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お風呂の防カビに光触媒コーティングは有効か?

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お風呂の防カビに光触媒コーティングは有効か?

お風呂は、住宅の中でもっともカビが発生しやすい場所です。

新築のときには、カビのことなど気にもならないと思いますが、使用してから1ヶ月ほど経過してくると、ヌメリが出てきて、掃除が必要となります。そして、掃除をさぼっていると、半年もしたら黒いポツポツが出てきます。

お風呂のカビ対策は戸建てやマンションだけでなく、ホテルや銭湯ならなおさら気にされていることと思います。

黒いポツポツが出てくる前に、できれば新築のときに防カビコーティングをしておくことをおすすめします。

この記事では、光触媒コーティングによる防カビについて解説いたします。

お風呂の防カビは銅ドープ酸化チタンが効果的

お風呂の光触媒コーティングによる防カビには、数ある光触媒成分の中で、銅ドープ酸化チタンが有効であることを解説いたします。

お風呂の防カビに有効な光触媒成分は銅ドープ酸化チタン

光触媒は光エネルギーを受けて、防カビ効果を発揮します。その光が明るければ明るいほど、防カビ効果が高まります。しかし、お風呂場の光の明るさはどうでしょうか?

ほとんどのお風呂では、暗いと思います。そして、お風呂を利用していないときは消灯されています。そのような環境では、一般的な光触媒成分では防カビ効果を発揮しません。

そこで、おすすめの光触媒成分が「銅ドープ酸化チタン」です。

銅ドープ酸化チタンの性質は、さまざまな光触媒成分の中で、弱い光でも防カビ効果がある唯一と言っても良いほどの効果の高さを誇る成分です。しかも、銅ドープ酸化チタンは、唯一となりますが暗所でも防カビ効果がある成分なのです。

薄暗くても防カビができ、なおかつ暗くても防カビができるわけですから、銅ドープ酸化チタンはお風呂の防カビに最適な光触媒成分と言えます。

銅ドープ酸化チタンとは?

銅ドープ酸化チタンとは、特殊な技法で酸化チタン光触媒に銅を結合させた成分です。ドープとは、簡単に述べると「結合させた」という意味です。

一般的な酸化チタン光触媒は紫外線に反応して、防カビ効果を発揮します。ところが、お風呂場には直射日光が入らない限り、紫外線は存在しません。ですから、酸化チタンを使った光触媒コーティングは、お風呂の防カビにはまったく効果がありません。

ところが、そのような性質の酸化チタンに銅を特殊製法で結合させたら、お風呂場の弱い光でも防カビ効果を発揮するようになります。

ちなみに、銅ドープ酸化チタンは弊社の技術チームが世界で初めて発見した成分です。この成分を発表した後、あまりにもの効果の高さだということで、大手企業や大学、研究機関などが研究対象にしたほどです。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤

弊社が製造・販売している、お風呂場に利用できる銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤には、次の2種類があります。

  1. 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)
  2. プラスチック用光触媒コーティング剤

前者は屋内の光触媒コーティング塗装全般の液剤です。後者は、樹脂などのプラスチックに光触媒コーティングするための液剤です。

お風呂場に利用されている樹脂は水を弾く性質があるので、樹脂に屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布した場合、液剤を弾いてしまってダマになり、均一に塗装ができない場合があります。

プラスチック用光触媒コーティング剤は、水を弾きやすい樹脂にも均一に塗布できるように、液剤を改良したものです。

塗装面の材質に合わせて使い分けてください。

摩擦がなければ防カビ効果の持続期間は10年以上!?

光触媒コーティング塗装は、塗装面に強固に付着するような接着成分が用いられています。その成分によって、銅ドープ酸化チタンが付着し続けてくれたら、ずっと防カビ効果を発揮し続けてくれます。

もし何も摩擦がなければ、光触媒コーティングの防カビ効果の持続期間は10年以上継続すると思います。実際にそのようなお風呂場もあります。

光触媒コーティング塗装をしたところに摩擦があると、光触媒が落ちていってしまいます。

例えば、シャンプー台に光触媒コーティングをしたら、シャンプーなどが台とこすれて、光触媒コーティングが少しずつ剥がれ落ちてしまいます。

また、床やバスタブに光触媒コーティングをしたら、人が踏んだり触れたり、掃除をしたりするので、それでも少しずつ光触媒コーティングが落ちていってしまいます。

そのようなことから、天井などといったほとんど触らない場所、摩擦が生じない場所、あまり掃除しない場所であれば、光触媒の効果の持続期間は10年ほどあると言えます。しかし、そうでなければ、持続期間は5年未満となります。

5年未満とはなりますが、他の防カビコーティングよりは効果が長いと思います。

お風呂の光触媒コーティングが有効な箇所は?

お風呂の光触媒コーティングが有効な箇所を解説します。

樹脂パネルの目地の防カビは新築なら有効

システムバスの壁面や天井には、樹脂パネルが利用されています。その防カビには、光触媒コーティングが有効です。樹脂パネルに利用する光触媒コーティング剤は、プラスチック用をご利用ください。

樹脂パネルの素材には防カビ成分が使用されていることが多いと思いますが、目地の部分はカビが発生しやすいです。

樹脂パネルの防カビは、特に新築のときにおすすめです。

もしカビが発生してから光触媒コーティングするとなると、カビが菌糸を目地の内部にまで侵入させていることがあるからです。漂白剤などで表面のカビを除去してから光触媒コーティングをするわけですが、内部に入り込んだ菌糸が成長して、またカビが発生します。

ただし、またカビ菌が発生したとしても、光触媒コーティング部分に触れているカビ菌には、抗菌機能が働いているため、掃除したらすぐに落とすことができます。

床や浴槽はNG

光触媒コーティング剤は、摩擦に弱いので、床や浴槽など、人が頻繁に触れるものだと、光触媒コーティングが落ちてしまいやすいです。また、シャンプーなどを置いている台のところも、ボトルがこすれるので、光触媒が落ちやすいです。

とは言うものの、すぐに落ちることはありませんから、防カビコーティングをされる方もいらっしゃいます。

それに対して目地の部分は、人があまり触れることがありませんし、ザラザラしているので光触媒コーティングが落ちにくいです。天井も人がほとんど触れないので、落ちることはありません。

タイル壁の目地の防カビも新築なら有効

タイル壁の目地の防カビも新築なら有効

壁にタイルが使われているお風呂場の目地にも、カビが発生しやすいです。そこに光触媒コーティング塗装をしておくことで、カビを防止できます。

この場合ももちろん、新築のときに行なうことがベストです。

タイルは水を弾きやすい性質があると思われていますが、光触媒コーティングしやすい材質です。ですので、タイルの光触媒コーティング塗装には、屋内用光触媒コーティング剤をご利用ください。

シャワーカーテンの防カビにも有効

シャワーカーテンの防カビにも有効

シャワーカーテンの防カビにも光触媒コーティングは有効です。シャワーカーテンはプラスチック素材ですから、プラスチック用光触媒コーティングをご利用ください。

シャワーカーテンは、濡れるとバスタブにくっついて、乾きにくくなり、ヌメリやカビが発生しやすくなります。シャワーカーテンの乾燥と併せて、シャワーカーテンに光触媒コーティングをすることによって、ヌメリやカビを効果的に防止できます。

効果の持続期間は5年以上と思われます。

脱衣所(洗面所)の天井や壁の防カビも有効

脱衣所(洗面所)の天井や壁の防カビも有効

お風呂場の脱衣所は、お風呂場からの湯気によって天井や壁にカビが発生しやすくなっています。そのような場所の防カビにも、光触媒コーティングは有効です。

壁紙クロスが利用されていることと思いますが、そこに銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングをすることによって、防カビができます。

脱衣所には、屋内用光触媒コーティング剤をご利用ください。

光触媒コーティング剤の塗装方法と塗装後の掃除

お風呂の光触媒コーティング塗装の方法は、光触媒コーティング剤を専用の塗装機械とスプレーガンで行います。

光触媒コーティング剤の塗装に利用するスプレーノズルの口径は、φ0.3mmやφ0.5mmといった小口径のものを利用します。それよりも大口径のものを使用したら、光触媒コーティング剤が噴き出し過ぎてしまいます。

塗装は次の流れで行います。

  1. 塗装面の入念な塗装
  2. 光触媒コーティング剤の塗装
  3. 乾燥

塗装面にすでにカビが発生している場合は、漂白剤を使っての除菌を行います。清掃後は、洗浄液をしっかり洗い流してください。光触媒コーティング剤は、屋内用とプラスチック用を塗装面の材質に合わせて使い分けてください。

塗装後の掃除ですが、ブラシを使用する場合は、硬いブラシで擦りすぎると光触媒が落ちやすいので、柔らかいブラシをご利用ください。また、洗剤には中性化アルカリ性の洗剤をご利用ください。

以上、お風呂の防カビに銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングが有効であることを解説いたしました。

銅ドープ酸化チタンは、お風呂の弱い光でも強い防カビ効果を発揮し、なおかつ明かりを消しても防カビができる優れた成分でした。銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングは、防カビに有効ですが、摩擦があるところでは光触媒コーティングが少しずつ落ちてしまうので、持続期間が5年未満になってしまいます。お風呂の壁や天井であれば、10年以上効果が持続します。

光触媒コーティングは、戸建てやマンションのお風呂だけでなく、ホテルや銭湯などにも有効です。光触媒コーティングによるお風呂の防カビなら、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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