ホテルの部屋でお香を焚く人もいれば、部屋中に香水を振りまいたり、布団や枕に香水をして寝る方もいらっしゃいます。
最近では、禁煙室なのに喫煙をする人もいるようです。
さまざまな匂いの対応に困っているホテルは多いことでしょう。
そういった匂いは、ドラッグストアなどで市販されている消臭スプレーでは、消臭ができないことが多いです。「市販の消臭スプレーだと、床がベタベタすることもある」ということで、使用を控えているホテルもあると思います。
そもそも、清掃のプロであれば、ドラッグストアなどで市販されている消臭スプレーは効果が弱いことをご存知のことと思います。
ホテルの部屋を清掃しても匂いが取れないときは、オゾン消臭をするホテルは多いと思います。
しかし、オゾン消臭は、消臭力が弱いので時間がかかることがあり、匂いが酷い場合には、1日以上も消臭に時間がかかることもあり、その間は部屋が使えなくなります。
この記事では、客室の消臭でお困りのホテルに向けて、銅ドープ酸化チタンによる消臭をご紹介したいと思います。
オゾン消臭で効果を感じられない方は、ぜひ銅ドープ酸化チタン消臭をお試しください。
オゾン消臭とは？
オゾン消臭とは、オゾン発生器を部屋に設置して、連続的にオゾンを発生させ、その酸化力で匂いを分解消臭する方法です。
オゾンとは、酸素原子が3個結合した物質です。通常の酸素は、酸素原子が2個結合したものですが、空気中の酸素に電気的なエネルギーを加えて、3個結合させるとオゾンになります。
オゾンに触れた匂い成分は、その酸化力によって分解され、水や二酸化炭素などの、匂いの無い、もしくは匂いの弱い成分に分解され、消臭ができます。
オゾン発生器の原理
オゾン発生器と言っても、内部構造はシンプルです。オゾンは、電極の放電によって電気エネルギーを酸素分子に加えて生成します。高額な装置であれば、紫外線ランプを使ってオゾンを発生させるものもありますが、放電をするものが主流です。
装置の大きさは、小型のものであれば、リュックサックに入るほどの大きさです。卓上のものもあります。オゾンを大量に発生させる大型の装置もあります。
部屋を消臭するほどの装置であれば、数万円ほどで買えます。操作は、購入した装置を電源に接続して起動させるだけですから、手軽に消臭ができることがメリットです。数千円の卓上タイプもあります。
オゾン消臭は時間がかかる
さて、オゾン消臭は、いくつかのデメリットがあります。デメリットをまとめると、次の通りです。
- 消臭に時間がかかる
- 装置を部屋に設置し、起動させていないと消臭ができない
- 大型装置を利用すると、窒素酸化物の匂いが出る
ホテルの部屋は広いところもあるので、匂いの強さと部屋の広さによっては、消臭に時間がかかる場合もあります。しかも装置を部屋の中に設置し、電源をONにしていないと消臭できませんから、消臭している間は、お客様をお通しすることができません。
オゾンは、匂い成分に触れると、匂い成分を分解するときに、酸素分子に戻ってしまうため、部屋を連続的に消臭するためには、オゾンを発生させ続ける必要があります。
オゾン消臭を行っている部屋は、装置を置いたままになるので、繁忙期であれば、次々とお客様が来られるので、部屋をすぐに空けたいはずですから、オゾン消臭は、ホテルにとってはデメリットが大きいと思います。
匂いの強い場合は、「大型の装置を利用し、たくさんのオゾンで消臭すると良いのでは？」と思われるかもしれません。確かにたくさんのオゾンを発生させることができたら、それだけ消臭も早くなり、大きな部屋でも対応ができます。
ところが、放電によるオゾン発生器には、窒素酸化物が発生するというデメリットもあります。大型の装置は、たくさん放電させますから、それによって窒素酸化物（NOx）もたくさん発生してしまい、窒素酸化物の濃度が高くなると、目や喉の痛みにつながる恐れがあります。
ホテル客室の消臭は、オゾン消臭よりも、無臭で安全で手間がかからない、良い方法が求められます。それが、冒頭でお伝えした、銅ドープ酸化チタンです。
銅ドープ酸化チタン消臭
銅ドープ酸化チタンとは？
銅ドープ酸化チタンとは、ナノサイズの酸化チタン結晶（アナターゼ型）の表面に、酸化銅を結合させた特殊な光触媒です。
「ドープ」とは、「結合させた」という意味です。別名として「担持」という専門用語もあり、銅担持酸化チタンとも言われます。
銅ドープ酸化チタンによる消臭は、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させて、匂いを酸化分解し、水や二酸化炭素といった匂いの無い成分に分解してくれます。分解力は、オゾンよりもOHラジカルの方が強いです。
銅ドープ酸化チタンの合成や、銅ドープ酸化チタンを使った消臭スプレーやコーティング剤の開発は、弊社が世界で初めて行い、製造特許を取得しました。他社のホームページでは、「どこどこの大学が製造特許を取得」と書いてあるところもありますが、弊社が世界で初めて製造特許を取得したことを付け加えておきます。
さて、最近ではホテルにお泊りの方が、部屋中に香水を振りまいたり、お香を焚いたりする場合もあります。客室の匂いはタバコだけではありません。銅ドープ酸化チタンなら、お香や香水の匂いを分解消臭してくれます。
ホテルを利用するお客様の中には、自分の好きな香りに包まれたい方もいますが、部屋の匂いが気になって香水を振りまいている人もいます。部屋に匂いがなければ、香水を使わない人もいると思います。
銅ドープ酸化チタンは、ナノレベルの細かな微粒子ですから、銅ドープ酸化チタンを使った液剤を部屋中に塗布しておけば、塗布面の細かな隙間に入り込んでいくので、その場に銅ドープ酸化チタンが留まり続け、消臭し続けてくれます。
銅ドープ酸化チタンは、「オゾンと違って匂いを分解消臭し続けてくれる」ということが大きなメリットです。
銅ドープ酸化チタン消臭の利用方法
銅ドープ酸化チタン消臭の利用方法は、主に次の2種類ございます。
- 消臭スプレーの塗布
- コーティング施工
どちらも、銅ドープ酸化チタンが添加された液剤を利用します。後者のコーティング施工では、接着成分の入った液剤を使用し、長期間、銅ドープ酸化チタンを部屋に定着させられます。消臭スプレーよりも、コーティング施工の方が、銅ドープ酸化チタンの添加量の多い液剤を使用し、入念に塗布するので、消臭効果が高いです。
消臭スプレーの塗布は、手軽に試せて安価です。将来的にコーティング施工をすることを念頭に置きつつも、銅ドープ酸化チタンの消臭効果を試したいとお考えの方は、消臭スプレーからご利用になられると良いと思います。
銅ドープ酸化チタンで消臭できる匂いの種類
銅ドープ酸化チタンで消臭できる匂いの種類は、次のものがあります。
- 香水の匂い
- お香の匂い
- トイレの匂い
- カビの匂い
- ドブの匂い
- タバコの匂い
- 加齢臭や脇汗の匂い
- ペットの匂い
- 生ゴミの匂い
- 魚の生臭い匂い
- スパイスやニンニクの匂い
- 化学物質の匂い
数ある光触媒の中で、これだけの種類の分解ができるのは、今現在のところ銅ドープ酸化チタンのみです。
なお、化学物質の分解は可能ではあるものの、明るい光を照射しないと分解できないものもあります。ホルムアルデヒドなどの化学物質の匂いの消臭は、弊社までご相談ください。
ホルムアルデヒド対策については、「光触媒を使ったホルムアルデヒド対策」もご覧ください。
銅ドープ酸化チタンで抗菌も可能
銅ドープ酸化チタンは、匂い成分を分解することと同時に、細菌類やウイルスをも分解する性質があります。
匂い成分と比べると、細菌類の大きさは大きなものですから、分解に時間はかかるものの、細菌類の粘膜や鞭毛、細胞壁などの表面の成分を分解して、細菌類の活動を抑制したり、死滅させたりすることができます。
細菌類の抗菌ができるということは、細菌類を原因とする匂いの防臭ができます。そのような防臭のことを、抗菌防臭といいます。
抗菌防臭ができる匂いの種類は、カビの匂いやトイレの匂い、生臭い匂い、生ゴミの匂いです。
部屋中に銅ドープ酸化チタンを塗布しておけば、部屋の防カビもできます。
銅ドープ酸化チタンのスプレー「ホントに消臭」
一般的な消臭であれば、「アキュートクリーン」をおすすめしています。
ホテルの匂いの消臭は素早さが要求されるので、アキュートクリーンよりも銅ドープ酸化チタンの添加量の多い光触媒抗菌消臭スプレー「ホントに消臭」をご利用なさってください。
使用方法は、匂いが気になる部屋の壁や天井、床に、「ホントに消臭」をスプレーするだけです。
| 原材料 | 酸化チタン、銅、水 |
|---|---|
| アルコール | 無添加（ノンアルコール） |
| 香料 | 無添加（無香料） |
| 容量 | 200mL（600回ほどスプレー可） |
| 価格 | 2,200円（税込） |
業務用抗菌消臭剤（BRE025-AB2）
もし、ホテルの部屋すべてにスプレーしたい場合は、1L単位でご購入いただける業務用抗菌消臭剤（BRE025-AB2）をご利用ください。
業務用抗菌消臭剤（BRE025-AB2）は、10L以上ご購入いただきますと、さらに格安になります。
業務用抗菌消臭剤（BRE025-AB2）は、ホテルの部屋の防臭だけでなく、厨房やレストランなどの抗菌や消臭、防カビにもご利用いただけます。カーペットやカーテンの匂いの抗菌・消臭にもご利用いただけます。
業務用抗菌消臭剤（BRE025-AB2）のご利用は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
本格的な消臭ならコーティング施工
部屋の中を本格的に消臭したい場合は、銅ドープ酸化チタンを使ったコーティング施工をご検討ください。
銅ドープ酸化チタンを使った屋内利用のコーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）です。
屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）は、消臭スプレー「ホントに消臭」よりも多くの銅ドープ酸化チタンと接着成分を添加した製品です。専用のスプレー装置を使って、部屋の隅々まで塗布します。
コーティング施工は、専用のスプレー装置と塗装技術を必要とするため、弊社もしくは、弊社の光触媒製品を扱う施工代理店が伺って施工いたします。
消臭効果は、部屋のご利用環境にもよりますが、5～10年です。
屋内用光触媒コーティング剤（BX01-AB1）の施工方法や費用などの詳細は、「ホテル客室の光触媒コーティング施工の流れと費用」をご参照ください。
匂いに対するお悩みのご相談、コーティング施工のご相談は、イリスまでお気軽にご連絡ください。
この記事の著者／責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。