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コンクリート打ち放しに光触媒コーティングする方法

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外壁のコンクリート打ちっ放しは、大気中や雨水の汚れが付着して汚れていってしまいます。また、日陰でジメジメした箇所では、カビや苔が発生しやすいです。

室内のコンクリート打ちっ放しでは、特に地下室では湿気によって部屋がカビ臭くなったり、カビが発生してしまって景観を損ねることもあります。

このようなことで景観が悪くなり、コンクリートを傷めてしまい、メンテナンスの費用がかかってしまいます。

こういったコンクリート打ちっ放しの劣化を防ぐ方法として、光触媒コーティングがあります。

この記事では、コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティングをする目的、光触媒とコンクリートの相性やデメリット、光触媒コーティング剤の選び方や塗装方法などを解説いたします。

コンクリート打ちっ放しに
光触媒コーティングをする目的は?

コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティングをする目的は、建物の外にある外壁と、室内のコンクリート打ちっ放しで異なります。

  • 外壁 ⇒ 防汚・コケ防止
  • 内壁 ⇒ 防カビ・防臭

外壁の防汚・コケ防止

外壁のコンクリート打ちっ放しは、大気中や雨水の汚れが付着しやすいので、それらで汚れていきます。また、地面に近いところや日陰になって湿っているところでは、苔が発生しやすい環境です。こういったものによって、外壁の汚れを防止するために、光触媒コーティングをします。

すると、建物の景観が良くなり、外壁の清掃頻度が下がるので、メンテナンス費用を削減できます。

汚れや苔をそのままにしていると、外壁を傷めてしまい、修理費が高くついてしまいます。最近では、いろいろなものの物価が上がってきているので、建物のメンテナンス費用を下げるためにも、光触媒コーティングがおすすめです。

内壁の防カビ・防臭

室内がコンクリート打ちっ放しになっている部屋では、コンクリートの湿気によってカビが発生し、部屋がカビ臭くなることがあります。特に地下駐車場などの地下室では、コンクリート打ちっ放しはカビが発生しやすいです。

カビが発生すると、黒い汚れが付着したようになり、見栄えが悪くなります。また、黒カビが見えなかったとしても、カビの胞子が部屋の中を飛び回って、カビ臭くなることもあります。

そういったカビの防止には、光触媒コーティングがおすすめです。

コンクリートと光触媒は相性が悪い

光触媒コーティングをしたときのメリットは魅力的ですが、コンクリートと光触媒は相性が悪いです。

その理由は、コンクリートは水分を嫌いますが、光触媒は水分と馴染む性質があるからです。光触媒コーティングをすることで雨水がコンクリート表面に馴染み、その水分がコンクリートにしみ込んで内部を傷めてしまい、コンクリートの寿命を縮めてしまう恐れもあります。

「光触媒でコンクリートが湿気たら、カビが生えてしまうではないか」と思われたかもしれませんが、ご安心ください。効果の高い光触媒コーティング剤を使えば、カビ菌を分解してくれるので、カビが繁殖することはありません。光触媒コーティング剤の効果については、後ほど解説いたします。

ともあれ、光触媒が水分を引き寄せて、その水分によってコンクリートが劣化する恐れがあるということは、大きなデメリットです。

光触媒のデメリットを克服する方法

もちろん、そのような光触媒のデメリットを克服する方法はあります。それは、コンクリート打ちっ放しと光触媒コーティングの間に、下地剤としてシリカ系のコンクリート保護剤「コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)」を塗装することです。この塗装方法については、後ほど解説いたします。

セラミックプライマーとは、セラミックの塗装剤です。セラミックはコンクリートと相性が良いので、よく付着します。そして、セラミックプライマーは水をはじく性質を持っているので、光触媒コーティングによって引き寄せられた水分が、コンクリートにしみ込むことを防いでくれます。

セラミックプライマーを塗装するだけでも、コンクリートの耐久性が高まるので、コンクリート打ちっ放しにおすすめの塗料です。

セラミックプライマーは水をはじく性質がありますが、光触媒コーティング剤は水分を吹き付けるようなものなので、光触媒コーティング剤をもはじいてしまうのではないかと心配になります。

そこはご安心ください。

弊社が開発した光触媒コーティング剤は、セラミックプライマーには塗装ができますし、実績も多くございます。

光触媒コーティング剤の選び方

外壁なのか地下室なのか、どこの場所のコンクリート打ちっ放しに光触媒コーティングをするのかによって、光触媒コーティング剤の種類を変える必要があります。なぜなら、屋内のコンクリート打ちっ放しに、外壁用の光触媒コーティング剤を使用すると、光触媒の効果がまったく出ないからです。

外壁のコンクリートは太陽光が当たるので、酸化チタン光触媒の性能が強く発揮されます。その理由は、太陽光に含まれる紫外線が酸化チタンを活性化させるからです。

ところが、部屋の中や地下室では、紫外線はほとんどありませんし、光が弱いところも多いです。そういった場所では、酸化チタン光触媒のみを主成分としたコーティング剤では、防カビ効果が出ません。

部屋の中や地下室では、屋内用光触媒コーティング剤を用います。

弊社が開発した屋内用光触媒コーティング剤の主成分は、銅ドープ酸化チタンと言われる成分です。この成分は、紫外線だけでなく蛍光灯やLED電球などの光にも光触媒の効果を発揮して、室内のコンクリート打ちっ放しの防カビ・防臭効果が出ます。

また、屋外でも日光が当たらないジメジメした場所では、酸化チタンのみの光触媒コーティング剤では、カビや苔が発生しやすいです。その理由は、室内と同様に紫外線量が少ないからです。そういった日光が当たらない場所にも、屋内用光触媒コーティング剤を用いてください。

施工方法

最後にコンクリート打ちっ放しに光触媒コーティング塗装をする施工方法を解説いたします。

光触媒コーティング塗装で使用する機材

光触媒コーティング塗装に最適なABAC温風低圧塗装機とスプレーガン

光触媒コーティング塗装で使用する機材は、光触媒専用の塗装機器とスプレーガンを用います。

弊社では、塗装機器にはABAC温風低圧塗装機を、スプレーガンにはノズル口径がφ0.3mm~φ0.5mmの小口径のものを利用することをおすすめします。

小口径のノズルを利用する理由は、塗料を塗装し過ぎないようにするためです。光触媒コーティング剤に用いられている酸化チタンは白色です。塗装をしすぎたら、その白色が出てきてしまって、見栄えが悪くなるからです。

コンクリート打ちっ放しであれば、多少塗装し過ぎてしまっても、酸化チタンの色が目立ちにくいと思うので、塗装技術に自信があり、塗装の速度を早めたい方は、口径がφ0.8mmのスプレーノズルでも良いかもしれません。

材料の準備

さきほど解説したように、光触媒コーティングをする場所によって、正しい塗料を選んでください。液剤の分量は、塗装面の面積に応じて手配をします。

先にセラミックプライマーを塗装し、その後に同じ機材を使って光触媒コーティング剤を塗装するので、それぞれの塗装後にスプレーノズルを洗浄することが大事です。洗浄キットもお忘れなくご用意ください。

弊社では、スプレーノズル洗浄用の純水も販売しています。どうぞご利用ください。

塗装の手順

塗装する予定のコンクリートを確認して、壁面が汚れていたりゴミが付いていたら、それを取り除きます。カビや苔が発生していたら、それを洗浄剤やブラシを使って清掃してください。

また、コンクリートが濡れていたらセラミックプライマーを塗装できませんので、乾燥させてください。外壁塗装はもちろん晴れた日に行うことが大事です。

先にセラミックプライマーはコンクリート打ちっ放しに、専用機材もしくはロールやハケを使って塗装していきます。セラミックプライマーが乾燥したら、光触媒コーティング剤を塗装します。

塗布した光触媒コーティング剤が乾燥したら施工修了です。

以上、コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティングをする目的、光触媒とコンクリートの相性やデメリット、光触媒コーティング剤の選び方や塗装方法などを解説いたしました。

コンクリート打ちっ放しに光触媒コーティングしたい場合は、できれば新築で、コンクリートが乾いて壁面が汚れる前に施工することをおすすめします。

コンクリート打ちっ放しの光触媒コーティング施工をお求めなら、弊社もしくは弊社の製品を扱う施工代理店までご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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