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光触媒を使った住宅塗装の種類

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どれを選んだら良い?光触媒を使った住宅塗装の種類

住宅塗装と言えば、外壁塗装や室内の部分的な塗装があり、外壁の強化や見栄えの改善などが主な目的となります。

光触媒は、光が当たると除菌や消臭、親水性などの効果を発揮する成分です。

光触媒を使った住宅塗装を行う理由は、外壁の場合は防汚や防カビ、室内の塗装では除菌や防カビ、消臭が主な目的となります。

光触媒を使った住宅塗装の方法には、主に次の3種類があります。

  • 光触媒塗料の塗装
  • 光触媒コーティング液剤の塗装
  • 光触媒スプレーによる塗装

それぞれの塗装方法で一長一短がありますし、たくさんのメーカーがあり、効果の高さや耐久性は、使用されている成分の種類によって異なります。

この記事では、それぞれの方法の特徴を解説するので、適切な塗装方法をお選びください。光触媒塗料の選び方を間違うと、光触媒の効果がまったく得られないこともあるからです。

光触媒を使った住宅塗装をお考えの事業者様はもちろんのこと、住宅のオーナー様ご自身で光触媒を塗装したいと思っている方は、しっかりとお読みください。

光触媒塗料

光触媒塗料

光触媒塗料とは、ペンキのような顔料の入った塗料に光触媒成分が加えられたものです。添加されている光触媒成分は、酸化チタンであることが多く、主に外壁用の塗料として市販されており、一般の人でも購入ができます。

塗装できる色が限定される

塗装面には、加えられている顔料の色が付くので、いろいろな色から自分が望む色を選びます。しかし、光触媒塗料の色の種類は、一般的なペンキなどの塗料と比べて圧倒的に少ないため、希望の色が見つかるかどうかは分かりません。

光触媒塗料を塗ると下地を覆ってしまうので、下地の色合いや質感を活かしての塗装はできません。

後ほどご説明しますが、添加されている多くの顔料は有機成分なので、光触媒によって分解され、外壁塗装では2~3年ほどで色あせが起こることが多いです。

手軽に塗装できるが塗装場所が限定される

ペンキと同じように塗装ができるので、一般用としても市販されているハケやペイントローラーで手軽に塗装ができ、部分的な塗装もしやすいことが特長です。施工は、外壁の高いところは施工業者に依頼することになりますが、低い箇所は一般の人でも塗装が可能です。

室内にも塗装ができますが、ほとんどの製品において酸化チタンが用いられているため、室内の光では触媒の効果が出ません。塗料に使用されている光触媒成分が何かをしっかり確認し、室内でも利用できる成分を選ばないとクレームになることが多いと思います。また、ペンキのような塗料なので、室内に塗装できる箇所にも限界があります。

ちなみに、室内でも効果のある光触媒成分のことを、可視光応答型光触媒といいます。その成分で、市販されているものは、次の3種類です。

  1. 銅ドープ酸化チタン
  2. 窒素ドープ酸化チタン
  3. 酸化タングステン

外壁塗装での劣化の問題

さらに、外壁塗装で利用する場合にも、塗料選びで注意が必要です。なぜなら、光触媒は日光が当たると強力に触媒の効果を発揮し、塗料自体の有機成分を分解するからです。

塗料の接着剤(バインダー)に有機成分を使っていたら、塗装された塗料の劣化が早まり、白い粉が吹き出したようなチョーキングという現象が発生します。また、顔料に有機成分を使っている場合は、色あせします。

近年では、大手メーカーの光触媒塗料にて、外壁塗装の色あせが問題となり、光触媒塗料から撤退していった企業もあります。

このようなことから、光触媒塗料を選ぶ場合には、塗料に含まれている成分の知識を持って慎重に選ぶ必要があるので、一般の方でも簡単に購入できるかもしれませんが、おすすめできません。

光触媒コーティング液剤

光触媒コーティング液剤

光触媒コーティング液剤とは、水のような液剤に光触媒成分が溶け込んだ塗料です。基本的に業務用として売られているので、一般の人は購入がしにくいですが、Amazonや楽天市場などで一般の人でも購入ができる製品があります。

光触媒コーティング液剤の特徴

光触媒コーティング液剤には接着成分(バインダー)が含まれているので、光触媒成分が塗装面に強固に定着します。弊社の光触媒コーティング液剤であれば、10年~20年ほどの耐久性があります。

光触媒コーティング液剤の塗装は、専用の塗装機械とスプレーガンを使って、吹き付け塗装をします。そのため、塗装は専門業者に依頼することになり、部分的な塗装や住宅のユーザー様ご自身での塗装は現実的ではありません。

別の液剤メーカーの話ですが、ネット通販で購入した光触媒コーティング液剤をハケで塗った一般ユーザーの方が、「塗装したところがシミになってしまった」と感想を述べている方もいました。ハケで塗ると塗装し過ぎてしまって、見栄えが悪くなります。

光触媒コーティング液剤は、専用の塗装機材を使って正しく塗装すると、塗装面に透明な塗装、クリア塗装ができます。そのため、下地の質感や色合いをそのままに光触媒の機能を付与することができます。

塗装箇所に応じて液剤を正しく選ぶと、ほぼ何にでも塗装ができ、室内でも効果を発揮する液剤がありますから、高い効果が得られます。

業者に依頼するので施工費用が高くなりますが、こういったことからも、光触媒コーティング液剤の利用が、もっともお客様の満足度が高いです。

光触媒コーティング液剤に使用される光触媒成分の種類

光触媒コーティング液剤に使用される光触媒成分の種類には、次の2種類があります。

  • 紫外線応答型光触媒(酸化チタン)
  • 可視光応答型光触媒(銅ドープ酸化チタン、窒素ドープ酸化チタン、酸化タングステン)

紫外線応答型光触媒とは、紫外線に反応して触媒の効果を発揮する成分です。主に酸化チタン光触媒がそれに該当します。紫外線が当たる場所は直射日光が当たる屋外ですから、主に屋外用の光触媒コーティング液剤に利用されます。

可視光応答型光触媒とは、紫外線だけでなく蛍光灯やLED照明といった屋内の光にも反応して触媒の効果を発揮する成分です。室内の住宅塗装をお考えの場合には、可視光応答型光触媒を利用した光触媒コーティング液剤を用いなければ、除菌・消臭の効果がありませんので、ご注意ください。

可視光応答型光触媒にはいろいろな種類があり、市販されている成分は、光触媒塗料のところでもご紹介した3種類です。

  1. 銅ドープ酸化チタン
  2. 窒素ドープ酸化チタン
  3. 酸化タングステン

これらの中で、室内の光で最も効果の高い成分が、銅ドープ酸化チタンです。防カビ目的で室内を住宅塗装したい場合には、高い抗菌性が求められるので、銅ドープ酸化チタンを用いることが必須となります。

光触媒スプレー

光触媒スプレー

光触媒スプレーは、光触媒成分が入った液剤をスプレーするものです。ガスの勢いで拭き出すスプレー缶と、指でポンピングするスプレーボトルタイプのものがあります。

光触媒スプレーの購入は、ネット通販で気軽にできます。

光触媒スプレーの多くの製品には、接着成分(バインダー)が含まれていないので、光触媒成分が塗装面に定着することはありません。ですので、指で触ったら光触媒成分が落ちてしまうほどの耐久性の弱さがデメリットです。

また、あまりにも種類が多いので、どの商品を選んだら良いのか判りにくいと思います。レビューを見ても参考になりにくい場合もあります。

光触媒スプレーは手軽に利用できるものの、このように光触媒成分が定着しないので、光触媒スプレーを使って除菌・消臭をしたい場合は、塗装の頻度が多くなります。そういった手間もあります。

そのような手間がかかるものの、価格が圧倒的に安いので、光触媒スプレーを利用する人は多いと思います。

光触媒スプレーを選ぶと良いと思われるのは、次のような場面になります。

  • 臭いが気になるときに部分的に消臭したい場合
  • 耐久性は求めないが、部分的に光触媒をクリア塗装したい場合
  • 手軽さや価格の安さを求める場合

ただし、室内で使用する場面が多いので、可視光応答型光触媒を使った光触媒スプレーを選ぶことは、述べるまでもありません。もし防カビをも考慮するのであれば、抗菌力の高い銅ドープ酸化チタンを使ったものを選ぶ必要があります。

以上、光触媒を使った住宅塗装の種類を解説いたしました。「どのメーカーのものが良い」というわけではなく、どの場所に、どのような成分を用いるのかによって効果の高さや耐久性が異なります。

弊社は、光触媒コーティング液剤と光触媒スプレーを製造しているメーカーです。光触媒コーティング液剤の住宅塗装ことなら、弊社もしくは弊社の光触媒製品を扱う施工代理店まで、お気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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