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室内の除菌が効果的にできる光触媒コーティング剤とは?

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室内の除菌が効果的にできる光触媒コーティング剤とは?

国内では、いたる所で除菌が当たり前のように行われています。

近年、不幸にも世界的にウイルスが蔓延してしまった時代もありましたが、世界中の人たちが除菌を気にするようになったと思います。

室内の除菌を手軽に行う方法として、アルコールや次亜塩素酸などの除菌剤を使った清掃があります。

室内を継続的に除菌する方法の一つに、除菌剤によるコーティング塗装があります。

この記事では、室内の継続的な除菌に光触媒コーティングがおすすめである理由を解説しつつ、室内でも除菌効果の高い光触媒コーティング剤の選び方をご紹介します。

光触媒コーティング施工を依頼する場合や、業者としてお客様に利用する光触媒コーティング剤を選ぶ場合の参考になれば幸いです。

光触媒コーティングとは?

まず、光触媒コーティングとはどういったものなのかをご説明いたします。

光触媒とは?

光触媒とは、光が当たると触媒効果が発揮され、それに触れているものを酸化分解する性質のある物質のことです。酸化分解をしても光触媒の成分はそのまま残ります。

光触媒は細菌類やウイルスなども、分解の対象とするので、光触媒成分を室内に塗布していたら、それらの除菌が期待できるわけです。そして、アルコールや次亜塩素酸と異なり、継続的に除菌し続けてくれる優れものです。

このような性質のある光触媒を、コーティング塗装できるようにした液剤のことを、光触媒コーティング剤といいます。

光触媒の除菌メカニズム

光触媒の除菌メカニズムをもう少し詳しくご説明いたします。難しいと思われた方は、読み飛ばしていただいてかまいません。

光触媒は、光エネルギーを受けると、そのエネルギーの高さに応じて自由電子が飛び出すことがあります。この飛び出してきた自由電子のことを励起電子ともいいます。自由電子が飛び出すかどうかは、光触媒成分特有のバンドギャップと言われる障壁の高さと、光エネルギーの強さによります。

例えば、光触媒として多く利用されている酸化チタンでは、紫外線が当たることで自由電子が飛び出します。

ともあれ、飛び出した自由電子は、空気中の酸化分子や水分子に作用し、OHラジカルという活性酸素を生み出します。

光触媒がOHラジカルを発生させるメカニズム

OHラジカルは、とても強い酸化力を持つので、細菌類やウイルスに結合して、その表面の成分や突起、細胞壁などを酸化分解する性質があります。

表面が酸化分解された細菌類やウイルスは、活動が抑制されたり、死滅したりするので、「光触媒によって除菌効果が期待できる」というわけです。細菌類やウイルス以外にも、理論上、酸化分解できるものであれば、何でも分解ができます。

光触媒で分解できないもの

ただし、光触媒で分解できるものでも、実質的に分解できないものがあります。それは、光触媒のサイズと比べて巨大なものです。光触媒はナノサイズですから、臭いの成分といったナノサイズのものであれば、すぐに分解ができます。

カビ菌やウイルスといったものは、光触媒からすると、50~100倍以上の大きさですから、分解にかなり時間がかかってしまいます。花粉は、本当に巨大なものですから、実質的に分解ができません。

ときどき「光触媒を壁に塗装したら、壁を分解するのではないか?」と訊かれることがあります。しかし、すぐにボロボロに分解されるわけではなく、「通常よりも劣化が早まる」という程度です。後ほど、光触媒コーティングの塗装方法のところで、劣化防止についてもご説明いたします。

光触媒コーティング剤とは?

光触媒は、酸化チタンといった酸化金属の微粒子です。酸化金属の微粒子を、そのまま室内に塗布しても、手で触れたりするとすぐに落ちてしまいます。そこで、接着成分(バインダー)が添加された液剤に光触媒成分を混ぜて、それを塗布するわけです。

このようなバインダーが入った液剤のことを、光触媒コーティング剤といいます。光触媒コーティング剤には、光触媒成分とバインダー成分が含まれている液剤です。

ちなみに、バインダーが入っていない光触媒液剤のことを、光触媒除菌剤といいます。スプレータイプのものが多いので、光触媒スプレーとも言われます。

光触媒コーティング塗装ができる材質

弊社の光触媒コーティング剤は、室内の次のようなものに塗装できます。

  • 壁紙クロス
  • 天井の石膏ボード
  • キッチンの樹脂パネル
  • 木材
  • 石材
  • ステンレス製品
  • プラスチック製品
  • 樹脂コーティングされた箇所
  • 塗料
  • 綿
  • 不織布

室内のあらゆるものに塗装ができることが判ります。キッチンやリビング、バスルーム、トイレ、玄関などいろいろな箇所を除菌コーティングができます。光触媒コーティング施工をご依頼された主婦の方から、「ブーツや革靴の中を除菌コーティングしてほしい」とご依頼いただくこともあります。

反対に塗装できないものは、ガラスです。後ほどご説明しますが、光触媒コーティング塗装をする場合には、窓ガラスに養生をします。

室内で除菌効果が高く長持ちする
光触媒コーティング剤とは?

室内を光触媒コーティング塗装したいとお考えのお客様からすると、できるだけ効果が高く、長持ちする光触媒コーティング剤を選びたいものです。

室内で除菌効果の高い光触媒の種類は?

室内で除菌効果の高い光触媒の種類は、「銅ドープ酸化チタン」と言われるものです。この光触媒成分は、可視光応答型光触媒の一種で、室内でも高い除菌効果が期待できます。

可視光応答型光触媒とは、蛍光灯やLED照明といった目に見える光でも除菌効果を持つ光触媒成分の総称です。可視光応答型光触媒にもいろいろな種類がありますが、その中でも銅ドープ酸化チタンがもっとも除菌効果が高いことが知られています。

効果が長持ちする光触媒コーティング剤の種類は?

銅ドープ酸化チタンを用いたとしても、除菌効果が短期間で終わってしまうようであれば、あまり意味がありません。

効果が長持ちするかどうかは、バインダー成分の種類によります。バインダーとは、接着剤のことでした。

光触媒コーティング剤に用いられるバインダー成分は、次の2種類のどちらかが利用されます。

  • アモルファス酸化チタン
  • 樹脂バインダー

このうち、アモルファス酸化チタンが長持ちしやすいバインダー成分になります。その理由は簡単です。

光触媒は、細菌類やウイルスといった有機物を分解する対象としますが、バインダーも分解の対象としてしまうからです。光触媒によって分解されるバインダー成分を利用していると、光触媒に直接触れている部分が酸化分解され、バインダーが劣化して、光触媒成分が落ちていってしまいます。

樹脂バインダーの中には、ナフィオンのように比較的分解されにくいものもありますが、劣化しやすいものもあります。

アモルファス酸化チタンは、光触媒によって分解されない無機成分です。そのため、バインダー成分にアモルファス酸化チタンを使っているものは劣化しにくいので、効果が長持ちします。

銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンを使った製品は?

光触媒成分に銅ドープ酸化チタンを、バインダー成分にアモルファス酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を製造しているメーカーは、弊社を含めて数少ないです。

弊社の製品は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という名称で販売しています。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の1Lボトル、5Lまたは10Lバロンボックス

この製品は、世界で初めて銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤です。開発をしたのが今から20年以上前ですが、それ以降、除菌効果の高さや耐久性を高める改善を繰り返し、条件によっては20年以上、除菌効果が持続する場合もあります。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、次のような物件でご利用いただいています。

  • 一戸建て住宅
  • マンション
  • クリニック
  • ホテル
  • 介護施設
  • オフィス
  • 飲食店

室内の光触媒コーティング剤の塗装方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装方法をご説明いたします。

施工の流れ

施工の流れは次の通りです。施工技術者や施工場所の環境によって、塗装方法が異なる場合もありますので、ご了承ください。

  1. 部屋の片付けや家具の移動
  2. 塗装箇所の清掃
  3. 養生
  4. 劣化防止剤(プライマー)の塗装
  5. 光触媒コーティング塗装
  6. 復旧

劣化防止剤(プライマー)の塗装とは?

プライマーとは、劣化防止剤のことです。バインダーのご説明のところで、光触媒がバインダー成分を分解することをご説明しました。光触媒は、バインダー以外にも塗装面を劣化させる場合があります。

劣化すると言っても、塗装したらすぐに分解されるわけではなく、通常よりも劣化が早まる程度です。しかし、劣化が加速されることは事実としてありますから、光触媒コーティング塗装をする前に、劣化防止剤を塗装しておきます。

ただし、劣化防止剤を塗装する箇所は、直射日光が当たる場所だけでかまいません。その理由は、直射日光といった強い光が当たる場所でないと、目に見えて塗装面が劣化することが無いからです。

光触媒成分と比較して、塗装面は巨大な塊です。まるで、ツルハシで巨大な山を解体するようなものです。たくさんの人で何年もかけると、いずれ解体できるかもしれませんが、それと同じように実質的に解体は不可能と言えます。

室内の光触媒コーティング施工をするときは、方位磁石を持っていき、直射日光が当たりそうな場所は、劣化防止剤をあらかじめ塗装しておきます。

光触媒コーティング剤や劣化防止剤を塗装する機材

ABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

光触媒コーティング剤や劣化防止剤を塗装する機材には、温風低圧塗装機とスプレーガンを用います。弊社が推奨するメーカーは、ドイツのABAC社(アバック)です。

光触媒コーティング剤や劣化防止剤は、水のようなサラサラした液体ですから、スプレーガンに0.3mmや0.5mmといった小口径のノズルを用います。そのような小口径のノズルを用いても安定して塗布ができるのが、ABAC温風低圧塗装機です。

安定して塗布ができることは、光触媒コーティング塗装を美しくクリア塗装するためには欠かせません。光触媒コーティング剤を塗布し過ぎると、光触媒成分の白色が出てしまって、装飾性が損なわれる可能性があります。

そういったことで、安定塗装が可能なABAC温風低圧塗装機を推奨しているわけです。

光触媒コーティング塗装前に養生する箇所

養生とは、光触媒コーティング剤を塗装しない箇所に、ビニールシートをかぶせたり、テープを貼ったりすることです。

光触媒コーティング剤を塗装しない主な箇所は、次の通りです。

  • 窓や鏡などのガラス
  • 樹脂などの光沢部分
  • 電灯やコンセントなどの電気部品
  • 家電製品

ガラスや光沢部分に屋内用光触媒コーティング剤を塗装すると、光触媒成分特有の虹色模様が出てしまうので、装飾性が損なわれてしまいます。樹脂への塗装は、ABAC温風低圧塗装機を用いずに、不織布などに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)をしみ込ませて、それを用いて均一に塗布します。

電気が通電する部分にも養生が必要です。光触媒コーティング剤は水のような液剤ですから、電気と相性が悪いためです。

パソコンのキーボードの表面や冷蔵庫の中など、家電製品を除菌したい場合には、光沢面と同様に不織布を用いて塗装すると良いでしょう。

塗装方法を詳しく知りたい方は、「室内用光触媒コーティング剤BX01-AB1の塗装方法や注意点」をご参照ください。

以上、室内の除菌が効果的に出来る光触媒コーティング剤の種類をご説明いたしました。まとめると、光触媒成分には銅ドープ酸化チタンを、バインダー成分にはアモルファス酸化チタンを用いた製品を利用することでした。

そして、弊社製品は屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

室内を除菌コーティングしたいとお考えの方は、ぜひ弊社もしくは弊社の施工代理店にご相談ください。

また、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装を、自社に新規事業として取り入れたいとお考えの企業様は、ぜひ弊社までお問い合わせください。弊社では、室内の除菌コーティングを事業化しやすいようにするため、次のような有償・無償のサービスをご提供しています。

  • 塗装機材の販売
  • 光触媒コーティング剤の塗装方法が学べる施工講習会の開催
  • チラシなどの販促ツールのご提供
  • 弊社HPなどで施工代理店の訴求

もちろんノルマはありません。施工代理店になることをお考えの方は、まずは光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧いただき、施工代理店募集案内の資料請求をお申込みください。

ご連絡をお待ちしております。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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