ホテル運営での悩みの一つに客室の臭いがあります。
ホテルの客室に臭いがあると、ご利用者様はリピートしてくれませんし、ネットで悪い書き込みをされてしまう恐れもあります。
客室の稼働率を高め、経営状態を良くするためにも、ホテルの客室の臭いは、すぐに対策したいものです。
この記事では、ホテルの客室に発生する臭いの種類と対策、それらの対策方法の一つとして光触媒コーティングの可能性を解説いたします。
光触媒コーティング剤によっては、ホテルの部屋の消臭にまったく効果の無いものも存在するので、本音で正直に解説したいと思います。光触媒でホテルの部屋の消臭をお考えの方は、しっかりお読みいただけたらと思います。
弊社の光触媒製品は、ホテルでもよくご利用いただいており、実績も多数ございます。例えば、こちらのホテルは快適にお過ごしいただけると思います。光触媒コーティング施工や光触媒を使った業務用抗菌・消臭剤なら弊社までご相談ください。
ホテル客室の臭いの種類
よくあるホテル客室の臭いは、次の2種類のことと思います。
- カビの臭い
- タバコの臭い
どちらの臭いも発生原因はご存じと思いますが、念のため解説いたします。
カビの臭いの発生原因
カビの臭いの発生原因は、もちろんカビが発生しているからです。カビから発生する臭いの成分によって、カビの臭いがします。
カビが発生する原因は、湿気と適度な温度、カビの餌です。湿気と適度な温度は、ホテルの部屋では条件が満たされているので、そこに何か餌となるものがあれば、カビが発生します。
ホテルの部屋では、カビが目立つ場所と言えばユニットバスです。ユニットバスにカビが発生していたら、一目瞭然です。しかし、部屋のカビの臭いは、床や壁紙から出ていることが多く、カビが目で見てわかりにくいです。
また、部屋がカビ臭くなっていたとしても、スタッフはその臭いに慣れてしまっていて、「まだ大丈夫だ」と思い込んでしまうこともあります。
そういったことから、ホテルの部屋ではカビの臭いの対策が遅れることがあります。
タバコの臭いの発生原因
タバコの臭いの原因は、もちろんお客様による喫煙です。最近では、加熱式タバコや電子タバコが普及し、喫煙している人の中でそれらを利用している人は、2/3ほどと言われています。
部屋の中で積極的にタバコを吸う人が少なくなり、タバコを吸わない人が部屋にいたら、タバコを控える人も増えてきています。
そのような時代だからこそ、ホテルの部屋のタバコの臭いは、一段と気になるようになりました。
タバコを吸っている人の中には、「ホテルの部屋がタバコ臭いと嫌だ」と思う人もいます。
カビとタバコの臭いの対策
どちらの臭いも根深いものがあり、これらの臭いは、換気をしたり、空気清浄機を置いたり、オゾン脱臭や次亜塩素酸を利用しても、なかなか消えなくてお困りのことと思います。
これらの臭いは、壁や天井の壁紙に染みついているものなので、空気の臭い対策をしただけでは落ちることはありません。リフォームをするとしても、コストがかかり過ぎてしまいます。
そこで、これらの臭いを根本から消臭できる可能性として、記事のテーマにもなっている光触媒コーティングについて解説いたします。
光触媒コーティングなら、それ一つでカビとタバコの臭いを、根本から消臭ができます。
光触媒の効果
光触媒とは、酸化チタンを代表とする金属酸化物で、光エネルギーを吸収して、触媒の効果を発揮する性質のある物質のことです。その効果により、有機物を酸化分解することができます。
効果の持続が半永久的
光触媒の魅力は、臭いを分解しても、光触媒そのものは変化しないことです。つまり、光触媒を利用すると、半永久的に臭いを分解し続けてくれるのです。
光触媒コーティング剤として塗装したら、摩擦などで少しずつ成分が落ちていきますから、永久的とは言えませんが、光触媒を強固に付着させることができたら、長期間効果が持続します。
ちなみに、弊社の光触媒コーティング剤は、正しく塗装したら通常は10~15年、場合によってはそれ以上効果が持続します。
光触媒一つで複数の種類の臭い対策や防カビなどができる
カビの臭いやタバコの臭いの成分はそれぞれ有機物ですから、光触媒によって酸化分解され、臭いを消臭することができます。光触媒を利用すると、カビ対策やタバコ対策でそれぞれ異なる方法で対策する必要がありません。
一般的な臭い対策であれば、タバコやカビで対策が異なります。また効果の持続期間は、例えば「液剤をスプレーした瞬間だけ」といった具合に、限定されることもあります。
それに対して光触媒なら、カビやタバコの臭いに対して光触媒一つで対策でき、しかも部屋の中に光触媒があり続けたなら、半永久的に効果が持続します。
部屋の光でも消臭効果の高い光触媒
光触媒はホテルの部屋の消臭に最適と言えますが、光触媒なら何でも良いかと言えば、そうではありません。
光触媒にはいろいろな種類があり、正しい成分を選べばとても高い消臭効果が得られます。その反面、間違った光触媒成分を選んでしまったら、消臭効果がまったく無い場合もあります。
酸化チタン光触媒
一般的によく利用されている光触媒成分は、酸化チタンです。酸化チタンは、光の中でも紫外線を吸収すると、とても高い消臭効果を発揮します。
おそらくですが、今現在、光触媒コーティング剤として実用化されている成分の中では、酸化チタン光触媒に紫外線を照射したら、もっともカビやタバコの臭いを分解してくれると思います。
酸化チタン光触媒の弱点
ところが、酸化チタンには弱点があります。それは、紫外線にしか反応しないことです。
ホテルの部屋の中は、LED照明や蛍光灯、白熱球が利用されていますが、それらの光には紫外線がほとんど含まれていません。そのため、酸化チタン光触媒でホテルの部屋をコーティングしても、カビやタバコの臭いを消臭することができません。
ホテルの部屋の中の光によって触媒の効果を発揮する光触媒成分を利用しなければ、消臭はできません。
「酸化チタン光触媒は室内でも効果がある」という業者のPRにご注意
光触媒コーティングの塗装業者によっては、「酸化チタン光触媒で部屋のカビや臭い対策ができる」と謳っているところもあるようですが、ホテル経営者様はそのような謳い文句に騙されないようにお願いします。
ホームページをいろいろと調べていると、酸化チタン光触媒の室内での試験結果を捏造して、あたかも効果があるようなグラフを掲載している業者もありました。酷いものです。
酸化チタンは、室内の光では効果がまったくありません。
部屋の中で効果のあるのは可視光応答型光触媒
酸化チタン光触媒は、部屋の中ではカビやタバコの臭いを消臭する効果が無いことをご理解いただけたことと思います。そして、ホテルの部屋の明かりによって触媒の効果を発揮する成分を選ぶことが大事であることも、お感じになられたことでしょう。
酸化チタンは紫外線に反応する光触媒成分ですが、そのような成分のことを、紫外線応答型光触媒といいます。それに対して、ホテルの部屋の中の光、目に見える光に反応する光触媒成分のことを、可視光応答型光触媒といいます。
ホテルの部屋のカビやタバコの臭いを消臭するためには、少なくとも可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を利用することが必須となります。
可視光応答型光触媒の種類
ここで、「可視光応答型光触媒であれば何でも良いのか?」ということになりますが、そうではありません。
光触媒コーティング剤として実用化されている可視光応答型光触媒の種類
可視光応答型光触媒にもいろいろな種類があります。弊社が把握している中で、室内用の光触媒コーティング剤として実用化されている可視光応答型光触媒は、次のものになります。
- 銅ドープ酸化チタン
- 窒素ドープ酸化チタン
- 鉄ドープ酸化チタン
- 酸化タングステン
「ドープ」の意味
銅ドープ酸化チタンや窒素ドープ酸化チタン、鉄ドープ酸化チタンは、酸化チタンに銅や窒素、鉄を添加したものです。単に混ぜただけではなく、酸化チタンにそれらの成分を結合させたものになります。そのように結合させることを、光触媒の業界では「ドープ」といっています。
鉄や窒素などを添加することで、今かで紫外線にしか反応しなかった酸化チタンが、可視光でも効果を発揮するようになります。これら3成分以外にも、酸化チタンが可視光応答する成分はたくさんありますが、実用化されているものは上記の3種類となります。
酸化タングステン
酸化タングステンは、タングステンという金属が酸化した粉末を利用したものです。酸化タングステンは、それ単体で可視光応答型光触媒です。
酸化タングステン粉末はそのまま可視光応答型光触媒として利用できるため、市販されている光触媒スプレーでは、酸化地タングステンのものが多いです。
酸化タングステンは液剤として分散させることが非常に難しいので、濃度を高められません。そのため、酸化タングステンの高い光触媒コーティング剤の開発ができません。濃度を高めると、酸化タングステンの結晶が出てきてしまい、塗装ができなくなります。
ちなみに、溶液から個体が出てきてしまうことを、析出(せきしゅつ)といいます。鉄ドープ酸化チタンも析出しやすい成分なので、濃度が高められません。
部屋の中でもっとも消臭効果の高い光触媒
上記の成分の中で、もっとも消臭効果の高い光触媒は、銅ドープ酸化チタンになります。
大手自動車メーカーに採用された実力
銅ドープ酸化チタンを弊社が世界で初めて開発したときに、とある大手自動車メーカーにて販売予定されていた高級車がありました。その自動車の車内の除菌・消臭に世界で最高性能の光触媒コーティング剤を利用することになりました。
その大手自動車メーカーのグループ会社では、光触媒の研究をしており、窒素ドープ酸化チタンを主力として研究していました。ところが、「世界最高性能の光触媒コーティング剤を利用しよう」というコンセプトから、弊社の光触媒コーティング剤が純正品として採用されました。
窒素ドープ酸化チタンよりも銅ドープ酸化チタンの方が、数倍もの効果の高さがあったと思われます。
酸化タングステンの数倍の効果
また、酸化タングステンと銅ドープ酸化チタンを比較しても、銅ドープ酸化チタンの方が数倍効果が高いです。
とある光触媒メーカーのホームページにて、酸化タングステンを使ったコーティング剤の抗菌試験をした実験結果を見たことがあります。その試験内容は、「1,000lxの可視光を照射したら殺菌ができた」といった結果を掲載してありました。
「lx(ルクス)」とは、光の明るさの単位です。数字が大きいほど明るい光になります。
ホテルの経営者様であれば、ホテルの部屋の中は、どれくらいの明るさか、ご存じのことでしょう。高くても200lx程度です。1,000lxと言えば、明るいオフィスや手術室の明るさに匹敵するものです。
銅ドープ酸化チタンであれば、200lxでも酸化タングステンと同等以上の抗菌効果を発揮します。
銅ドープ酸化チタンは暗所でも消臭効果あり
銅ドープ酸化チタンには、他の多くの光触媒には無い性質があります。それは、暗所でも触媒の効果を発揮するという性質です。
この性質を弊社の技術スタッフが発見したときは、全員がその試験結果が間違いではないかと考えました。追試を何度やっても、光を当てない状態で触媒の効果を発揮したのです。その理由は、おそらくは添加されたナノサイズの酸化銅が、常温でも触媒の効果を発揮したものと思われます。
一般的な光触媒は光がないと消臭ができません。ホテルの部屋は明るいとは限りませんから、明るいときはカビの臭いが消臭できたとしても、明かりを消したらカビの臭いが漂い始めることがあります。ホテルの部屋では、暗い部屋になった状態でもタバコを吸う人がいますから、その消臭も可能だということです。
銅ドープ酸化チタンは、ホテルの部屋のカビやタバコの臭いの消臭に最適な成分です。
銅ドープ酸化チタンを使った
光触媒コーティング剤と施工方法
銅ドープ酸化チタンの効果の高さや、ホテルの部屋の消臭に最適であることをご理解いただけたことと思います。次に、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤とその施工方法を解説いたします。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、弊社から業務用として販売しています。名称は、「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」です。
この液剤は、部屋の壁紙や天井、じゅうたん、カーテン、ベッドやマットレス、お風呂にもご利用いただけます。
また、暗所でも消臭効果があるので、クローゼットの中や引き出しの中の除菌・消臭も可能です。シャワーカーテンに塗装すると、シャワーカーテンの防カビにもなります。
ホテルでのお客様の声ではありませんが、戸建て住宅で仕事をしていて、1日にタバコを1箱以上吸っている人の声では、「タバコを吸わない人が部屋に入ったときに、その人が『タバコの臭いがしない』と言っていた」とおっしゃっていました。
この液剤の成分は無機成分のみを利用しているので、コーティング箇所に強力に接着し、耐久性がとても高いです。弊社の実績では、壁や天井などの人が触れないところでは、10~15年ほど消臭効果が持続します。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工方法
この製品の塗装は、専用の塗装機械とスプレーガン、ならびに施工技術を要するため、弊社の施工代理店にご依頼していただくことになります。
施工方法は、次の手順にて行います。
- 室内の片付け
- ルミテスターでチェック
- 入念な清掃
- 養生
- 直射日光が当たる箇所のプライマー塗装
- 光触媒コーティング塗装
- 乾燥
- ルミテスターで再チェック
1.室内の片付け
まずは、部屋の備品をすべて外に出してしまいます。マットレスや加湿器など、別途光触媒コーティングしたいものがあれば、お申しつけください。
2.ルミテスターでチェック
ルミテスターとは、生物汚れが測定できる、キッコーマンが開発した試験装置です。壁やお風呂などを1箇所ずつチェックします。この装置で測定した数値が大きければ、それだけ生物汚れが多いため、カビや雑菌が多いことを意味します。カビの臭いが強い部屋は、この数値が大きくなりやすいです。
3.入念な清掃
光触媒コーティング塗装前に、部屋を入念に清掃します。その清掃には、ホテルが提携している清掃業者に依頼することになることが多いですが、その業者に「使用した洗浄液も落とすようにしてください」とお伝えください。洗浄液が付着したままですと、洗浄液を光触媒が分解し、落ちていくときに、光触媒もいっしょに落ちていってしまい、その部分の光触媒の効果が弱くなるからです。
4.養生
養生では、光触媒コーティング剤がかかってはいけない箇所に、ビニールで養生します。主には、電球や電気製品、コンセント、窓ガラスを養生します。
5.直射日光が当たる箇所のプライマー塗装
続いて、直射日光が当たる箇所はプライマーを塗装します。プライマーとは下地剤のことです。直射日光が当たる箇所では、光触媒の効果が強く出てしまい、下地を劣化させる恐れがあります。それを防ぐために、プライマーと塗装しておいて、光触媒と下地が触れないようにします。
6.光触媒コーティング塗装
光触媒コーティング塗装では、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。
弊社が推奨する塗装機械は、ABAC温風低圧塗装機です。また、スプレーガンには、ノズル口径φ0.3mmやφ0.5mmといった小口径のノズルを利用します。
7.乾燥
塗装後は乾燥させます。光触媒コーティング剤は、水滴が出るような塗装をするわけではないため、夏では30分ほどで乾燥します。
8.ルミテスターで再チェック
乾燥させたら、再度ルミテスターでチェックし、生物汚れが少なくなっていることをご確認いただきます。
光触媒コーティング施工の料金
気になる光触媒コーティング施工の料金ですが、次の3種類の内容で料金が決まります。
- 塗装費用
- 諸経費
- 出張費
塗装費用
塗装費用は、施工面積に応じて異なり、平米単価で計算されます。塗装する面積に応じて、光触媒コーティング剤の使用量や作業スタッフの人件費が決まります。平米単価の相場は、おおよそ2,500円~3,000円ですが、業者によって異なります。
ビジネスホテルのシングルの部屋であれば、システムバスやカーテンなどの塗装を含めて、70m2ほどになり、平米単価が2,500円とすれば、1部屋当たりの料金は175,000円となります。同じ部屋の広さであれば、それに部屋数を掛けると、全体の施工費になります。
諸経費と出張費
それに、諸経費と出張費が加わります。諸経費は、機材の準備や養生、家具の移動といった料金です。出張費は、塗装業者からホテルまでの移動時間や移動方法によります。
宴会室などの天井の高い部屋を光触媒コーティングするときには、高所作業ができる機器を用意するので、そういった料金も諸経費にかかってきます。
光触媒コーティング塗装のお見積もりは、施工を予定している部屋の間取りと壁の高さをお教えください。
以上、ホテルの臭いの原因や光触媒コーティングによって消臭する方法を解説いたしました。
光触媒コーティングでは、臭いの原因となるカビやタバコの臭いを、1つで消臭ができます。そして、効果の高い光触媒成分は、銅ドープ酸化チタンでした。弊社が開発した光触媒コーティング剤は、正しく塗装すれば10~15年ほど効果が持続します。
ホテルの客室の臭い対策をいろいろと試したけれども効果が感じられない方、消臭の費用対効果を高めたい方は、ぜひ銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングをご検討ください。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング施工なら、弊社もしくは弊社製品を扱う塗装業者にお任せください。ホテルの部屋の光触媒コーティングに対応する塗装業者一覧は、室内の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。
ご連絡をお待ちしております。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。