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外壁のコケ予防なら特殊な酸化チタンを使ったコーティング塗装

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外壁のコケ予防なら特殊な酸化チタンを使ったコーティング塗装

外壁にコケが発生すると、景観が悪くなりますし、放置しておくと外壁を傷めてしまう場合があります。

外壁にコケが発生しやすい場所には、コケ予防をしておくと良いでしょう。

コケ予防としておすすめの方法は、光触媒コーティングです。

光触媒コーティングなら、光触媒成分が外壁に付着している限り、半永久的にコケ予防をしてくれます。

ただし、コケ予防ができる光触媒の種類は限られます。コケ予防ができない光触媒も多いので、ご注意ください。

この記事では、外壁のコケ予防ができる特殊な酸化チタンを使ったコケ予防コーティングをご紹介します。

外壁にコケが発生しやすい環境とは?

外壁にコケが発生しやすい環境は、次のような場所です。

  • 日陰になりやすい外壁
  • 空気が湿っている場所の外壁
  • 樹木の多い場所の外壁

コケは直射日光や乾燥を嫌うので、直射日光が当たりにくく、湿っぽい外壁によく発生します。

例えば、人が通れないくらいに建物が隣接している場所の外壁です。そういった外壁は、直射日光が当たることはありませんし、地面の湿気によってジメジメしています。

また、樹木の多い場所の外壁にもコケが生えやすいです。別荘やお寺の周辺には、大きな木がたくさん生えていることがあります。そのような場所にある外壁で、北側の外壁にはコケが発生していることが多いです。墓石も同様です。

コケ予防ができる特殊な酸化チタンとは?

コケが予防できる特殊な酸化チタンについてご説明いたします。その酸化チタンとは、「銅ドープ酸化チタン」と言われるものです。

光触媒の外壁塗装をされた工務店様からのご相談

以前に、大手工務店様からご相談をいただきました。光触媒塗料を使って外壁リフォームをしてもらったところ、2~3年ほど経過してコケが発生したそうです。その塗料メーカーの光触媒塗料は、「10年間、外壁が汚れません」ということを謳っていたのにもかかわらず、2~3年ほどでコケが発生して汚れてしまったのです。

戸建てのオーナー様は、もちろん工務店にクレームを入れたのですが、今度は大手工務店様が困ってしまいました。その理由は、塗料メーカーに問い合わせたところ「北側の直射日光が当たらない場所にはコケが発生しても仕方が無い」と言われて一蹴されてしまったからです。

大手工務店様はクレーム対応のため、コケ予防ができる光触媒をネット検索で探されました。そして弊社のホームページをご覧になられ、お問い合わせしてこられました。

一般的な酸化チタンではコケ予防ができない理由

一般的に多く利用されている光触媒は、酸化チタンです。もっと詳しく述べますと、アナターゼ型と言われる結晶構造を持つ酸化チタンの微粉末が利用されます。

酸化チタンは、紫外線が当たることで強い酸化力を持つ物質です。紫外線が当たると、酸化チタンの表面に電子が飛び出してくるのですが、この電子が空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。

このOHラジカルが、コケやコケの胞子の表面を分解して、コケの活動を抑制したり死滅させたりするわけです。

酸化チタンは紫外線が当たるとOHラジカルが発生し汚れ、カビ、コケを防止

しかし、酸化チタンは紫外線が当たることでコケ予防ができます。コケが発生しやすい環境では、直射日光が当たりませんから、紫外線もほとんどありません。そういった場所では、酸化チタンはコケ予防効果がほとんどありません。

北側の外壁は紫外線が当たらないので防汚ができない

一般利用されている特殊な酸化チタンの種類

酸化チタンは紫外線が当たったときにしか効果がありませんが、「紫外線以外の光が当たっても効果が出るようにできないのだろうか?」ということで、弊社では今から20年以上前に研究に取り組み、銅ドープ酸化チタンを発見しました。

今現在、一般利用されている紫外線以外の光にも反応する酸化チタンは、主に次の3種類があります。

  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン

これら特殊な酸化チタンは、どれも紫外線以外の光にも反応して、OHラジカルを発生させます。酸化チタン以外にも、酸化タングステンが紫外線以外の光にも反応します。

酸化チタン結晶にナノサイズの酸化銅を結合

これらの中でもっともコケ防止効果が期待できるものは、銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンとは、ナノサイズのアナターゼ酸化チタンの表面に銅を結合させた、特殊な酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンの製造方法は、弊社が世界で初めて発見し、大きな反響がありました。その後、さまざまな研究機関で追試がなされ、紫外線が当たらない場所でも高い効果が得られることがわかりました。

コケ予防なら銅ドープ酸化チタン

銅ドープ酸化チタンの、紫外線以外の光「可視光」が当たったときの効果の高さは、他の光触媒と比べて10倍以上です。酸化チタンは、紫外線が当たらないとほとんど効果がありませんから、可視光下では効果の差は比べ物にならないほどです。

銅ドープ酸化チタンの効果を100としたときの他の光触媒との効果比較

銅ドープ酸化チタンの利用方法

銅ドープ酸化チタンの利用方法は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を外壁に塗装します。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤は、弊社の製品であれば屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

名称が「屋内用」となっていますが、外壁にも塗装でき、高いコケ予防効果があります。銅ドープ酸化チタンは、屋内で利用すると抗菌や消臭、アレルゲンの分解といった効果があるので、屋内用として販売しています。

この液剤は、弊社が世界で初めて発見し光触媒コーティング剤として実用化され、製造特許を取得しました。私の知る限り、銅ドープ酸化チタンの製造特許を取得しているのは弊社と信州大学だけだと思います。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の成分は、次の通りです。

光触媒銅ドープ酸化チタン
バインダー(接着剤)アモルファス酸化チタン
その他

光触媒には銅ドープ酸化チタンが用いられています。バインダーとは、接着成分のことです。銅ドープ酸化チタンは塗装しても、そのままだと落ちていってしまいますが、バインダー成分が添加されているので、外壁に銅ドープ酸化チタンが固定化されます。

バインダーの耐久性が光触媒コーティングの耐久性と直結するわけです。

バインダーに利用されているアモルファス酸化チタンは、非結晶の酸化チタンです。先ほど、光触媒に利用される酸化チタンは、アナターゼ型結晶の微粉末が利用されていることをお伝えしましたが、バインダーにはアモルファス酸化チタンを利用しています。

アモルファス酸化チタンは、フッ素樹脂などのバインダー成分と比べると、耐久性が2倍ほどあります。

その他の成分には水が利用されています。銅ドープ酸化チタンとアモルファス酸化チタン、水だけで光触媒コーティング剤が出来上がっており、完全な無機塗料です。

外壁への塗装方法

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の塗装には、専用の塗装機械とスプレーガンを用います。弊社がおすすめする塗装機械とスプレーガンのセットは、ABAC(アバック)温風低圧塗装機です。

次の写真は、ABAC温風低圧塗装機SG-91です。

ABAC温風低圧塗装機SG-91とスプレーガン

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)はABAC温風低圧塗装機で塗装することを想定して、液剤の配合が調整されています。

スプレーガンの塗料カップに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を充填し、ブロワーユニットを起動させてスプレーしていきます。

コケ予防コーティング施工の流れ

コケ防止施工の流れは、次の手順で行います。

  1. 足場の設置(必要であれば)
  2. 光触媒コーティング剤がかかってはいけない箇所への養生
  3. 外壁の清掃
  4. プライマー塗装
  5. 屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)塗装
  6. 足場や養生の撤去

足場を設置する場合は、設置費用がかかります。コケが発生するのは、たいてい地面から1.5mくらいまでですから、その範囲でしたら手で届くので、足場の設置がいりませんから施工費用が安くなります。

プライマー塗装とは?

プライマーとは、下地保護剤のことです。銅ドープ酸化チタンは、強い酸化力でコケ予防をしてくれますが、同時に外壁の下地を劣化させる恐れがあります。

それを防止するために、外壁の下地と銅ドープ酸化チタンが直接触れないように、プライマーを塗装しておきます。

下地保護剤「屋外用プライマー(ASS01)」

弊社の製品であれば屋外用プライマー(ASS01)です。

先にプライマーを塗装し、乾燥したら屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗装します。それぞれの乾燥時間は、夏場であれば30分ほど、冬場であれば2時間ほど乾燥させてください。

市販されている外壁用光触媒コーティング剤の中には、プライマーを必要としないものもあります。そういった製品は光触媒の効果が弱いか、外壁を劣化させてしまうかのどちらかの製品ですから、絶対に選ばないようになさってください。

コケ予防コーティングの作業ができない条件

コケ予防コーティングの作業ができない条件は、次のどれかのときです。

  • 雨の日
  • 風の強い日
  • 夜間

雨の日は外壁が濡れているので、塗装ができません。風の強い日は、ABAC温風低圧塗装機のスプレーガンから噴き出した液剤が風で飛ばされてしまって、外壁塗装ができないからです。

夜間は、液剤が正しく塗布されたかを確認しにくいためです。

漆喰を防水処理することによるコケ予防

漆喰は強アルカリ性なので、基本的にコケが発生することはありません。しかし、漆喰が空気中の二酸化炭素と反応して少しずつ中性化が起こるとされていますが、雨の多い地域では、酸性雨によって表面の中性化が進みやすいと言われています。

漆喰の中性化が起こると、コケが発生しやすくなるので、雨の多い地域では表面を防水コーティングすることをおすすめします。

コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)

漆喰におすすめする防水コーティング剤は、セラミックプライマーです。

弊社製品は、コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)という名称で市販しておりますが、漆喰にもご利用いただけます。

セラミックプライマーはクリア塗装ができるので、漆喰の色合いをそのままに防水をすることができます。塗装方法は、ペイントローラーや刷毛で塗装ができます。

セラミックプライマーは光触媒コーティング剤とも相性が良いです。セラミックプラ―マーを下地塗装した後に、光触媒コーティング剤を塗装してください。

以上、外壁のコケ予防について解説いたしました。コケ予防なら銅ドープ酸化チタンがおすすめであること、施工ではプライマーを塗装すべきことを覚えておいてください。

銅ドープ酸化チタンを使った外壁のコケ防止コーティング施工をご希望の方は、弊社までお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者

島田幸一

株式会社イリス 代表取締役
島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

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