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家の中でもカビ防止効果が高い光触媒は銅ドープ酸化チタン

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家の中でもカビ防止効果が高い光触媒は銅ドープ酸化チタン

カビは湿気があれば、どこにでも発生します。

戸建てやマンションの家の中では、お風呂場などの水回りはもちろんのこと、結露しやすい窓ガラスのパッキン、湿気がこもりやすい部屋の壁紙、エアコン内部などにもカビが発生します。

カビ防止の基本は換気ですが、それだけでは、うっかりしているとカビが発生することがあります。

カビが発生するのは何も古い家だけではありません。新築マンションや新築戸建てでもカビ防止をしておかないと、冬の結露でカビが発生してしまうこともあります。

この記事では、戸建てやマンションの家の中でカビ防止をする方法や、光触媒でカビ防止をしたいときに選ぶべき光触媒成分について解説いたします。

家の中の防カビ方法

カビ菌は湿気があるところであれば、どのようなところにも発生します。部屋で主に発生するカビは黒カビですが、目に見えるほど繁殖していなくても、カビ臭くなっていたら、そろそろ黒カビが見えるようになるサインです。

家の中の防カビ方法は、次の3種類になりますが、基本は換気です。

  • 換気/除湿
  • 防カビ剤の塗布
  • 光触媒コーティング塗装

換気/除湿

カビ防止の第一は換気です。湿気のある空気が部屋の中でこもっていたら、その部屋の天井付近から黒カビが発生してきます。

換気は窓を開けて、空気の流れを作ってあげるだけで良いです。

シーズンによっては、換気をしたくてもできない場合があります。梅雨のシーズン、真夏や真冬のシーズンです。

梅雨であれば、窓を開けると雨が入ってくることがあるので、窓を閉め切った日が続くと、気温が上がり始めていることもあり、壁にカビが発生しやすくなります。そういったときは、エアコンで除湿をしてあげると良いでしょう。

長時間エアコンをONにしていることが続くので、エアコンの中のカビ防止も必要になります。

夏場は冷房をつけることがありますが、エアコンの内部や吹き出し口が結露して、黒カビが発生することがあります。

冬場は、窓ガラスや壁が結露することがあるので、冬もできれば換気が必要です。窓を開けられないときは、湿気対策をしたいところですが、限界はあります。

そういったことから、換気や除湿だけでは限界があるので、それら以外の方法によるカビ防止策を講じておきたいものです。

防カビ剤の塗布

防カビ剤とは、防カビ成分を含む塗料のことです。その液剤をカビ防止したい箇所に塗布します。すると、防カビ成分が少しずつ溶けだし、カビの繁殖を防止してくれます。

防カビ成分には、銀イオンや銅イオンなどの金属イオン系、イソチアゾリン系などの有機成分、他にも天然由来の成分など、たくさんの種類があります。それらの成分の中で、揮発性の弱い成分を塗料として塗布します。

成分の種類によってカビ防止効果の高さが、塗料の種類によって持続期間が異なります。継続的にカビ防止をしたい場合には、2~3年毎に塗装することが標準となっているように思います。

光触媒コーティング塗装

光触媒コーティング塗装とは、光触媒成分を含むコーティング液剤を、専用の塗装機械とスプレーガンを用いて塗装する方式です。

光触媒によるカビ防止の仕組み

光触媒は、光エネルギーを吸収すると、表面にOHラジカルといわれる活性酸素を発生させるので、有機物を酸化分解する性質が現れます。カビ菌も有機物ですから、光触媒に光が当たり活性化することで、カビ菌の細胞壁などを分解してくれるので、カビを殺菌し繁殖を抑えてくれます。

光触媒コーティング液剤の成分は、光触媒成分とそれを塗装面に固化する接着剤(バインダー)が主なものです。

光触媒コーティング液剤を選ぶときのポイント

光触媒コーティングで用いる液剤は、どのような光触媒成分が用いられているのかと、バインダー成分に無機系のものが使用されているかが大事なポイントです。

光触媒成分によっては、家の中ではまったくカビ防止効果が無いものもがあります。このことについては、次の節で解説します。

また、光触媒は有機物を分解する性質がありますが、もしバインダーに有機系を用いていたら、光触媒がバインダーを分解してしまい、光触媒コーティング自体を自らが劣化させて、持続期間を短くしてしまうからです。このことについても、後述いたします。

塗装は施工業者に依頼

塗装には専用の塗装機械とスプレーガンを用いるため、業者に依頼することになります。

そのときに、ここで学んだ知識に基づいて、業者がどのような成分を使った光触媒コーティング液剤を用いているのかを調査してから、施工を依頼することが極めて大事です。

液剤に使用されている光触媒成分やバインダー成分が、どういった成分なのかを知ってから依頼をしないと、カビ防止効果が無かったり、耐久性が悪かったりするからです。

カビ防止効果の高い光触媒成分が入った無機系の光触媒コーティング塗装を行えば、カビ防止効果は10年以上持続します。

光触媒がカビの繁殖を防止するメカニズム

次に光触媒がカビの繁殖を防止するメカニズムを解説しつつ、カビ防止効果の高い光触媒成分が何なのかをご紹介します。

本当に光触媒は家の中でも効果があるのか?

光触媒は、光エネルギーを受けると触媒の効果を発揮し、カビ菌の表面の成分や細胞壁を酸化分解してくれます。その効果によって、カビ菌の活動を抑えられたり、殺菌したりできます。

光触媒でよく利用される成分は、酸化チタンです。

酸化チタンは、光の種類の中でも紫外線を吸収することで、強い光触媒の効果を発揮します。そのため、紫外線が当たる場所であれば、防カビが可能です。

ところが、防カビをしたい場所が家の中であれば、紫外線はほとんどありませんから、酸化チタンを使ったコーティング液剤を家の中に塗装したところで、窓際の直射日光が当たりやすい箇所はともかく、それ以外の場所では防カビの効果がまったくありません。

そのようなことから、酸化チタンではなく、家の中の光でも触媒の効果を発揮する光触媒成分を利用することが大事です。家の中の光でも反応する光触媒のことを、可視光応答型光触媒といいます。

可視光応答型光触媒とは?

可視光応答型光触媒とは、人の目に見ることができる光によって触媒活性を示す光触媒成分のことです。

人の目に見える光には、紫色から青色、シアン、緑色、黄色、赤色と虹色でも見られる光があります。それ以外の光を、紫外線や赤外線といって、人の目に見えない光です。

可視光応答型光触媒の種類

先ほど解説した酸化チタンは、紫外線に応答するので、紫外線応答型光触媒といわれ、可視光応答型ではありません。

市販されている光触媒製品によく利用されている可視光応答型光触媒は、次の3種類があります。

  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

銅ドープ酸化チタンや窒素ドープ酸化チタンは、酸化チタンに銅や窒素をドープしたものです。ドープとは、「添加した」とか「加えた」という意味ですが、単に入れただけではなく、酸化チタンに結合させた意味になります。単に入れただけのものは、「銅ハイブリッド酸化チタン」と言われ、性能に大きな差があります。

酸化チタンに他の成分をドープする理由

なぜ、酸化チタンに銅や窒素を担持させるのかと言いますと、酸化チタンにそれらの成分を担持させることによって、酸化チタン単体では紫外線にしか反応しなかったものが、可視光にも反応するようになるからです。

酸化チタンは銅や窒素を担持させないと可視光応答しませんが、酸化タングステンはそのままでも可視光応答します。

これら3成分は、確かに可視光応答するのですが、効果の高さに大きな違いがあります。

カビ防止効果が高いのは銅ドープ酸化チタン

これら3成分の中で、もっともカビ防止効果の高い成分は、銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンの効果の高さ

銅ドープ酸化チタンと酸化タングステンを比較すると、銅ドープ酸化チタンの方が5~7倍ほどの効果の高さです。

弊社にて、家の中に塗装することを想定して開発した、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング液剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

銅ドープ酸化チタンと窒素ドープ酸化チタンは、そちらも銅ドープ酸化チタンの方が数倍効果が高いと思われます。

大手自動車メーカーの高級車に純正品として採用され続けている実績

この成分は、弊社が2002年に世界で初めて発見した成分です。

発見して発表した当時、ある大手自動車メーカーがアメリカ市場で人気の高級車を日本市場でも販売することになりました。その自動車はあらゆるもので世界最高を目指していたようで、車内の除菌・消臭のために利用する光触媒コーティング液剤も、世界最高のものをお求めでした。

大手自動車メーカーのグループ会社では、窒素ドープ酸化チタンを研究開発していたようで、それも調査対象となっていたと思われますが、弊社が開発した光触媒コーティング液剤が採用されました。それ以降、20年以上経過した現在でも、その高級車の純正品として採用され続けていることを考えると、銅ドープ酸化チタンがもっとも効果が高いことが認められました。

ちなみに、高級車の純正品として採用されている、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング液剤は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)です。自動車の車内がカビ臭かったり、カビが発生してお困りの方は、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装をお試しください。

現在のところ「可視光応答型光触媒の中で最も効果が高い成分だ」と結論に至る

また、2007年から多くの研究機関が力を合わせて、政府からも多大な研究費用を支給され、「銅ドープ酸化チタンよりも強力な可視光応答型光触媒を開発しよう」という機運が盛り上がったことがありました。その研究の結果、「銅ドープ酸化チタンが最も強かった」という結論に至ったほどです。

いずれは、銅ドープ酸化チタンよりも高い触媒効果を発揮し、安定的に供給でき安価で、なおかつ身体に安全な成分で、光触媒コーティング液剤にでき、耐久性も高いものが開発されるものと思いますが、「今のところ銅ドープ酸化チタンが、もっともすぐれている」ということで結論に至りました。

それ以来、未だに銅ドープ酸化チタンの性能を超える成分を使った光触媒コーティング液剤は、開発されていないようです。

光がなくても防カビができる光触媒成分は銅ドープ酸化チタンだけ

さて、そのように防カビ効果の高い銅ドープ酸化チタンですが、優れた特性がもう一つあります。それは、「光がなくても触媒の効果を発揮する」という性質を持つことです。

この性質は、発見した弊社も疑ってしまったほどです。何度実験しても、光を当てていなくても除菌や消臭ができたのです。

この効果があれば、光が当たらない場所でもカビ防止ができるということを意味します。

ご家庭の部屋の中で光が当たらない場所、光が当たりにくい場所は、次のような箇所があります。

  • 押し入れやクローゼットの中
  • 押し入れの中に入ったまま、敷かれたままの布団やマットレス
  • エアコンの内部
  • 窓の無いお風呂場
  • 地下室
  • 床下収納
  • 普段あまり利用しない別荘の部屋

このような家の中で光が当たらない箇所で、カビ対策をしたい、カビの臭いを消臭したいとお考えの方は多いのではないでしょうか?

また、いろいろとカビ防止対策をしてきたけれども、どれもあまり効果が無かったと思われている方は、多いのではないでしょうか?

そういったときは、弊社が開発した銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング塗装をお試しください。

銅ドープ酸化チタンの室内利用については、「室内用光触媒コーティング剤に最適な光触媒成分」もご参照ください。

お風呂場などの樹脂製品に利用できる光触媒コーティング液剤

ちなみに、お風呂場を光触媒コーティング塗装したい場合は、光触媒コーティング液剤にちょっとした工夫が必要です。

お風呂場のバスタブやパネルには、樹脂製のプラスチック製品が使用されています。それらの樹脂製品は水を弾く性質があります。

水を弾く性質のあるものに一般的な光触媒コーティング液剤を塗布すると、液剤を弾いてしまってダマになってしまい、均一に光触媒コーティングができません。

水を弾く樹脂製品に均一に光触媒コーティングができる液剤は、市販されている製品にはほとんど見かけることがありません。

今現在のところ、銅ドープ酸化チタンを使い、プラスチックに塗装ができる光触媒コーティング液剤は、弊社の製品にしか存在しません。水を弾く樹脂製品に、均一に銅ドープ酸化チタン光触媒加工をしたい場合は、弊社にご相談いただいた方が良いと思います。

新築の建物でもカビ防止は必要か?

最後に、「新築の戸建てや新築マンションにもカビ防止は必要か?」という疑問にお応えしたいと思います。

できれば新築のうちからカビ防止をしておいた方が良い

新築の建物は、見た目が美しいので「カビ対策は必要あるのか?」とお考えの方も多いと思います。ところが、カビは湿気のあるところであれば、どこにでも繁茂するので、「カビ防止策は新築のうちから行っておいた方が良い」ということが結論になります。

カビが発生し、黒い斑点になるまでには時間がかかります。ところが、斑点が出てしまったときには、カビの根っ子が奥まで入り込んでいるので、清掃をしてもすぐにカビが発生してきてしまいます。

また、斑点が見えなかったとしても、カビ臭くなってきているのであれば、カビが目に見えないだけで、繁茂している状態です。部屋が少しでもカビ臭い場合は、斑点になって見えるようになるのは、時間の問題です。

そして何より、新築の建物の引っ越し前は、光触媒コーティング塗装をする絶好のタイミングなのです。

入居後にカビが発生してからだと施工費用が高くなる

もし、新築の建物に入居し、生活している中でカビが発生してしまい、「光触媒コーティング塗装をしたい」と考えたときは、新築の引っ越し前よりも施工費用が高くなってしまいます。その理由は、カビの掃除が必要であったり、家具の移動や養生をする箇所が多くなってしまうからです。

それに対して新築物件で引っ越し前であれば、清掃は塗装面の拭き掃除くらいです。養生する箇所はコンセントや照明のコネクタ、窓ガラスといった限られた場所のみになります。家具の移動はありません。

弊社の銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティングなら、10年以上、効果が持続するので、新築のうちからカビ防止コーティングをしておくことをおすすめします。

以上、カビ防止の方法や家の中でもカビ防止効果が高い光触媒は銅ドープ酸化チタンの魅力を解説いたしました。

家の中を、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング液剤でカビ防止なら、イリスもしくは弊社の光触媒製品を扱う施工代理店にご相談ください。施工代理店一覧は、室内の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。

ご依頼をお待ちしております。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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