コンクリート壁の地下室に入ると、少しひんやりとして、湿気が漂っています。半地下も同様です。
そのため、地下室は常に換気をしていないと、湿気がたまって、すぐに壁面や天井にカビが発生します。
コンクリート壁の地下室がカビ臭くなってきていたら、確実にカビが繁殖していると考えて、間違いありません。
この記事では、コンクリート壁の地下室のカビ防止に、効果の高い光触媒成分と、その成分を使った光触媒コーティングを解説します。
コンクリート壁の地下室で、カビ防止をお考えの方は、ぜひ地下でもカビ防止効果の高い光触媒コーティングをご検討ください。
カビ防止ができる光触媒とは?
光触媒とは、光エネルギーを受けることで、触媒効果が出る物質のことです。
光触媒がカビを防止するメカニズム
光触媒コーティングがカビ菌を除菌するメカニズムを解説したいと思います。次の図をご覧ください。
光触媒は、光エネルギーで励起電子が発生し、空気中の水分などと結びついて、OHラジカルという活性酸素を発生させます。OHラジカルは、強い酸化力を持つので、カビ菌や胞子を殺菌する性質があります。
一般的なカビ防止剤やオゾン脱臭などでは、一時的にカビ防止ができますが、すぐにカビの臭いが出てくることがあります。光触媒だと、触媒効果によるカビ防止ですので、効果が持続します。
地下室で光触媒が活性化するのか?
地下室は、いつも電気が点灯しているわけではありません。光触媒は光エネルギーが当たることで、カビ防止効果を発揮するわけですから、「光の無い地下室では、カビ防止効果が発揮されないのでは?」と考えられた方もいらっしゃることでしょう。
その通り、一般的な光触媒成分であれば、光が当たらないと、カビ防止効果を発揮しないのです。
半地下は、部屋の上側に小さな小窓がある部屋もあり少し外の光が入ることもありますが、その程度ですと光量が少ないです。
そのようなことから、地下室や半地下では、光触媒による防カビは有効でないように思えてきます。一般的な光触媒成分であれば、ほとんど効果がありません。
ところが、数ある光触媒の中でも、一種類だけ光が当たっていなくても、触媒効果を発揮する成分があるのです。
その成分は、銅ドープ酸化チタン光触媒です。
暗所でもカビ防止ができる銅ドープ酸化チタン光触媒
銅ドープ酸化チタンは、光が当たればもちろん光触媒としてのカビ防止効果が出るのですが、光が当たっていなくても、ナノレベルの酸化銅の触媒効果によって、カビ防止効果を発揮します。カビ防止効果は、光が当たっているときの方が、効果が高いのですが、光がなくても効果を発揮します。
普段使用しない地下室では、電灯を点灯させることはありません。そのような部屋では、一般的な光触媒ではカビ防止効果はまったくありませんが、銅ドープ酸化チタンでしたら暗所でもカビ防止効果があります。
地下室のコンクリート壁のカビ防止に最適な
光触媒コーティング塗料
地下コンクリート壁のカビ防止塗料として最適な光触媒コーティング塗料は、銅ドープ酸化チタン光触媒を使用したものです。そして、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング塗料は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
市販されている光触媒コーティング塗料では、蛍光灯やLED照明が点灯しているときであれば、カビ防止効果を発揮するものもありますが、消灯してしまったら効果はありません。
地下室では、照明を点灯している時間が短いことを考えると、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使用すべきです。
光触媒コーティング塗料の成分は、光触媒成分、接着剤(バインダー)成分、その他の成分と3種類に分けられます。それぞれの成分は、次のものを使用しています。
光触媒 | アナターゼ型酸化チタン |
接着剤(バインダー) | アモルファス酸化チタン |
その他 | 銅、水 |
アナターゼ型酸化チタンは、アナターゼと言われる結晶構造をした酸化チタンです。酸化チタン光触媒は、一般的にアナターゼ型が使用されます。
接着剤(バインダー)とは、光触媒成分を塗装面に固定するための接着剤です。その成分には、アモルファス酸化チタンが使用されています。アモルファスとは、非結晶のことです。
アナターゼ型酸化チタンは光触媒としての性質を持っていますが、アモルファス酸化チタンは光触媒としての効果はありません。どちらも同じ酸化チタンですので、アモルファス酸化チタンはアナターゼ型酸化チタンの光触媒効果によって分解させることがありません。そのため、光触媒の効果が長く持ちます。
その他の成分には、銅と水が使用されています。銅は、アナターゼ型酸化チタンに担持させています。水は、酸化チタンや銅の成分を混ぜて、塗装しやすくするもので、イオン交換水を使用しています。
どの成分も無機成分で、身体に無害の成分です。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工方法
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)でコンクリートをカビ防止施工する手順は次の通りです。
- コンクリート壁を掃除
- 非塗装部に養生
- 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装
1.コンクリート壁を掃除
まず、コンクリート壁を掃除します。ホコリなどが付いていたらそれを落とします。掃除の方法は、ウエスなどで水拭きをします。もしコンクリート壁にカビが発生している場合は、コンクリートのカビ取り剤を利用します。カビ取り剤を使用したら、コンクリートに付着したカビ取り剤も取り除いてください。
もしホコリが付着していたら、ホコリの上から光触媒コーティングをすることになり、ホコリが落ちるときに、光触媒コーティングも落ちてしまうからです。また、カビが残っている状態で塗装をすると、カビが消えることがありません。
2.非塗装部に養生
光触媒コーティング塗料が掛かってはいけない場所、例えば半地下での窓ガラスや、電気機材、棚や荷物などに養生シートをかぶせます。
養生は、市販のビニールシートや養生テープなどを利用します。
3.屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装
次に、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装します。塗装方法は、専用の塗装機械とスプレーノズルを用います。
専用の塗装機械には、ABAC温風低圧塗装機をおすすめします。スプレーノズルは、ノズル口径がφ0.3mm~φ0.5mmの小口径のものを利用してください。
塗装が完了したら、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が乾燥するまで換気扇を回しておきます。
光触媒による地下コンクリート壁のカビ防止なら
イリスにお任せください
地下室や半地下のコンクリート壁のカビ防止をお考えの方は、ぜひ弊社の光触媒コーティングをご検討ください。銅ドープ酸化チタン光触媒をコーティングすることで、明かりを点灯したときのみならず、暗闇の中でもカビ防止効果があり、条件によっては10年以上地下のカビやカビの臭いを除去できます。
施工のご依頼は、弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店にご相談ください。施工代理店一覧は、室内の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。
地下室や半地下のカビ防止のご相談をお待ちしております。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。