
ホテル客室は、できれば無臭が求められます。ホテルの支配人やハウスキーパーの方であれば、当たり前のことと思います。
ホテル客室に臭いがあれば、お客様から「部屋を変えてほしい」と言われることもあります。
ホテル客室の臭いは、次の3種類が気になることと思います。
- タバコの臭い
- カビの臭い
- 香水の臭い
タバコの臭いは、喫煙室では仕方が無いことと思いますが、タバコを吸われない方が空いている部屋がなくて仕方なく喫煙室に滞在してしまったら、一晩が苦痛でしかありません。
カビの臭いは、温泉旅館の和室で多いと思います。どのような消臭施策をしても消えないと思います。
香水の臭いは、宿泊した方の臭いですが、インバウンドで海外の方がお泊りになられるようになり、香水の消臭が気になるホテルが増えたのではないでしょうか。
これらのホテル客室の臭いが、1つの消臭コーティングで対策できるとしたら、いかがでしょうか?
ホテル客室の消臭なら光触媒コーティング塗装
ホテル客室の消臭には、いろいろな製品があります。その中の一つとして光触媒コーティング塗装があります。
光触媒コーティング塗装では、その液剤を客室内に塗布するわけですが、製品を選び間違ってしまうと、消臭効果が感じられないものもあります。
間違った光触媒コーティング剤を使用したら消臭できません
光触媒コーティング剤と言っても、使用されている光触媒成分や接着成分の種類にはいろいろなものがあり、メーカーによって異なります。そのため、製品によって客室内での効果の高さや、効果の持続期間がとても大きく異なります。
場合によっては、室内ではほとんど消臭効果がない製品を、あたかも効果があるようにPRしている業者もあるくらいです。そのような詐欺的なPRをしている業者もあるのには理由があります。それは、光触媒の性質をよく知っていないからです。
光触媒コーティング剤によく利用される成分は「酸化チタン」です。酸化チタンは、紫外線に反応して高い消臭効果が得られるものです。しかし、室内では紫外線がありませんから、消臭効果がありません。

どのような光触媒コーティング剤を用いるべきか?
ホテル客室を消臭コーティングしたい場合には、どのような光触媒コーティング剤を用いるべきでしょうか?
弊社では、次のような条件に合致している製品を選ぶべきだと考えます。
- 室内の光や夜間でも消臭効果のある光触媒成分を用いていること
- 耐久性の高い(効果の持続期間の長い)接着成分を用いていること
- 客室内のいろいろなものに塗装できること
- 身体に安全な成分であること
- 防炎規制の対象とならない無機成分を使っていること
光触媒コーティングは光が当たらないと消臭できないのか?
1つ目の条件に、「室内の光や夜間でも消臭効果のある光触媒成分を用いていること」を挙げました。
光触媒は、「光が当たることで触媒効果を発揮する」という成分ですから、「光が当たらないと消臭ができないのでは?」「夜間の消灯しているときには、消臭ができないのでは?」とお考えの方もいらっしゃいます。
もちろん、一般的な光触媒ではその通りで、光が当たらなければ消臭ができません。酸化チタンの場合には、紫外線が当たらないと消臭ができません。

ところが、世の中には1種類だけ、光が当たっていなくても消臭ができる成分があります。その成分の名前は、「銅ドープ酸化チタン(銅担持酸化チタン)」です。
銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンにナノサイズの酸化銅を結合させた特殊な光触媒成分なのですが、ナノサイズの酸化銅が触媒効果を発揮するので、光が当たっていなくても消臭ができます。
条件を見たす光触媒コーティング剤

さきほど、さまざまな条件を述べましたが、銅ドープ酸化チタンを使い、それらの条件をすべて満たす製品を、弊社が世界で初めて開発しました。
その製品名は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という名称で、業務用として販売しております。
この製品を開発してから20年以上経過しますが、ホテル客室の消臭施工は、多数ございます。東京を代表するテーマパークや佐世保のテーマパークなどでもご利用いただいています。
以下、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長や施工方法などをご説明いたします。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)
銅ドープ酸化チタンを使った屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をご紹介いたします。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)とは?
この製品は、弊社にて銅ドープ酸化チタンを世界で初めて発見したときに開発した光触媒コーティングを改良し、室内での効果の高さと耐久性を追求した製品です。
室内での効果の高さは、銅ドープ酸化チタンです。銅ドープ酸化チタンは、他の可視光応答型光触媒と比べて、ホテル客室にて10倍以上の消臭効果を発揮します。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、耐久性の高さも定評があります。あまり他社否定をしてもいけませんが、他社の光触媒コーティング剤は効果が弱く、さらには効果が3~5年ほどという製品もあるくらいです。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、ホテルでご利用いただき、10年以上の効果が実証されています。ホテルではありませんが、天井などの人の手が触れない場所では、20年以上効果が持続しているというご報告もあります。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長は次の通りです。
- 室内でも高い消臭効果
- 耐久性は10年以上。触れない箇所は20年以上(実績ベース)
- 銅ドープ酸化チタンで夜間でも消臭が可能
- クリア塗装ができるので、塗装面が着色されない
- ガラス以外なら、ほとんど何にでも塗装可能
- 完全無機塗料なので防炎規制の対象外
- メンテナンスフリー
消臭できるホテル客室の臭い
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が消臭できる、ホテル客室の臭いは次のものです。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布しておけばこれらすべての臭いの消臭に効果があります。
- タバコの臭い
- カビの臭い
- 香水の臭い
新築のホテルの場合には、ホテル客室に溶剤の臭いが残っている場合があります。この臭い成分のことを、揮発性有機化合物(VOC)といい、シックハウスの原因とも言われています。屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、VOCも分解ができ、次のようなVOCの分解ができることを、試験で確認しています。
- ホルムアルデヒド
- アセトアルデヒド
- トルエン
- キシレン
- スチレン
他にも、アルコール類やアンモニア、酢酸、加齢臭、生ごみの臭い、ペットの臭いの消臭も可能です。VOCの分解については、「揮発性有機化合物(VOC)を分解できる光触媒成分とは?」をご参照ください。
塗装できる箇所
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が塗装できる箇所は、次のような箇所になります。ガラスを除く、ホテル客室のあらゆる場所に塗装できます。
- 部屋の壁や天井
- カーペットや玄関マット
- ドアノブ
- ベッドやマットレス、布団、枕、クッション
- ソファーやテーブル、椅子
- バスルームやシャワーカーテン
- トイレの便器
- 手洗いの蛇口やパッキン
- クローゼットの中
- エアコン内部やエアコンフィルター
- 照明スイッチ類
- テレビやエアコンのリモコン
ホテル客室だけでなく、レストランや厨房にも塗装ができます。キッチンスタッフのエプロンに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をコーティング塗装した消臭・抗菌エプロンを販売しているメーカー様もあります。
また、バスタオルやバスローブにも消臭・抗菌コーティングができます。
施工方法
光触媒コーティング施工の方法をご説明いたします。
施工機材

光触媒コーティング剤の塗装には、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。弊社ではABAC温風低圧塗装機を用いています。この写真は、ABAC温風低圧塗装機を使って塗装をしている様子です。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をタンクに入れて、装置を起動させ、スプレーガンを使って部屋全体に塗装していきます。
トイレの便器の裏側や手洗いの蛇口といった、スプレーガンでは塗布が難しい場所は、不織布に光触媒コーティング剤をしみ込ませて、拭き掃除をするように塗布します。
施工の流れ
上記の機械を用いて塗装をしますが、塗装は次の手順で行います。
- 塗装箇所の清掃
- 照明器具やコンセント、ガラス面の養生
- プライマーの塗装
- 乾燥
- 光触媒コーティング剤の塗装
- 乾燥
- 復旧
清掃はあらかじめお客様にて行っていただきますが、念のため水拭きをして目に見えない埃を取り除くことをします。
次に、光触媒コーティング塗装をしない箇所に養生シートや養生テープを使って養生をします。

3番目のプライマーとは、下地保護剤のことです。直射日光が当たる場所では、光触媒の効果が強く出てしまい、塗装面の劣化を加速させてしまう場合があるので、プライマーを塗布しておいて劣化を防止します。屋内用プライマーの製品名は「屋内用プライマー(AS01)」です。
乾燥時間は、夏は30分ほど、冬で2時間ほどです。冬でも暖房をONにしておけば、1時間ほどでかまいません。液剤の実際の乾燥は、液剤は数分で蒸発して乾燥しますが、しっかり定着させるために時間を置きます。
プライマーがしっかり乾燥したら、次に光触媒コーティング剤を塗布します。光触媒コーティング剤には、銅ドープ酸化チタンが添加されている液剤「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」を用います。
光触媒コーティング剤の乾燥時間は、プライマーの乾燥時間と同じです。
施工のご依頼方法
まずは光触媒スプレーで銅ドープ酸化チタンの実力をご実感ください

まずは、銅ドープ酸化チタンの効果をお試しいただくために、コーティング剤の入っていない光触媒スプレーをご利用ください。光触媒スプレーを用いてみて、臭いが消えるようであれば、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング塗装が有効だと言えます。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒スプレーは、「アキュートクリーン」という名称の商品です。
アキュートクリーンで、タバコやカビの臭い、香水の臭いなどが消えることをご実感されたら、1つの部屋にて、光触媒コーティング施工を試験的に導入されたらいかがでしょうか。試験結果が良好であれば、順次施工されていけば良いと思います。
お見積もりから施工実施までの流れ
施工のご依頼方法は、弊社もしくは弊社の施工代理店までご相談ください。お見積もりから施工実施までの流れは次の通りです。
- ご相談
- 施工する部屋の間取りのご提供
- 概算見積もり
- 現地調査
- 正式なお見積もり
- ご発注、日時調整
- 施工前の備品撤去、部屋の清掃
- 施工実施
概算見積もりのときに、客室のお写真をお送りいただく場合がございます。
施工前の備品撤去や部屋の清掃は、お客様にて行っていただきたく存じます。
施工時には、電源と水道を使わせていただきます。
施工費用の概算
気になる施工費用ですが、おおよその施工費用の出し方をご説明いたします。施工の合計費用は、次の費用の合算に消費税が加わったものになります。
- 現調費用
- 機材準備の費用
- 清掃や型付けの費用
- ATP測定や臭気測定の費用
- 足場の費用(必要な場合)
- 養生の費用
- 塗装の平米単価(光触媒コーティング剤の費用と人件費)
- 出張費や宿泊費
- 報告書作成費用(必要な場合)
塗装の平米単価の相場は、2,500~3,500円/m2ほどです。東京都内などの都心であれば、5,000円/m2ほどになる場合もあります。たくさんのホテル客室を一度に施工する場合は、施工単価が安くなる場合もあります。
以上、光触媒を使ったホテル客室の消臭コーティングについてご説明いたしました。
ホテル客室で消臭効果の高いコーティング剤は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤であることを、覚えておいてください。
お見積もりや施工のご依頼は、弊社もしくは弊社の施工代理店までお気軽にご連絡ください。
この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。