしまったら、本末転倒です。

光触媒による看板の劣化を防止する方法

でもご安心ください。光触媒による看板の劣化を防ぐ方法があります。

その方法とは、看板と光触媒の間に、保護剤を塗装することです。この保護剤のことを、プライマーといいます。プライマーは、看板と光触媒が直接触れないようにしつつ、光触媒で分解されない成分を用いた塗料です。

プライマーの主成分は、アモルファス酸化チタンです。アモルファス酸化チタンは、非結晶の酸化チタンで、光触媒の性質を持っていない成分です。しかも、先ほどご紹介したアナターゼ型酸化チタンと同じ成分ですから、プライマーは分解されません。アナターゼ酸化チタンで看板を保護すると、看板の劣化を防ぐことができます。

プライマーの存在と光触媒コーティングの効果の高さの関係

酸化チタンを使った光触媒コーティングを製造しているメーカーは何社からありますが、看板を劣化から守ってくれるプライマーを製造しているメーカーは少ないです。

なぜなら、プライマーの成分は単純なのですが、開発はとても難しいからです。なぜ開発が難しいのかは、別の機会で解説したいと思います。

ともあれ、効果的なプライマーを開発できていないメーカーでは、光触媒コーティング剤に含まれる酸化チタンの量を極端に少なくして、看板が劣化しないように工夫しています。しかし、そのような酸化チタンの添加量が少ない光触媒コーティング剤は、看板の汚れ落としの効果が弱いと言えます。

「どのメーカーの光触媒コーティング剤を採用しようか?」とお考えの方は、プライマーを製造しているメーカーの製品を採用なさってください。汚れ落としの効果が高い光触媒コーティング剤を製造していると言えます。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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