賃貸物件には、マンションは戸建てがあります。
それらの賃貸物件を契約してもらいやすい状態にするために、入居者様が転居したときに壁紙を交換することが多いと思います。
部屋が美しくなることで、入居しやすくなります。しかし、壁紙の交換は費用がかかります。
そこで、光触媒コーティングで壁紙を交換しなくても臭いが消臭されて美しく保てる、光触媒コーティング塗装のメリットをご紹介します。
契約してもらいやすい賃貸物件の条件
賃貸物件では、入居者様に快適にお住まいになられるように、いろいろなことを考慮していると思います。
最近ではセキュリティが重要視されてきてもいます。部屋がキレイなことはもちろんです。
いろいろな考慮の中で、次の2点が対策され実現できていないと、ほとんど入居してもらえません。
- カビが無いこと
- 臭いが無いこと
入居者様が、部屋を丁寧に利用されているか、そうでないかによって、この2つは大きな差となります。
前の入居者様が、掃除をほとんどしていない人であれば、お風呂はともかく、部屋にもカビが発生していることもあります。そういった場合には、部屋はカビ臭くなっていることと思います。
また、タバコを頻繁に吸っている人であれば、タバコの臭いが染みついてしまって、壁紙を変えることが必須となります。
もし、部屋中を効果の高い光触媒コーティング剤を塗布していたら、カビが発生しにくいですし、タバコの臭いも気にならなくなるほどです。掃除が容易になるので、壁紙も交換することなく、次の入居者様を迎えることができます。
壁紙に光触媒コーティング塗装をするタイミングは、壁紙を張り替えた直後です。壁紙にカビが発生していたら、表面を清掃しても、内部の根っ子からまたカビが発生してくるからです。
光触媒コーティングのメリット
光触媒コーティングのメリットは、カビや臭いの抑制をそれ一つで強力にできることと、その効果が長期間持続することです。そして、それらがメンテナンスフリーであることです。
1.防カビと消臭が一つで強力にできる
一般的には、カビ対策であれば防カビ剤を利用します。そして、臭い対策であれば、消臭剤を利用します。タバコの臭いは、消臭が難しいです。ところが、光触媒コーティングであれば、防カビと消臭が1度にでき、消臭が難しいタバコの臭いも消臭ができます。
その理由は、カビや臭い、タバコの臭いは、それらが有機物でできているからです。
光触媒は、光エネルギーを受けると、有機物を分解する性質を持ちます。カビ菌であれば、カビ菌の表面にある成分や突起、細胞壁が分解され、カビ菌の活動が抑制されたり、カビ菌が死滅したりします。
生活の臭いや新築の臭い、タバコなどの臭いの成分は、すべて有機物です。それらも光触媒によって分解され、臭いが消えます。
この効果を利用すると、入居者様との契約が終わった後でも、壁紙を交換するといったリフォームをしなくても、清掃だけで済むようになります。
2.効果の持続期間が長い
ドラッグストアで市販されている防カビ剤や消臭剤は、効果の持続期間が一瞬であったり、持っても3~4ヶ月ほどであることが多いです。
それに対して光触媒コーティング剤は、製品にもよりますが、効果が10年以上持続します。
ときどき「光触媒塗装は、有機物の成分を利用しているので、光触媒で自分を分解してしまって、効果が持続しない」と書いてあることもありますが、弊社の製品のように無機成分のみを利用している光触媒コーティング剤もあります。そういったものは、持続期間が10年以上あります。
光触媒コーティングは強い摩擦に弱いので、壁に何かをこすりつけたりせず、室内を丁寧に利用されている方であれば、15年以上効果が持続します。システムバスは普段から掃除をする箇所ですので、効果の持続は5~10年ほどになります。
3.メンテナンスフリー
光触媒コーティングをすると、何か特別なメンテンナンスをしなくても、防カビや消臭をし続けてくれます。そのようなメリットもあります。
入居者様は、光触媒コーティングの専門知識を持った人はいませんから、何かメンテナンスが必要となると対応ができません。光触媒コーティングは、メンテナンスフリーであることもメリットになります。
ただし、光触媒はホコリまで分解してくれるわけではありませんから、ホコリが付いたら拭き掃除をしてください。洗剤を用いる場合は、中性かアルカリ性の洗剤を用いてください。
どのような光触媒コーティング剤を選べばよいのか?
光触媒コーティング剤を選ぶときに、正しいものを選ぶことで、効果の高さと持続期間が得られます。光触媒にはいろいろな種類があり、どのような成分を選べばよいのかを、解説いたします。
防カビや消臭の効果がもっとも高い光触媒成分とは?
防カビや消臭をしたい場所は、部屋の中であることが多いです。部屋の中でも効果の高い光触媒成分を選ぶことで、防カビや消臭ができます。また、外壁の防カビをしたい場所は、ジメジメした日陰の場所であることが多いです。
部屋の中や日陰の外壁は、光が弱いので、弱い光でも効果の高い光触媒成分を利用することが求められます。その成分は、ずばり銅ドープ酸化チタンです。
光触媒成分はたくさんの種類がありますが、光触媒コーティング剤として実用化されている成分の中でも銅ドープ酸化チタンがもっとも効果が高いことで知られています。
耐久性が高く、身体に無害の接着剤は?
効果の高い銅ドープ酸化チタンを使ったとしても、それを壁に接着させるための成分が弱ければ、耐久性が悪くなります。先ほど、「有機物の成分を利用していると、耐久性が悪い」と述べましたが、その通りです。
また室内に利用するものであれば、身体に無害な成分でなければいけません。
耐久性が高く、さらには身体に無害な接着剤は、アモルファス酸化チタンです。
アモルファスとは非結晶のことです。一般的な酸化チタンは結晶化しており、いくつかの結晶構造があります。光触媒として利用される酸化チタンは、アナターゼ型といわれる結晶構造をしています。
アモルファス酸化チタンは非結晶の酸化チタンで、それを塗布すると、ほとんどの塗布面に強固に定着します。そして、アモルファス酸化チタンは成分が酸化チタンですから、酸化チタン光触媒によって分解されません。
銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンを使った光触媒コーティング剤
銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、弊社が22年ほど前に世界で初めて製造に成功した液剤です。その効果や耐久性に改良を加え、現在は「屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)」という製品名で業務用として販売しています。
このコーティング剤を開発してからというものの、多くの企業や研究所がこの成分を超えた製品を開発しようと努力されています。しかし、開発してから今のところ、この光触媒コーティング剤の性能を超えるものは、出てきておりません。
この製品は、何をしても消臭ができない事故物件の消臭の最終手段としてもご利用いただいている、優れた消臭効果があります。
施工はどのように行うのか?
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装するための施工機材と施工の流れを解説いたします。
ご依頼は、弊社もしくは弊社の製品を扱う施工代理店にご連絡ください。そのときに、賃貸物件の場所や部屋の間取り、床面積などをお教えください。
施工機材
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工には、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。弊社が推奨する塗装機械は、ABAC温風低圧塗装機用です。賃貸物件の室内の塗装では、小型で持ち運びが便利なSG-91がおすすめです。
スプレーガンには、φ0.3mmやφ0.5mmといった小口径のスプレーノズルを用います。それ以上の口径のスプレーノズルを用いると、光触媒コーティング剤を吹き出し過ぎてしまい、仕上がりが悪くなり、液剤がもったいないからです。
施工の流れ
賃貸物件の施工は、壁紙の張り替えや清掃後に次の流れで行います。
- 塗装しない箇所の養生
- 直射日光が当たる箇所のプライマー塗装
- 光触媒コーティング塗装
- 乾燥
1.塗装しない箇所の養生
光触媒コーティング塗装しない箇所は、ビニールシートで養生します。養生をする主な箇所は、コンセントやソケット、窓ガラスや鏡です。
2.直射日光が当たる箇所のプライマー塗装
窓から直射日光が入る物件もあります。直射日光が当たる箇所に光触媒コーティングをすると、太陽光の明るい光によって、光触媒が強く活性化してしまい、下地の劣化を早めてしまう場合があります。
そういった箇所には、プライマー(下地剤)を先に塗装しておきます。プライマーを塗装しておくことで、下地と光触媒が直接触れることを防いでくれます。
弊社が開発した屋内用プライマーの名称は、「屋内用プライマー(AS01)」です。使用量は、1L当たり50m2です。
プライマーを塗装したら乾燥を待たないといけませんから、プライマーを塗らない箇所から光触媒コーティング塗装をして回り、最後にプライマーを塗装した箇所を施工すると、作業の時間効率が良くなります。
3.光触媒コーティング塗装
いよいよ光触媒コーティング塗装です。ABAC温風低圧塗装機を用いて、小口径のスプレーノズルを装着して塗装を行います。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装面積は、1L当たり50m2です。塗装する面積に応じて液剤を準備しておきます。プライマーの塗装面積と同じです。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装方法の詳細は、「室内用光触媒コーティング剤BX01-AB1の塗装方法や注意点」をご参照ください。
4.乾燥
塗装が終えたら、液剤が乾燥するのを待ちます。液剤は、ジャブジャブに塗装するわけではありませんから、素早く乾燥します。夏であれば、30分もあれば乾燥します。冬場は、2時間ほど乾燥させた方が良いです。
賃貸物件で、塗装後に誰も入らない部屋の場合は、塗装後に乾燥を待たずしてそのまま退室しても良いと思います。
ルミテスターで光触媒コーティングの効果を測定したい場合は、乾燥を待ちます。
施工費用はいくらほどかかるのか?
光触媒コーティング施工の費用ですが、6畳ワンルームアパートで考えた場合、床面積はおおよそ25m2です。施工箇所は、室内の壁と天井、キッチン周り、ユニットバスだとすると、施工面積はざっと80m2ほどです。光触媒コーティングの平米単価が2,500円だとすると、20万円ほどになります。
これに諸経費と交通費が加わった金額が、施工費用となります。
光触媒コーティングの寿命が10~15年だとすると、その間に壁紙を頻繁に変更する費用と比較をしてください。また、その間は部屋の臭いやカビが抑制されることを考えると、入居者様にもメリットが大きいと思います。
もし、光触媒コーティングの方がお得だとお感じであれば、ぜひ光触媒コーティング施工をご検討ください。
光触媒コーティングのご依頼は、弊社もしくは弊社の製品を扱う施工代理店までお申しつけください。賃貸物件の光触媒コーティングに対応する施工代理店の一覧は、賃貸物件の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。