ホテルを利用されるお客様は、客室に入った瞬間に臭いがあれば、不快に感じます。
弊社は、佐賀県の企業ですから、全国を駆け回っていますが、私の経験では、客室の臭いが気になるホテルは、めったにありません。
しかし、稀に客室が臭っているホテルがあります。
とある有名な温泉地のホテルに宿泊したところ、部屋がカビの臭いがして、困ったことがありました。
私が泊まったホテルの部屋は幸運です。私は、いつも自社開発した光触媒の除菌・消臭スプレーを所持しているので、カビやタバコの臭いを消臭してから寝ることにしています。
私が持っているこの光触媒の除菌・消臭スプレーは、カビやタバコの臭いだけではなく、ホテル客室のいろいろな臭いを消臭し、除菌もしてくれます。
この記事では、ホテル客室の臭いが気になっている方に向けて、ホテル客室が消臭できる光触媒成分や、その成分を使った光触媒コーティング剤の魅力を解説します。
ホテル客室を光触媒コーティングで消臭したいと思われた方は、ぜひ弊社までご相談ください。
ホテル客室の臭いが与える経済的損失
ホテル客室の臭いは、ホテルの清掃をされている方は敏感に感じるように、指示されていることと思います。しかし、いくら掃除をしても臭いが消えない客室もあります。先ほどのカビの臭いがしていた部屋もそうだったと思います。
ホテル客室に臭いがあったら利用者が思うこと
ホテル客室に入り、部屋に臭いがあったらまず思うことは、「失敗した」ということです。
出張でホテルを利用したときは、部屋には、夜8時前後、外で飲み会があったら10時頃に入り、そして朝8時頃までいます。長ければ12時間ほどいるわけですから、気になる臭いがあれば、12時間もその臭いと付き合うはめになります。
ホテル客室に臭いがあれば、利用者は「二度と利用しない」と思うことが大半のことと思います。
とある温泉地に出張したときに、地元で採れたお魚の料理がおいしく、接客がとても良いホテルでしたが、唯一ホテル客室のカビ臭さだけが我慢できませんでした。客室がカビ臭かったら、他のサービスが如何によくても、「二度と泊まらない」と考えます。
ホテル客室の主な臭いは、タバコの臭い、カビの臭い、そして床やマットレスなどの繊維から出てくる何とも言えない臭いです。これらの臭いがあれば、利用者はかなり気になるものです。
普段、部屋を掃除して、消臭スプレーをしていても、消臭スプレーの効果が切れてきたら、これらの臭いが出てきます。オゾン脱臭をしても、その効果が一時的なことにガッカリされた方もいらっしゃることでしょう。
ホテル客室の臭いを消臭すべきか?
ホテル客室の臭いは、消臭すべきかどうかですが、もちろん消臭すべきです。
今現在では、SNSでホテルの情報がリアルタイムで伝わる時代です。部屋に臭いがあれば、すぐさま「ホテル客室が臭い」とSNSで投稿する人が出てきます。
ホテル客室の臭いが、清掃員にとって許容範囲であったとしても、利用者の主観的な臭いの判断によって、部屋が臭いかどうか決まります。そして、臭いと判断されたらSNSでアップされ、人気が下がっていく場合があります。
ホテル客室の臭いには過敏なくらいになった方が良いと思います。
市販の消臭スプレーで消臭ができるのか?
市販されている消臭スプレーの中には、香りで臭いをごまかして消臭したように見せかけるものが多いと思います。「香りを包んで消臭」というものもありますが、効果は一時的です。
もちろん、そのような消臭スプレーの多くは、根本的な消臭はできません。
根本的な消臭とは、臭いの成分ではなく、臭いの発生源となる元から消臭をすることです。市販の消臭スプレーでは、根本的な消臭ができないことは、もうお分かりのことでしょう。
部屋に消臭スプレーが置いてあり、「ホテル客室の臭い対策は、お客様が自己責任で行ってください」と言わんばかりの対応をしているところもあります。サービスとしては良いと思いますが、根本から消臭することをおすすめします。
光触媒がホテル客室の臭いを根本から消臭するメカニズム
臭いの根本原因の消臭が大事であることを述べましたが、根本的な消臭ができる消臭剤として、光触媒をおすすめします。
光触媒は有機物を分解する性質があり、臭いの発生源である有機物を分解することができます。例えば、カビ臭に対しては、光触媒はカビ菌そのものを分解して殺菌してくれます。
光触媒がホテル客室の臭いを根本から消臭するメカニズムを、次の図で解説いたします。
例えば、ホテル客室の壁面に光触媒コーティングをしたとします。壁面の表面に、光触媒コーティング層ができます。
左の①をご覧ください。そこにある光触媒が、光エネルギーを受けると、OHラジカルやスーパーオキシドアニオンという活性酸素を発生させます。
中ほどの②をご覧ください。OHラジカルは、カビ菌などの微生物や微細な有機物を強力に酸化させる性質を持っているので、臭い成分やカビ菌に触れると、それらを酸化させて分解します。
そして右の③ですが、臭い成分やカビ菌が分解されて、消臭・除菌ができます。壁にしみ込んでいる臭いが壁の外に出ようとしても、その成分も消臭されます。
このように、光触媒によってホテル客室の消臭・除菌ができるわけですが、光触媒であればどのような成分でも良いわけではなく、種類によっては消臭効果がまったく得られないものもあります。ですので、どのような光触媒成分をホテル客室にコーティングするかが重要になります。
光触媒コーティングを導入しようとご検討されている方は、このことを、よく覚えておいてください。
ホテル客室の消臭が可能な光触媒成分とは?
光触媒成分には、いろいろな種類があります。まず、ホテル客室の消臭に効果の無い成分から解説します。
酸化チタン光触媒はホテル客室内だと消臭効果がゼロ
成分によっては、ホテル客室ではまったく消臭効果のないものがあります。その代表例が酸化チタン光触媒です。
酸化チタン光触媒は、紫外線が当たると高い光触媒活性を示します。反対に、紫外線が当たらなければ、光触媒活性を示さないので、消臭効果がまったく出ません。
ホテル客室は、蛍光灯かLED照明が使用されていますが、それらの照明からは紫外線がほとんど出ていないので、酸化チタン光触媒が活性化しないのです。つまり、ホテル客室では、酸化チタン光触媒コーティングは消臭効果が無いのです。
一般的な可視光応答型光触媒だと消臭効果が弱い
ホテル客室で光触媒効果が出る成分は、可視光応答型光触媒と言われる成分です。可視光とは、蛍光灯やLED照明のように、人の目で見える光のことです。そのような光でも光触媒効果を発揮する成分を用いないといけません。
一般的に利用されている可視光応答型光触媒は、酸化タングステンです。酸化タングステンは、青色の光が当たることでも光触媒活性を示します。
ところが、酸化タングステンは確かに可視光でも光触媒活性を示すものの、その効果が弱いことが知られています。
弊社製品を扱っている施工代理店から聞いた話ですが、「以前に、他メーカーの酸化タングステンが主成分の光触媒コーティング剤を利用していたが、1年もしないうちに多くのお客様から『カビが発生した』とクレームがあり困った」とおっしゃられていました。
酸化タングステン光触媒コーティングをPRしている資料を見ると、酸化チタン光触媒と比較しているものもありますが、酸化チタンはもともと室内では効果が無い成分ですので、そのような成分と比較したところで、酸化タングステンの効果を証明するものにはなりません。
光触媒コーティングは、実績のある成分を選んだ方が良いと思います。
おすすめ成分は「銅ドープ酸化チタン」光触媒
ここで「可視光応答型光触媒の中で、最も効果の高い成分は何か?」ということですが、それは銅ドープ酸化チタンです。銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンに銅を添加した成分です。
酸化チタンだけでは紫外線にしか反応しませんでしたが、銅ドープ酸化チタンは可視光にも反応し、しかも高い光触媒効果を発揮します。銅ドープ酸化チタンなら、ホテル客室を強力に消臭してくれます。
銅ドープ酸化チタンには、もう一つ大きな性質があります。それは、「暗所でも消臭してくれる」という性質です。この性質には、銅ドープ酸化チタンを発明した弊社でも驚きでした。光触媒は光が当たることで消臭効果を発揮しますが、銅ドープ酸化チタンは暗所でも消臭効果を発揮するのです。
なぜ、銅ドープ酸化チタンが暗所でも消臭効果を発揮するのか、おそらくは添加しているナノサイズの酸化銅が、触媒の効果を発揮しているものと思います。
銅はもともと触媒としての性質を持っていますが、加熱しないといけませんでした。ところが、どうやらナノサイズの酸化銅は、高い触媒効果を発揮するようなのです。
銅ドープ酸化チタンは、そういった性質も加わって、蛍光灯やLED照明の元でも高い消臭効果を発揮しますが、暗所でも消臭してくれます。
銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤
蛍光灯やLED照明でも強い触媒効果を持ち、夜間でも消臭してくれる性質を持つ銅ドープ酸化チタンですが、それを使った光触媒コーティング剤は、弊社が世界で初めて製品化しました。その製品名は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
この製品は、クリア塗装ができます。クリア塗装とは、透明な塗装のことです。そのため、ホテル室内の壁紙や天井、マットレス、じゅうたん、机、カーテン、バスルームやシャワーカーテン、エアコンフィルターなどに塗装できます。
開発してから20年以上経過しますが、この製品よりも優れたものは、なかなか出てこないようです。さきほどご紹介した施工代理店様からは、「イリスのこの光触媒コーティング剤を室内の防カビで使うようになってから、クレームが無くなった」そうで、とても喜ばれています。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、銅ドープ酸化チタンを用いただけでなく、原材料は無機成分のみで製造されています。そのため、耐久性がとても高いのです。また無機成分のみですから、塗装箇所の防炎にも影響はありません。
光触媒コーティング剤の効果の持続期間は、一般的には1年~3年、長くても5年ほどのようですが、この製品は10年ほど効果が持続します。ですので、コストパフォーマンスがとても高いのです。この10年という期間は、加速試験ではなく実際に塗装して効果を確認した実際の期間ですので、消臭効果の持続期間の長さには自信があります。
ホテル客室の消臭効果が高くて、しかも耐久性が高いため、導入された方からは喜んでいただいています。
光触媒コーティングでタバコの臭いの消臭は可能か?
結論から述べますと、光触媒でタバコの臭い成分の分解はできますが、喫煙可能な客室でのタバコの臭いの消臭は、難しいです。
その理由は、光触媒でタバコの臭い成分が分解速度よりも、供給量の方が多いからです。
ですので、ホテル客室に光触媒コーティングしても、以前よりはタバコ臭が控えめになったように感じる程度になりますが、完全に消臭することは難しいです。
しかし、光触媒コーティングした壁面は、タバコによって茶色くなっても、光触媒によってタバコ成分が分解されているので、掃除がしやすくなります。
光触媒コーティング剤の施工方法
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の施工方法は、専用の塗装機械とスプレーガンを用い、施工の知識が必要なので、この製品を扱う施工業者にご依頼いただくことになります。
ホテルの内装を光触媒コーティングできる施工代理店一覧は、ホテル・旅館の光触媒コーティング施工代理店をご覧ください。
塗装機械のおすすめは、ABAC温風低圧塗装機です。光触媒コーティング剤は、水のようなサラサラした粘性ですので、低圧の空気を送り出すスプレーでないと、塗装し過ぎてしまいます。
また、スプレーガンにはφ0.3mm~φ0.5mmの小口径のノズルを用います。小口径のノズルを利用する理由も同様です。
正しく塗装することでクリア塗装ができ、10年以上の耐久性を実現することができます。
ホテル客室以外の場所の光触媒コーティング施工
さて、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)はホテル客室以外にも、いろいろな場所に利用できます。
例えば、ホテルの北側にある外壁です。そこはジメジメしている箇所ですので、コケやカビが発生して、ホテルの景観を損ねてしまう場合があります。そういった場所のコケ防止や防カビに、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が活躍します。
また、厨房やレストランなどの防カビや除菌にも屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)が活躍します。一般的な可視光応答型光触媒と比べて、夜間にも防カビ・除菌効果を発揮します。
ホテルでは食中毒を出してしまったら存続が危ぶまれるくらいのニュースになりますが、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)でより衛生面に配慮した厨房やレストランの空間づくりができます。
以上、ホテル客室の消臭に最適な光触媒塗料として、銅ドープ酸化チタンを解説しました。また、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤やその施工方法を解説しました。
ホテルを経営されていて客室の臭いを消臭したい方は、ぜひ弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店までご相談ください。ご連絡をお待ちしています。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。