![業務用光触媒コーティング塗装に最適なスプレーガンと塗装装置](https://iris-hs.co.jp/wp-content/uploads/column/1461.webp)
業務用光触媒コーティング剤を塗装する場合、専用のスプレーガンと塗装機械を用います。
この写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。
業務用光触媒コーティング剤を塗装するスプレーガンは、ペンキを塗装するスプレーガンとノズルの口径が異なり、小口径です。また、塗装箇所に応じて口径を変えます。
エアスプレーに空気を供給する装置は、エアコンプレッサーではなく温風低圧塗装機(ブロワー型)を用います。弊社では、ABAC社制の温風低圧塗装機を推奨しています。エアコンプレッサーですと、吐出圧力が高すぎて、光触媒コーティング剤を塗布し過ぎる場合があります。
この記事では、業務用光触媒コーティング剤専用のスプレーガンの口径や塗装機械の特長などを解説します。
光触媒コーティング剤用スプレーガンのノズル口径
光触媒コーティング剤を塗装するときのスプレーガンのノズル口径は、ペンキを塗装するノズルよりも小口径なものを用います。
ペンキの塗装であれば、1.5mm前後の口径のノズルを用います。光触媒用は、φ0.3mm~φ0.5mm程度と、かなり小口径なノズルを用います。弊社が販売しているスプレーガンのノズルは、φ0.3mmとφ0.5mmの2種類をご用意しています。
光触媒コーティング剤の塗装で小口径のノズルを用いる理由は、塗料がほとんど水と同じ粘性なので、口径が大きいと塗料が出過ぎてしまうからです。
光触媒コーティング剤はクリア塗装が基本ですので、口径が大きすぎると塗装し過ぎてしまって、クリア塗装ができなくなる恐れがあります。
もちろん、φ0.8mm程度の口径のノズルを利用される方もいらっしゃり、作業速度が早くなりますが、相当なベテランでないと美しい仕上げができません。
口径がφ0.5mmのノズルは、外壁や内装などの塗りムラが多少出てしまっても問題のない場所での塗装で用います。φ0.3mmのさらに小口径のノズルは、ガラス面や光沢のある石材、ニス塗りされた箇所、鏡面加工されたステンレス面などのクリア塗装に用います。
プライマーの塗装でも、ノズル口径の利用は同様です。
ガラス面や光沢面は、光触媒コーティング剤を塗装しすぎたら、塗りムラが目立ってしまいます。φ0.3mmのノズル口径では、光触媒コーティング剤が出てくる量がかなり少ないのですが、薄く均一に塗装するために、このような小口径のものを用います。
温風低圧塗装機を用いる
ペンキの塗装では、コンプレッサーを使って圧力の高い空気をスプレーガンに送り込みます。ペンキのような粘性の高いものを厚く塗装するときは、ある程度の空気圧が必要です。
ところが、光触媒コーティング剤のような粘性の低い塗料を塗装する場合、コンプレッサーのような高圧の空気を送り込むと、塗料が飛び散ってしまいやすくなり、塗着効率が下がってしまいます。塗料が飛び散ることを「オーバーミスト」と言いますが、その分だけ、液剤がムダになります。
光触媒コーティング剤の塗装は、薄く均一に塗装するので、コンプレッサーほどの空気圧は必要ありません。そこで、光触媒コーティング剤の塗装では、温風低圧塗装機を用います。
温風低圧塗装機は、ブロアで空気を送り込むので低圧になります。その分だけ風量をふやさないといけませんから、空気を送るパイプは太めです。温風低圧塗装機にはいろいろなメーカー品がありますが、弊社ではABAC社製の温風低圧塗装機を推奨しています。
ABAC温風低圧塗装機を用いるメリットは次のようになります。
- スプレーノズルからエアカーテンが出るので、塗装面への塗着効率が高い(70%以上)ので、塗料の無駄を減らせる
- 温風なので光触媒コーティング剤の乾燥が早い
- 装置が小さくて軽い
- キャリングハーネスを用いて背中に背負えるタイプもあり、作業性が高い
![ABACのスプレーガンから出るエアカーテンが光触媒コーティング剤を包み込み塗着効率が70%](https://iris-hs.co.jp/wp-content/uploads/column/abac-air-curtain-photocatalyst.webp)
なお、「塗着効率」とは塗料の定着率のことです。使用した塗料の分量と塗装面に付着した塗料の分量との比率です。
ABACのオプション品の塗料タンク
![塗料カップ付きスプレーガン](https://iris-hs.co.jp/wp-content/uploads/column/1461-2.webp)
ABACのスプレーガンには、塗料カップ(400cc)が標準でついています。この塗料カップは、オプションで大容量カップ(600cc)に変更できますが、その分だけ塗料が多く入るようになります。
ところが、光触媒コーティング塗装ではスプレーガンを素早く動かすので、塗料カップ方式では大容量カップですとスプレーガンが重くなり、作業性が悪くなります。
標準の塗料カップだと、塗料がすぐになくなってしまうので、その度に塗料を補充しないといけません。
![塗料タンクを接続したスプレーガン](https://iris-hs.co.jp/wp-content/uploads/column/1461-3.webp)
ABACは、塗料カップではなく腰に装着できる塗料タンク(1L)が、オプション品としてあります。弊社では、この塗料タンク(簡易圧送キット)のご利用をおすすめしています。
塗料タンクを装着したときのスプレーガンは、写真のように塗料カップを外して、そこに塗料タンクからのパイプ(2本)を接続します。
すると、スプレーガンが軽量になり、また塗料を補充する頻度が減るので、作業効率がかなり上がります。
以上、業務用光触媒コーティング剤を塗装するためのスプレーガンと塗装機械(温風低圧塗装機)を解説しました。光触媒コーティングを美しく仕上げるためには、専用のスプレーガンと塗装機械をご利用ください。
弊社では、光触媒コーティング剤のメーカーですが、ABAC温風低圧塗装機の代理店になっており、光触媒コーティング剤を塗装するための機材も扱っています。ABAC温風低圧塗装機の詳細は、ABAC温風低圧塗装機SG-91をご覧ください。
また、光触媒コーティング塗装の講習会も開催しているので、これから光触媒コーティングを事業化したいとお考えの企業様は、ぜひ弊社までご相談ください。
塗装機械やスプレーガンをお持ちで、施工講習会を受けていただいたりして塗装技術を身に着けられるなど、一定の条件が満たされた企業様は、弊社の施工代理店にご登録いただけます。弊社の施工代理店になられましたら、弊社ホームページに貴社情報を記載したり、弊社が作成したチラシのデータをご提供したりするので、営業活動もしやすくなります。
ご相談をお待ちしております。
この記事の著者/責任者
![島田幸一](/wp-content/themes/iris/images/representative.jpg)
株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)
私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。