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高級車の消臭・抗菌コートに採用された光触媒コーティング剤の事例

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高級車の消臭・抗菌コートの純正品に採用された光触媒コーティング剤の事例

自動車の車内の掃除は、掃除機でゴミを吸い取ったり、マットを洗浄したりする程度です。

長時間着ている服は洗濯しますが、長時間座って運転している自動車のシートは洗浄ができません。

車内で食事をしたときに、食べ物や飲み物をこぼしてしまうこともあります。

そういったことが重なって、車内に臭いが漂っていることがあります。臭いの元は雑菌の繁殖です。エアコンをかけるときに内気循環にしていると、臭いがこもってしまいます。

車内の消臭方法としては、芳香剤や消臭剤を置いたり、消臭スプレーをしたりしますが、効果は一時的なものです。

臭いの根本的な対策として、消臭・抗菌コートがあります。弊社は、光触媒を使った消臭・抗菌コートを開発しました。それが、この記事で解説する車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)です。

この製品は、大手自動車メーカーから販売されている有名な高級車の純正品として採用されて20年以上の実績があります。

以下、車内に光触媒コーティングするメリット、車内で酸化チタン光触媒は効果がない理由、大手自動車メーカーの高級車に選ばれた経緯、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工方法などを解説します。

車内に光触媒の消臭・抗菌コートをするメリット

最初に、車内に光触媒の消臭・抗菌コートをするメリットを解説いたします。

光触媒コーティングとは?

光触媒コーティングは、光触媒成分を持った成分を車内のシートや天井、床マットなどにコーティングする施工のことです。

光触媒には、光エネルギーを受けると表面にOHラジカルやスーパーオキシドアニオンという活性酸素を発生させる性質があります。OHラジカルは、臭いの元となる雑菌や臭いの成分を強力に酸化分解してくれる性質があります。

車内に光触媒コーティングをすることによって、それらの臭いを防止してくれます。雑菌をも分解してくれるので、抗菌にもなります。

光触媒コーティングするメリット

芳香剤や消臭剤を車内に置くことでも、消臭ができますが、それは香りで、いやな臭いをごまかしたり、臭い成分を包み込んだりするものが多いです。臭い成分を元から分解できるものは、あまりありません。

また、次亜塩素酸といった消臭スプレーを利用することもあるかもしれませんが、次亜塩素酸は揮発性があるので車内に置いておくと、成分が変性してしまって効果が薄れてしまう恐れがあります。

それに対して光触媒コーティングであれば、臭い成分の分解はもちろんのこと、臭いの発生源となる雑菌をも分解してくれるので、根本からの消臭が可能です。

また、光触媒成分によっては、新車特有の揮発性有機化合物(VOC)をも分解してくれるので、新車特有の化学物質の臭いを抑えられます。弊社が開発した車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、もちろんVOCも強力に分解する光触媒成分を使用しています。

そのため、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、VOCに対するアレルギーをお持ちの方にも、ご好評いただいています。

車内で酸化チタン光触媒は効果がない理由とは?

さて、光触媒成分によっては、VOCをも分解できることを述べましたが、反対に自動車の車内ではまったく消臭・抗菌効果のない光触媒成分もあります。その代表的な成分が、酸化チタン光触媒です。

自動車ガラスは紫外線を遮断する

酸化チタン光触媒は、抗菌や消臭でとても効果の高い成分であることが知られていますが、高い効果を発揮するためには条件があります。それは、紫外線が当たることです。

酸化チタン光触媒は、紫外線が当たることによって高い抗菌・消臭効果を発揮するのです。紫外線が当たらない場所では、効果がまったくありません。

ここで自動車の窓ガラスについてお考えいただきたいと思います。自動車の窓ガラスは、すべてUVカットガラスが用いられています。UVとは紫外線のことです。紫外線を通過させない窓ガラスが利用されています。

つまり、酸化チタン光触媒コーティングは、車内の消臭・抗菌に不向きです。

紫外線でなくても光触媒の効果を発揮する成分とは?

自動車の窓ガラスは紫外線を遮断してくれますが、他の波長の光は入ってきます。その光で、光触媒の効果を発揮する成分でコーティングしたら、消臭・抗菌コートになります。

その成分でおすすめなのが、「銅ドープ酸化チタン」という成分です。

この成分は、弊社が「酸化チタンが紫外線以外の光でも、強い光触媒活性をする方法は無いだろうか?」と研究を重ねて、世界で初めて発見した成分です。しかも、この成分にはナノサイズの酸化銅が含まれており、この成分によって真っ暗な場所でも消臭・抗菌効果を発揮してくれることが分かりました。

昼間の光でも強い光触媒の効果を発揮することや、夜間でも効果があることによって、他の光触媒成分と比較して、自動車の室内で数倍もの消臭・抗菌効果を発揮することが分かりました。

大手自動車メーカーの高級車の
消臭・抗菌コートに選ばれた経緯

弊社が銅ドープ酸化チタンを発明し、室内用光触媒コーティング剤を開発したときに、とある商社がそれを大手自動車メーカーに紹介しました。その大手自動車メーカーでは、当時海外で販売していた高級車を日本でも販売する予定でした。

その高級車には、エンジンや車体はもちろんのこと、内装パーツやサービスまで、あらゆるもので、最高のものを採用する方針が出されていました。そして、車内の消臭・抗菌コートも同様に、世界で最高の性質を持つものを採用する予定でした。

高級車開発の担当者様は、国内外からいろいろな消臭・抗菌コート剤を仕入れて試験されたと聞きます。そして、それらの消臭・抗菌効果の高さ、耐久性、塗装の可否など、さまざまな点を調査されたと思います。

その結果、弊社製品をご紹介くださった商社から、「御社の銅ドープ酸化チタンが採用された」とご連絡をいただきました。

大手自動車メーカーには、グループ会社の研究所で、銅ドープ酸化チタンとは異なる方法での可視光応答型酸化チタンを開発していました。もちろんその製品も試験されたと思います。しかし、弊社の製品の効果の高さを認めていただき、グループ会社の製品ではなく弊社製品を採用されたことに対して、とても理念に忠実な商売をされているのだと感じました。

自動車専用の光触媒コーティング剤と塗装方法の開発

室内用光触媒コーティング剤は、もともと住宅の室内に塗装することを想定して開発されたものです。ですので、そのままでは車内に利用できないことが判明しました。

その理由は、塗装面の色の違いにあります。住宅室内の壁紙はたいてい白いのですが、そこに光触媒コーティングをすると、酸化チタン特有の白色っぽい色が目立ちにくいのです。ところが、自動車の車内の色は黒色が基調色ですし、光沢のある個所に塗装するとまだら模様が出てしまうこともあります。

そのため、黒色の車内に塗装しても酸化チタンの色が目立たず、さらには光沢のある個所に塗装してもまだら模様が出ない、完全なクリア塗装ができる塗料を開発しなければいけませんでした。

弊社でさまざまな光触媒コーティング剤を試作し、試験を繰り返した結果、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)が完成し、同時に塗装方法も確立しました。そのことを大手自動車メーカーにお伝えしたところ、正式に純正品として採用されるに至りました。

それ以降、すでに20年以上経過していますが、弊社の車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)が未だに採用され続けていることを鑑みると、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)が今現在も車内用の消臭・抗菌コートとして最も優れており、その性能を超えるものは市販されていないことを意味します。

車内の消臭・抗菌コートなら
車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)

最後に、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の成分や施工方法、ご購入方法などを解説いたします。販売単位は、1L単位です。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の成分

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の成分は、次の表の通りです。

光触媒酸化チタン(アナターゼ)
接着剤(バインダー)酸化チタン(アモルファス)
その他銅、界面活性剤、水、その他

光触媒成分として、酸化チタン(アナターゼ)を使用しています。アナターゼとは、酸化チタンの結晶構造の名称です。この結晶構造の酸化チタンがもっとも光触媒の効果が高いことで知られています。

接着剤(バインダー)とは、光触媒成分を塗装面に定着させるための成分です。酸化チタン(アモルファス)とは、非結晶の酸化チタンです。非結晶の酸化チタンは光触媒の効果がほとんど無いのですが、塗装面に強固に定着する性質があります。また、酸化チタン(アナターゼ)の光触媒効果によって分解されない成分です。

そのような効果によって、光触媒に酸化チタン(アナターゼ)を、バインダーに酸化チタン(アモルファス)を使用する組み合わせが、もっとも耐久性が高くなります。

その他の成分として、銅が入っています。これは、酸化チタン(アナターゼ)に担持させる、ナノサイズの酸化銅です。界面活性剤は、プラスチックに酸化チタン(アモルファス)が定着しやすくするために微量に添加しています。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工方法

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の施工方法は、次の手順で行います。

  1. 車内の清掃
  2. 車用プライマー(ASR02-C)の塗装
  3. 乾燥
  4. 車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装
  5. 乾燥

新車に塗装する場合は、清掃は必要ありません。

車用プライマー(ASR02-C)は、光触媒による塗装面の劣化を防止するために、先に塗装する保護剤です。自動車のシートはプラスチックでできていますが、プラスチックは有機物ですので、光触媒によって劣化します。ましてや、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は銅ドープ酸化チタンという強い光触媒効果を持った製品ですので、プライマーの塗装は必ず行ってください。

車用プライマー(ASR02-C)と車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装量の目安は、1Lに対して、50m2です。1Lでハイエースでしたら1台分、ミニバンでしたら1.5~2台分ほど、軽自動車でしたら3台ほどです。

車用プライマー(ASR02-C)や車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装には、専用の塗装装置を用いたり、不織布にしみ込ませて塗布したりします。施工方法の詳細は、車用光触媒コーティング剤BXR02-Cの塗装方法や注意点をご覧ください。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)が塗装できる箇所

塗装できる箇所

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、室内のいろいろな機材に塗装ができます。

  • シート、チャイルドシート
  • 天井や床
  • フロアマット
  • シートベルト
  • ハンドルやシフトノブなどの操作機器
  • ダッシュボード
  • 光沢のある木製パネル
  • エアコンフィルター

銅ドープ酸化チタンを用いているので、エアコンフィルターのような暗所でも、消臭・抗菌効果があります。なお、エアコンフィルターには、車用プライマー(ASR02-C)を先に塗装する必要はありません。

塗装できない箇所

塗装できない箇所、塗装してはいけない箇所は次の通りです。

  • 窓ガラス
  • 自動車のボディなどの外回り

窓ガラスは、光触媒コーティングをしてしまうと、酸化チタンの光の屈折による虹色のまだら模様が出てしまい、自動車の運転に支障をきたす可能性があるので、禁止とします。自動車のボディも同様に、自動車の持つ美しい色合いを損ねてしまう可能性があったり、塗装を劣化させてしまったり、水が弾かなくなり、ワックスとも相性が悪いので、塗装しないようにしてください。

こういった自動車や車両にもおすすめ

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)は、弊社が把握しているところでは、次のような箇所での利用された、もしくは利用されている実績があります。

  • 大手自動車メーカーの高級車
  • ホテルや病院などの送迎バス
  • タクシー
  • 電車

これら以外の場所でも、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装をご検討ください。

  • キャンピングカー
  • トラック
  • ショベルカーやクレーンなどの重機の操縦席
  • 寝台車両

キャンピングカーのシャワー室の防カビには、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の方が効果的です。

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の購入方法

車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の購入方法ですが、この製品は業務用ですので、弊社の施工代理店、もしくや販売代理店にのみ販売している製品です。販売単位は、1L単位です。

この製品の施工には技術や知識を要するため、販売を制限させていただいています。この製品をご購入になられたい方は、弊社の施工代理店や販売代理店になっていただくか、もしくは弊社の施工代理店や販売代理店からご購入ください。

弊社施工代理店になる方法は、光触媒コーティング剤の塗装装置をそろえていただき、弊社の光触媒コーティング施工講習会にご参加ください。一定の施工技術を習得された方が所属する組織を、施工代理店に認定しています。詳しくは、光触媒コーティング施工代理店募集のご案内をご覧ください。

自動車のユーザー様で、車用光触媒コーティング剤(BXR02-C)の塗装をご希望の方は、弊社もしくは弊社施工代理店までご相談ください。自動車の車内に光触媒コーティングに対応している施工代理店一覧は、自動車内装の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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