住宅の外壁にサイディングを採用している人は多いことでしょう。
サイディングはそのままにしておくと、少しずつ汚れがたまってきますし、ジメジメした場所ではカビやコケが生えてしまいます。
汚れやカビ、コケを防止してくれるコーティングが、光触媒コーティングです。
建材メーカーから、光触媒コーティングされたサイディングが販売されています。光触媒コーティングは永久的ではございませんので、いずれは塗り直しが必要となります。
サイディングに光触媒コーティングする理由
サイディングを光触媒コーティングすると、もしくは光触媒コーティングされたサイディングを採用すると、次の効果が得られ、メンテナンスの手間や費用を抑えることができます。
- 防汚
- 防カビ
- コケ防止
防汚は、汚れ防止です。サイディングは空気中の汚れが付着していきます。光触媒は、有機物を分解したり、親水性の効果があります。サイディングに付着した汚れを分解したり、親水性によって雨水といっしょに汚れを流れ落とすことができます。
光触媒によって、雨水によってサイディングの汚れが自動的に落ちていくわけですが、このような効果のことを「セルフクリーニング」といいます。
また、カビ菌や苔、それらの胞子は有機物です。有機物は光触媒の成分で分解されるので、サイディングにカビや苔が発生することを防いでくれます。
このようにして、光触媒コーティングされたサイディングは、汚れにくくなり、建物の景観を美しいままに保ってくれ、掃除の手間や塗装し直しのコストが削減できます。
サイディングの光触媒コーティングは
いずれ塗り直しが必要
サイディングの光触媒コーティングはいずれ塗り直しが必要となります。光触媒コーティングの耐久性や、選ぶべき薬剤、塗り直しのタイミングについて解説します。
光触媒コーティングの耐久性は?
サイディングに塗装された光触媒コーティング剤によって、光触媒の効果の持続期間が異なります。弊社の外壁用光触媒コーティング剤であれば、10~20年以上効果が持続します。
光触媒コーティングの効果の持続期間は、光触媒コーティング剤を選んだときや、サイディングを選んだときに説明があったと思います。
光触媒成分そのものの効果は半永久的です。しかし、酸性雨や使用状況などによって、光触媒コーティングが少しずつ落ちていくことがあり、いずれは光触媒コーティングの塗り直しが必要となります。
どのメーカーの光触媒コーティング剤を利用したら良い?
塗り直しをする際に使用する光触媒コーティング剤は、サイディングのメーカーの製品や初期に塗装したメーカーの製品を利用しなくてもかまいません。
塗装業者によっては、もしかしたら「他社メーカーのものを使用したら、サイディングを傷める」と言われるかもしれませんが、この記事を読み進めていただければ、別のメーカーの光触媒コーティング剤を利用したとしても、サイディングを傷めない正しい施工方法をご理解いただけることと思います。
塗装し直しのタイミングは?
光触媒コーティングの塗り直しのタイミングは、「汚れてきたらやりたい」と考えていただいてよいのですが、サイディングが汚れてしまったら、汚れをしっかり落とすために手間がかかってしまいます。そこで、最初の塗り替えのタイミングは、できれば耐久年数が来たら塗り直しをされた方が良いです。
耐久性の高い光触媒コーティングをしている場合は、サイディングに目地が使われている場合は、10年~15年でコーキングの交換(打ち換え)が必要になります。そのときに、外壁に足場を組みます。そのタイミングで光触媒コーティングをすると良いでしょう。
クリア塗装ができる光触媒コーティング剤を選ぶ
このときに選ぶべき光触媒コーティング剤は、屋外用のクリア塗装ができる光触媒コーティング剤です。
クリア塗装とは、透明な塗装のことです。光触媒塗料によってはペンキのように顔料が入っているものもあります。そういったものを塗装する方法もありますが、顔料が入ったものは、光触媒によって分解されて、色あせしやすいので、光触媒コーティング剤をクリア塗装することをおすすめします。
サイディングに光触媒をクリア塗装する方法
サイディングに光触媒をクリア塗装する方法は、クリア塗装ができる光触媒コーティング剤を選ぶこと、サイディングをよく洗浄すること、光触媒コーティング剤専用の塗装機器を用いることです。
それぞれご説明いたします。
クリア塗装でき、効果の高い光触媒コーティング剤を選ぶ
クリア塗装ができる光触媒コーティング剤を選ぶことで、サイディングの色味をそのままに透明な塗装ができます。
クリア塗装ができる光触媒コーティング剤は、粘性の低い透明な液体ですので、すぐに見分けがつくと思います。
光触媒コーティング剤には、顔料が入ったクリア塗装ができないものもあります。そういった製品は、光触媒の効果や耐久性が悪いものが多く、ジメジメしたところではカビやコケが発生してしまうこともあります。
弊社製品は、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。
サイディングをよく洗浄する
光触媒コーティング剤を塗装する前に、サイディングをよく洗浄することが大事です。サイディングが汚れていて、その上から光触媒コーティング剤を塗装すると、汚れが落ちるときにいっしょに光触媒も落ちてしまうからです。
光触媒コーティングの寿命を延ばすためにも、塗装前にサイディングをしっかりと洗浄してください。サイディングの洗浄では、高圧洗浄機を用いると便利です。
カビやコケが発生している箇所では、それらを落とす洗剤を持ちることもおすすめです。洗浄後は、洗剤もしっかり洗い流してください。
光触媒コーティング剤専用の塗装機械を用いる
光触媒をクリア塗装する場合、光触媒コーティング剤専用の塗装機械を用いることが大事です。弊社では、ABAC温風低圧塗装機と、口径φ0.3mm~φ0.5mmの小口径ノズルの組み合わせを推奨しています。
ABAC温風低圧塗装機のスプレーガンは、塗装時に噴霧した液剤を包むエアカーテンが出ているので、光触媒コーティング剤の塗着効率が70%程度と高く、光触媒コーティング剤の無駄を少なく、均一に塗装ができます。
また、サイディングの光触媒コーティング塗装では、風が吹いていると均一な塗装が難しいのですが、エアカーテンの効果で多少であれば風が吹いていても均一な塗装が可能です。
サイディングに光触媒コーティング塗装するときの注意点
サイディングに光触媒コーティングをするときに、クリア塗装の方法でご説明したこと以外にも注意点があります。
下地剤(プライマー)でサイディングを光触媒からの劣化を防ぐ
サイディングの種類は、セメントに繊維を混ぜて板状にしたものなどの窯業系、金属の板で作られた金属系、そして軽くて丈夫な樹脂系があります。それらの表面に塗料が塗られていることもあります。
塗料が塗られたもの、もしくは樹脂系のものは、光触媒によって劣化する恐れがあります。
特に、弊社の光触媒コーティング剤は効果がとても高いので、サイディングの表面の劣化を早めてしまう恐れがあります。
そこで、光触媒の劣化からサイディングを守るために、光触媒コーティングをする前に下地剤(プライマー)を塗装します。
プラマーは、光触媒によって分解されない無機成分を使った塗料です。プライマーを先に塗装しておくことで、サイディングの表面が光触媒によって劣化することを防いでくれます。
弊社製品は、屋外用プライマー(ASS01)です。
ジメジメした箇所のサイディングには屋内用光触媒コーティング剤を用いる
直射日光が当たるサイディングには、屋外用光触媒コーティング剤を用いることをおすすめします。しかし、直射日光が当たらない箇所では、光触媒の効果が著しく弱くなるので、汚れが目立ってしまうことがあります。
特にジメジメした箇所のサイディングは、カビやコケが発生してしまうこともあります。
そういった箇所のサイディングには、直射日光の強い光でなくても光触媒の効果を発揮する成分を使った光触媒コーティング剤を用いることが大事です。
その成分で最も効果の高いものは、銅ドープ酸化チタンです。弊社製品で、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)という名称の製品です。
名称が屋内用となっていますが、屋外のサイディングにもご利用いただけます。
以上、サイディングに光触媒コーティング剤をクリア塗装する方法についてご説明いたしました。
光触媒コーティングをクリア塗装するためには、クリア塗装ができる液剤を選ぶことと、専用の塗装機械を用いることが大きなポイントです。また、プライマーを用いて、サイディングの劣化を防ぐことも大事です。
新築戸建てを建てるときに、サイディングに光触媒コーティングを行っていたり、光触媒コーティングされたサイディングを採用されたりした方は、光触媒の耐用年数が来ましたら、ぜひ弊社の光触媒コーティングをご利用ください。
施工のご依頼は、弊社もしくは弊社製品を扱う施工代理店にご相談ください。施工代理店一覧はこちらのページです。
ご相談、ご依頼をお待ちしています。
この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。